ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

続おやじびでお 第14話 官能小説こそエロの王道

 動画じゃなくっちゃ抜けない! だからDVDが付いてないエロ本じゃダメ! というのが最近のズリネタの常識なのでしょうか。紙派には、肩身の狭い世の中です。
 でも私は動画よりも静止画派。AVで抜くことよりも、写真や漫画、そして小説で抜くことの方が多いのです。

 特に好きなのがSM小説。私がオナニーざかりの中学高校時代にあたる80年代前半は、SM雑誌の全盛期。「SMセレクト」*1や「SMスナイパー」*2をはじめとして二十誌以上のSM雑誌が刊行されていたのです。
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SMセレクト創刊号
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SMスナイパー創刊号


 さらに85年には、あのフランス書院文庫が誕生します。当初はその名前の通りに海外の翻訳ポルノ小説を出していたフランス書院文庫ですが、次第に国内作家の作品にシフト。しかも蘭光生*3などのそれまでSM誌に書いていた作家をメインにしていきました。
 このフランス書院文庫が毎月数十万部を売り上げるという大ヒットになり、マドンナメイト文庫、グリーンドア文庫なども参入し、官能小説は黄金時代を迎えることになります。
 そして前述のように、これらの小説の大半がSMや凌辱色の強いもの。ちょうどこの頃、団鬼六*4の代表作「花と蛇」が角川文庫に収録されるなど、SM小説にスポットライトが当たる時代でもありました。
 もともと永井豪のエッチ漫画でSMっぽいテイストが刷り込まれていた私は、フランス書院文庫にどっぷりハマってしまったのでした。
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フランス書院文庫「肉牢」蘭光生

*1:70年創刊のSM専門誌。以降のSM誌のスタイルを決定づけ、全盛期は15万部も発行されたが90年に休刊。発行元の東京三世社も昨年に自主廃業した。

*2:79年にミリオン出版(のちワイレア出版)から創刊されたSM専門誌。それまでのSM誌のイメージから脱却したモダンなビジュアルと強いサブカル色で一世を風靡した。09年休刊。

*3:80年代の官能小説をリードした凌辱の巨匠。SF作家・式貴士は同一人物。91年没。

*4:60年代に大長編「花と蛇」で日本のSM小説の基礎を築いた巨匠。映画化も多い。2011年没。

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最近、男性の興味がマンコからチンコに移っているのではないか

 最近、男性の興味がどうも「マンコ」から「チンコ」に移ってきているんじゃないかと考えている。

 そう思ったきっかけの一つが、今の若者はクンニをしないという話だ。その一方でおじさんはクンニが大好き。実際に統計を取ったわけではないが、女の子たちに話を聞いてみると、この印象は間違いないようだ。若くなるにつれ、クンニが苦手な率は高くなる。
 しかし、この若い男たち、クンニはしないくせに、フェラは必ずさせるようだ。そして女の子の方も、あまりそれを不自然と思っていない節がある。フェラをするのは当たり前だからするけれど、クンニはよっぽどエロい男がすることだと思っている子もいる。だから、クンニされることを、やたらと恥ずかしがったりする。

 そしてもうひとつのきっかけが、昨年から話題の男の娘AV女優・大島薫の存在だ。手術もしておらず、女性ホルモンも打っていないのに、そのルックスは女性そのもの。しかし、股間には立派すぎるほどのチンコがそそり勃っている。彼(彼女?)に言わせると、女の子の身体にチンコが生えている姿が理想なので、勃起力を弱らせるホルモンは打ちたくないのだという。
 大島薫の作品では、チンコが非常に大きな役割を果たす。男優たちは、大島薫のチンコをしごき、時には口に咥える。大島薫本人も、アナルに挿入されながら、自らチンコをしごいていたりする。
 昨年HMJMから発売された「ボクは男の子ですけど、こんなカラダでも興奮してもらえますか? 大島薫」という作品に顕著なのだが、大島薫をハメ撮りする梁井一監督も「チンコが好きだ」と語り、彼のチンコを愛おしそうに愛撫する。
 
 実はチンコが好きだと言う男は、意外なくらいに多い。AVを見ていても男優のチンコが気になるというのだ。だからと言ってゲイというわけではない。男性が好きなわけではなく、チンコが好きなのだ。

 これには、チンコには自分の快感を投影しやすいという理由があるように思える。女がいくらマンコを愛撫されてアンアン気持ちよさそうにしてても自分は女ではないので、リアリティを感じない。その点、チンコならAVを見ていてても、自分の快感に置き換えやすい。
 AVでは潮吹きの人気が高いのだが、あれなどは完全に射精のメタファーとして男性は見ている。普通にイク反応では、ピンと来ないけど、潮吹き=射精だと考えると、感情移入がしやすい。

 この傾向は、どうも男性の想像力が欠如しつつあるので、安易に自己投影しやすい方に流れているんじゃないかと考えているのだが、それは僕が、あまりチンコ好きじゃないから、いくぶんバイアスがかかっているかもしれない。僕は、他人のチンコは好きじゃないので、できるだけ見たくない派だ。さらに言えば自分のチンコもあまり好きじゃなくて、とにかくマンコ好き。ええ、立派なおじさんですからね!

 この辺の話はもう少し考えてみたいと思う。無修正ポルノが簡単に見られるようになって、マンコの価値が下がってしまったから、マンコへの興味が失われた、という単純な問題でもないような気がするのだ。


WEBスナイパーで「ボクは男の子ですけど、こんなカラダでも興奮してもらえますか? 大島薫」を僕を含む4人のライターがクロスレビュー。やはり、話題はチンコ。

2015年1月に見た面白かったAV

1月に見た22本のAVの中で、本当に面白かったなと思ったAV3本です。


「はじめてづくし」松岡ちな(SODクリエイト)
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デビュー作を昨年度の個人的ベストワン作品に選んだ松岡ちなちゃんの2作目。「いかにもAV」という感じの定番プレイに挑戦するという内容なんですが、どれもなかなかハマっていて、彼女のAV女優としてのポテンシャルの高さを十二分に感じさせる作品になってました。個人的には恥じらいながら口にする淫語プレイにグッと来ましたね。


バクシーシ山下ドキュメント第1弾 毎度お騒がせのAV業界で、また事件が起こりました。ロリコンAV監督が、23歳年下のAV女優と撮影とは関係なくセックスしてしまったところを盗撮されていたのです。実際に起こった事件を追いかける過程で発覚する新事実の数々」みおり舞(V&R PRODUCE)
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一部で話題を呼びながらも未だ発売されていないビーバップみのる監督のドキュメントAV大作「501」。そのスピンアウト作品の方が先に発売されました。ひとつの事件をきっかけに話はどんどん奇妙な展開を見せていきます。あの鬼才バクシーシ山下が帰ってきた! と言いたくなる異色ドキュメントです。


尿道奴隷VS肛門奴隷」(エピキュリアンEVE)
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肛門プレイが得意なM男と尿道プレイが得意なM男が女王様のお気に入り奴隷の座をかけて尿道責めとアナル責めで戦うというどう考えても頭のおかしい作品。特に尿道プレイが凄まじ過ぎて直視できず。ひぃっ! 電動ドリルを突っ込むなんて! そしてラストシーンは夜景をバックに、肛門獣が肛門に、尿道獣が尿道にローソクを挿入して火を灯しているカットで、かっこ良すぎます。
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あと、昨年7月に発売されて評価の高かった「理性の吹き飛んだ美少女と中出し性交 湊莉久」を遅ればせながら見たんですが、確かに素晴らしかったです。小細工無しで湊莉久というAV女優の凄さを見せつけられました。

続おやじびでお 第13話 テレビでオッパイが見られた時代

 ネットには無修正が溢れていて、誰でも簡単にモロなエロが楽しめてしまう時代ではありますが、その一方でテレビ番組のエロ規制はずいぶん厳しくなってますね。地上波では、もうほとんどオッパイを見ることは出来なくなっています。

 私が子供の頃の70年代というのは、テレビにはもっとオッパイが溢れていました。ゴールデンタイムでも平気でオッパイが出てきたものです。大人気ドラマだった「時間ですよ」*1なんて、銭湯が舞台だからということで、女湯のヌードシーンがガンガン出てましたし、土曜の昼にやっていた「独占!女の60分*2でもエロネタが多かったですねぇ。土曜は半日で学校が終わるので、速攻で帰って見たものです。

 また深夜番組のパイオニア「11PM」*3もエロネタの宝庫でした。新聞のテレビ欄で「エロそうなサブタイトルだったりすると、もう見たくて見たくてしょうがありませんでした。早く親が寝たりすると、こっそり起きてイヤホンで聞いたりして。でも、おかげで親が起きてくる音が聞こえなかったりして。いや、それよりも何よりも、テレビ欄に書いてあるタイトルが全然内容と違ってることが多かったんですよ。「女子大生、夜のお勉強」とか書いてあってドキドキしながら見たら、本当に勉強してるだけだったとか……。
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11PM」三流劇画特集(1978年)

*1:名演出家・久世光彦が手がけたコメディドラマ。第一作は1970年にスタート。以後、1989年まで6シリーズに渡って放送された。主演は森光子。堺正章樹木希林天地真理浅田美代子とんねるず工藤静香藤井郁弥中居正広なども出演した。

*2:1975年~1992年放送。ターキーこと水の江滝子、キャッシー中島、清水由貴子など出演者は女ばかりなのに、しっかりエロネタを扱ってくれた。

*3:1965年~1990年放送。大橋巨泉愛川欽也藤本義一などの司会による基本的にはカルチャー番組だが、火曜、木曜はエロネタが多く要チェック。いそのえいたろうの風俗レポートや、うさぎちゃんの秘湯の旅が人気だった。

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【今月の自腹で買ったAV】「性的虐待してください…。」舞園かりん(オーロラプロジェクト)

http://instagram.com/p/yeKfUejWyB/
 AVライターという仕事をやっていると、なかなか自分ではAVを買わなくなります。レビューを書くためのAVは編集部からサンプルが送られてきますし、メーカーからも毎月大量に送られてきます。原稿の資料として自分で購入することもありますが、個人的な楽しみとして買うことはどうしても少なくなります。何しろ仕事で月に何十本も見るので、プライベートで見る余裕がなくなっちゃうんですよね(実用的な話で言えば、僕は静止画派だったりしますし……)。
 しかし、それではいけないなぁとは思っているんですよ。やっぱり僕らは、ユーザー目線を忘れちゃいけない。お金を出して買ったのにハズレを掴まされた悔しさを忘れちゃいけない。
 ということで、今年は毎月最低一本は自腹でAVを買おうと決意しました。自腹で買って、しがらみのない個人的なレビューを書いてみようと思いました。

 さて記念すべき第一本目を購入すべく、仕事場の近所のラムタラに行ってみました。パッケージを眺め、あれこれ手に取りながら熟考。これはどうだろう、いやこっちはちょっと高いな。どうせなら、新作の方がいいかなぁ……。
 もう完全にユーザーですね。ショップで買う時は、いつも資料として決め打ちで買いに行くことが多いので、こういうのって新鮮だったりします。

 で、選んだのが舞園かりんちゃんの「性的虐待してください…。」(オーロラプロジェクト)。税込2973円。
 舞園かりんちゃんは、以前にインタビューしたこともあり、デビュー作も見ています。M気が強くて、ロリ系という僕の趣味ストライクの子だったので、これはハズさないだろうな、と考えたんですね。ええ、やっぱり自腹で買う以上、ハズしたくないじゃないですか!

 タイトルはちょっとダークなイメージですが、舞園かりんちゃんが終始うれしそうな表情を浮かべているので、ムードは意外に明るいです。かりんちゃんは「いじめられるのがすごく大好きです」なんて言ってるし、オナニーする時も自分がいじめられるところを想像するというくらいにM気が強いんですが、本作では「虐待」というタイトルほどには、いじめていないですね。ちょっと雑に扱っているという程度。イラマチオなんかもさせていますが、むしろかりんちゃんが自分から喉の奥にまで突っ込んでむせちゃってるくらい。ようするに彼女のM度が監督のS度を上回っちゃっているのです。もうちょっとがんばって、S気を見せて欲しかったところですね。彼女が大好きだというスパンキングも全くなかったし。
 そうそう、彼女は処女のままAVデビューしたんですが(つまりデビュー作で処女喪失)、その前からスパンキングに憧れて、自分でスパンキングのイラストを大量に描いてネットで発表していたほどのマニアなんですよ。処女なのに、スパンキングされるところを妄想してムラムラしてたとは、なんてエロいのでしょうか。

 さて、舞園かりんちゃん。正直言って、顔立ちは微妙です。身体つきも含めて幼い感じで、中学生くらいにも見えるんですが、美少女というにはちょっと厳しい。特にあえいだりすると、かなり崩れる。ルックスのレベルが飛躍的に上がっている昨今のAV業界の中では上の方のランクにはとても入れない。
 じゃあ、かりんちゃんがAV女優としてダメなのかというと、そうでもないんですよね。現に僕は自腹を切ってこの作品を買ってるのですから。その微妙なルックスが、逆によかったりするんですよ。
 処女の頃から、自分がいじめられるところを想像してオナニーにふけり、自らパイパンに剃っていたという彼女。作品中でかりんちゃんが終始うれしそうな表情をしていると書きましたが、これが普通にアイドル顔の女の子だったら、ムードはぶち壊しになってたと思うんです。微妙なルックスのかりんちゃんが、嬉しそうにセックスをしているからこそ、この作品の不健全さが活きてくるんですね。そう、この不健全なムードがこの作品の魅力なんです。
 オーロラプロジェクトの作品というのは、基本的に援交の匂いが強烈に漂っています。この作品もホテルの一室で制服姿のかりんちゃんが、男にハメ撮りされるというもので、不健全なムードが濃厚なのです。ずるい大人が、何もわからない従順な女の子を好き勝手に弄んでいるというイメージです。その構図に嫌悪感を持つ人もいるでしょう。
 しかし、その不健全さこそがAV、というかエロなんじゃないかなとも思うんですよ。誰もが不快感を抱かないような明るく健全なセックスなんて、面白くもなんともないじゃないですか。

 しかし、だからこそ、もう少し踏み入って欲しかったなと思いました。舞園かりんちゃんという女の子のポテンシャルはもっと深いところにあるはずです。若干、消化不良の感は否めませんでしたね。
 うーん、もっとヤバい舞園かりんが、見たいなぁ。

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続おやじびでお 第12話 アダルトアニメとAVの関係

くりいむレモン」とつぶやくだけで、甘酸っぱい気持ちになる40代も多いことと思います。今では珍しいことではありませんが、アニメの美少女キャラがエロい姿を見せてくれるなんて、あの当時はありえない衝撃でしたよね。

 日本のアダルトアニメの歴史というのは、意外に古いのです。その第一作と言われているのは、なんと1932年(昭和七年)に制作された「すヾみ舟」*1です。木村白山という画家が、、35ミリのモノクロフィルムに一コマずつ撮影して、たった一人で制作したというもの。3年もかけて作ったのに、完成と同時に摘発されてしまったとか。なにしろ時代が時代ですからね。
 その後、手塚治虫による「千夜一夜物語*2などセックス描写のある大人向けアニメが作られたりもしましたが、本格的なアダルトアニメとなると、1984年の「雪の紅化粧 少女薔薇刑」(ワンダーキッズ)*3が最初ということになるでしょう。人気エロ劇画家・中島史雄原作によるこの作品は、やはり劇画タッチで、ロリータアニメとうたわれていたものの、当時のオタクの求めていた物とは、ちょっと違いました。
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雪の紅化粧 少女薔薇刑


 このアダルトアニメ黎明期*4は、かなり試行錯誤がなされていて、タレントの似顔絵(?)アニメ「女子大生・聖子ちゃん」「オフィスレディー明菜ちゃん」や、アダルト人形劇「三蔵法師」「羅生門」なんて怪作も続々と作られていました。
 当時は夜中にビデオソフトを紹介する番組があって、この辺の作品もちょこちょこテレビで放映されていたんですよね。ええ、もちろん熱心に見てましたよ、僕は!
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サティスファクション

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オフィスレディー明菜ちゃん

*1:摘発により原盤は押収されたが、密かに流出したらしい。当時来日したウォルト・ディズニーが密かにこれを見て絶賛したという伝説もある。

*2:手塚治虫の制作総指揮で作られた劇場用アニメ。声優として青島幸男岸田今日子大橋巨泉立川談志などが参加。その後、手塚治虫は「クレオパトラ」「哀しみのベラドンナ」と立て続けに成人向けアニメを作った。

*3:短編2話を収録、アングラ色が強く強引な展開で一部でカルト扱いされている。制作のワンダーキッズは当時スネークマンショーのビデオなども制作していた。

*4:この頃「ドリームハンター麗夢」「サティスファクション」(原作・あがた有為)「青い体験」(原作・羽中ルイ)などのアニメを作っていたオレンジビデオハウスは、V&Rプランニング以前に安達かおるやカンパニー松尾が務めていたテレキャスジャパンの小会社だった。

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続おやじびでお 第11話 AVの歴史は代々木忠の歴史

 村西とおるカンパニー松尾など有名なAV監督は何人もいますが、一般の人が名前を知った初めてのAV監督といったら、ヨヨチューこと代々木忠になるのではないでしょうか? 
 60年代に成人映画から*1そのキャリアをスタートさせた代々木監督は、81年に愛染恭子*2主演の「淫欲のうずき」からアダルトビデオの世界へ進出します。最初は成人映画の延長とも言えるドラマ物を撮っていた代々木監督ですが、82年に「ドキュメント ザ・オナニー」*3という画期的な作品で大ブレイクします。
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 女性がカメラの前で、本気でオナニーをしているのを撮影するという、今では「それのどこが新しいの?」と思うような内容なのですが、それまでの成人映画やAVが、あくまでも女優がエッチな演技をしているという前提だったのに、「ザ・オナニー」には女性が本当に感じている姿が記録されていたのです。
 実はドラマ仕立ての本番物を撮影する予定が、その場になって女優が本番を嫌がったために、急遽オナニーに路線変更したという、偶然の産物によるものだったそうですが。
 しかし、そこに収録された「本物」の生々しさは、世の男性たちに大きな衝撃を与え、「ザ・オナニー」シリーズは空前の大ヒットを記録しました。
 またこの作品を再編集して成人映画館で上映するなんてことも行われていました。この時期のAVは成人映画をビデオ化した物が多かったのですが、「ザ・オナニー」は、その逆を行ったのですね。これも画期的なことだったと思います。以降、AVに押された成人映画は、このようにAVを映画化したり、AVのようにビデオで生撮りしたりと、どんどんAVに近づいて行くことになります。
 僕も当時、劇場版「ザ・オナニー」を映画館で見ています。高校生の頃でしたが(笑)、夜遊びしていて終電を逃してしまい、オールナイトのポルノ映画館で夜を明かしたのですね。今ならネットカフェが定番でしょうが、その頃は映画館のオールナイトという人が多かったんです。もちろん、こんなの上映されてたら、おとなしく眠ってなんかいられませんですけどね。悶える女性の生々しすぎる喘ぎ声が強く印象に残りました。

*1:代々木監督は72年にプロデュースした「女子高生芸者」(日活ロマンポルノ)がワイセツにあたるとして9年間に渡る裁判に巻き込まれる。80年に出た判決は無罪だった。

*2:75年から成人映画で活躍。81年に武智鉄二監督の「白日夢」の主演に抜擢されたことから、一躍セックスシンボル的存在に。その後もストリップなどで活躍するが、2010年にヌードの仕事から引退した。この時、御年52歳。

*3:「主婦・斉藤京子の場合」「女子高生・西川小百合の場合」「女優・田口ゆかりの場合」など全7作が日本ビデオ映像から発売。

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