ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

日本初のニューハーフAVを発見する

 拙著「痴女の誕生」の第五章「男の娘の時代」で、日本最初のシーメール(ニューハーフ)AVは1986年に映研から発売された「シーメール ちえみ」だと書きました。これは藤木TDCさんの著書「アダルトビデオ最尖端」(コアマガジン 現在は「ニッポンAV最尖端」として文春文庫より発売)を参照したのですが、先日これより前に作られたシーメールAVを発見してしまいました。

 4月26日に神保町の東京堂書店さんで、とみさわ昭仁さん、柳下毅一郎さんと三人での新刊発売記念イベントに出演したのですが、会場に向かう前にちょっと古本屋を回っていたら、かなり古そうなVHSのAVが売られているのを発見したんですね。その中に「華麗なるゲイの世界を彩るドラマ リラ」「華麗なるゲイの世界を彩るドラマ エミ」という2本があったんですね。
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クリアハードケースのAVというと正に黎明期の80年代前半の作品のはず。メーカーは「シーメール ちえみ」を出した映研。手に取ってみると、タイトルこそゲイですが、パッケージに写っているのは明らかに女性のようなルックス。あ、これはニューハーフ物だな、とわかりました。「エミ」の方のパッケージ表面には「ニューハーフ(ゲイ)の世界に悶える」というキャッチコピーもあります。80年代前半のこの時期には、まだゲイもニューハーフも混同されていたということでしょう。そして何気なく「エミ」のパッケージを見ていると、「ビデ倫No.84226」の表記が。

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「痴女の誕生」書評リンクス

「痴女の誕生」発売から2ヶ月経ちまして、書評なども出揃って来たかなという状況になりましたので、少しまとめてみます。

雑誌
週刊実話 4月21日号  評者:小林明氏
サンデー毎日 5月8・15日号 評者:武田砂鉄氏
週刊文春 5月19日号 評者:酒井順子
・週刊SPA! 5月24日号 評者:大山くまお氏
現代性教育研究ジャーナル No.62 評者:今福貴子氏
www.jase.faje.or.jp

綴葉 No.347 評者:れくた氏
www.s-coop.net
VOGUE JAPAN 評者:山口博
www.vogue.co.jp


新聞
共同通信 『痴女の誕生』安田理央著 AVで検証する性意識の変遷(評者:片岡義博)
山梨日日新聞 4月3日号・河北新報 4月10日号・徳島新聞 4月10日号・熊本日日新聞 4月10日号・大分合同新聞 4月25日)
www.oita-press.co.jp

スポーツニッポン 5月11日号 評者:うかみ綾乃氏
北日本新聞 5月25日号
WEB RONZA朝日新聞社) 5月12日 評者:高橋伸児氏
webronza.asahi.com


関連記事
週刊ポスト 4月22日号 「ベストセラー『痴女の誕生』著者が語る『乳首・淫語責め』が定番プレイになるまで」
週刊SPA! 5月31日号 「調査研究 『痴女』はなぜ増えたのか?」※監修
nikkan-spa.jp


関連WEBニュース
LITERA 5月16日 「AV女優・上原亜衣が“痴女“演技のためにした勉強とは...『痴女の淫語』は水道橋博士も通った風俗店で生まれた (田中教氏)
lite-ra.com

・女子SPA! 5月22日 「AVから『イイ女』の技を盗め!エロテクを磨くより大事なこと」 5月26日 「巨乳よりも『痴女』がいい!?イマドキ男子と恋するために必要なもの」(千葉こころ氏)
joshi-spa.jp
joshi-spa.jp


Blog
コレクションとカメラの雀坊堂 4月6日 「痴女の誕生」(雀坊氏)
www.jumbow.main.jp

bronson69の日記 4月18日 「痴女の誕生(追記あり)」(U次郎氏)
bronson69.hatenablog.com

インターネットの備忘録 4月19日 「原始的な欲求によりそって技術は浸透してきた/安田理央『痴女の誕生』読んだ(はせ おやさい氏)
hase0831.hatenablog.jp

らせん階段をのぼって 4月20日 「『痴女の誕生』と私の好きなセックス」(みう氏)
femmefatalite.blog.jp

案山子庵(かかしあん) KAKASHI-AN 5月14日 「男の必修科目 痴女の誕生」(案山子氏)
20050509.at.webry.info

読書日記 5月23日 (小野滋氏)


読書メーター(現在10件) 
bookmeter.com

Amazon レビュー(現在4件)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4778315138/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4778315138&linkCode=as2&tag=rioysd-22www.amazon.co.jp

 

関連番組
MXテレビ5時に夢中!」4月19日
・ニコ生ナックルズ 5月13日
live.nicovideo.jp



書評していただけると著者にとっては最大の励みになります。厳しいご意見も含めてどんどん書評いただきたいです。
個人的な感想なども、メールで下さると嬉しいです。rio@loveforsale.jp

※どんどん追記していきます。見落としなどありましたら、お知らせ下さい。

4月5月の安田理央イベント出演情報

4月と5月のイベント出演情報です。「痴女の誕生」がらみが二つ。


「せんべろ古本トリオ(とみさわ昭仁×安田理央×柳下毅一郎)トーク&サイン会」~「無限の本棚」(アスペクト)「痴女の誕生」(太田出版)「柳下毅一郎の特殊な本棚」(本の雑誌社)刊行記念イベント~

4月26日(火)神保町・東京堂書店

せんべろ古本トリオとは、昼酒と古本をこよなく愛するフリーランスおじさんによる旅人ユニットである。朝もはよから酒場と古本屋をハシゴして歩くせんべろ古本トリオが、奇しくもほぼ同時に新著を刊行したのを記念して、トーク&サイン会をおこないます。三人三様の古本との付き合い方や、新著のことなどを存分に語ります。


開催日時:2016年4月26日(火) 19時00分~(開場18時30分)
開催場所:東京堂書店 神田神保町店6階 東京堂ホール
参加費:500円(要予約)

予約・詳細はこちら。
http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=11024

おれ、考えてみたらサイン会するの初めてだ!



猫町倶楽部 名古屋アウトプット勉強会

5月20日(金) ウィンクあいち1006会議室

5月の名古屋アウトプット勉強会は名古屋藝術部と猫町UG(アンダーグラウンド)名古屋とのコラボ企画です。
藝術部が選書した課題本は
   世阿弥風姿花伝」(岩波文庫
UGが選書した課題本は
   安田理央 「痴女の誕生」(太田出版
上記2冊より1冊お選びください
安田理央さんのゲスト参加が決定しました。


開催日時:2016年5月20日(金)
受付開始18:45 読書会19:15~21:30 懇親会21:40~23:30
開催場所:ウィンクあいち1006会議室(10階) 名古屋市中村区名駅4丁目4-38 052-571-6131
参加費:読書会1500円 懇親会4000円 ※【学割】読書会は500円引きになります。

予約・詳細はこちら。
http://www.nekomachi-club.com/schedule/32476

日本最大級の読書会サークル「猫町倶楽部」さんで、「痴女の誕生」を課題本として取り上げてくれることになりました。僕もゲストで伺います。
名古屋ですが、興味のある方はぜひ!


4月5月はライブはないのですが、モデルプランツ、Roswellsのギタリストであるアベマサミさんとクリトリスガールズのツバキさんの50歳記念イベントにゲストで出演します。ちょっと歌わせてもらいます。

合わせて百寿~ツバキとアベのBIG SHOW.~

5月14日(土) 東高円寺二万電圧

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出演:アノランペ(from 京都)/masami & kint a manz/イソギン16
KMネットワーク/ぬ界村/クリトリス・ガールズ
DJ:タチザキ
ゲスト(敬称略) 安田理央/吉田仁郎/王様/タケモン/神山庄太郎/他多数


開催日時:2016年5月14日(土) 開場17時30分 開演18時
開催場所:高円寺二万電圧
料金:高円寺二万電圧

僕が世界で一番好きなギタリスト、アベマサミの誕生イベントですよ! 

そんな感じでよろしくお願いします!

「痴女の誕生」参考資料

10年前に「エロの敵」を出した時にもやったのですが、「痴女の誕生」を書くにあたって参考にした本や雑誌を紹介したいと思います。

「痴女の誕生」巻末の「参考文献一覧」に掲載したリストはこちら。

参考文献一覧

<単行本・ムック>

宝泉薫『アイドルが脱いだ理由』(宝島社)2001年
前場輝夫:撮影『愛・MY・ME 飯島愛』( 英知出版)1992年
馬場賢治『アクション・カメラ術』(KKベストセラーズ)1981年
森ヨシユキ『アダルトビデオ「裏」の世界』(宝島社)2012年
藤木TDC『アダルトビデオ最尖端』(コアマガジン)2011年
東良美季『アダルトビデオジェネレーション』(メディアワークス)1999年
オレンジ通信特別編集『アダルトビデオ10年史』(東京三世社)1991年
オレンジ通信特別編集『アダルトビデオ20年史』(東京三世社)1998年
本橋信宏『アダルトビデオ 村西とおるとその時代』(飛鳥新社)1998年
藤木TDC『アダルトメディア革命史』(幻冬舎)2009年
豊田有恒『あなたもSF作家になれるわけではない』(徳間書店)1979年
下森真澄・宮村裕子『ANO・ANO』(JICC出版局)1980年
別冊宝島『1億人のAV』(宝島社)1994年
『妹ゲーム大全』(インフォレスト)2004年
『裏パソコン通信の本PART2』(三才ブックス)1995年
本橋信宏・東良美季『エロ本黄金時代』(河出書房新社)2015年
二村ヒトシ金田淳子・岡田育『オトコのカラダはキモチいい』(メディアファクトリー)2015年
『大人限定 男の娘のヒミツ』(マイウェイ出版)2015年
三葉『オンナノコになりたい!』(一迅社)2007年
団鬼六奇譚クラブ 花と蛇 決定版』(暁出版)1970年
北原童夢 早乙女宏美『「奇譚クラブ」の人々』(河出文庫)2003年
津田一郎『ザ・ロケーション』(晩声社)1980年
唯登詩樹『ジャンクション』(白夜書房)1993年
松沢呉一『熟女の旅』(ポット出版)1999年
リビア・セント・クレア『ジョアンナの愛し方』(飛鳥新社)1992年
佐野亨:編集『【昭和・平成】お色気番組グラフィティ』(河出書房新社)2014年
カンパニー松尾井浦秀夫『職業AV監督』(秋田書店)1997~1998年
和田二郎『職業。素人ヌード雑誌編集長。』(マガジンマガジン)2007年
藤井良樹『女子高生はなぜ下着を売ったのか?』(宝島社)1993年
水道橋博士水道橋博士異常な愛情』(青心社)1995年
別冊宝島『性メディアの50年』(宝島社)1995年
黒木香伊藤比呂美『性の構造』(作品社)1987年
荻上チキ『セックスメディア30年史』(ちくま新書)2011年
別冊宝島『超コギャル読本』(宝島社)1998年
美崎薫デジタルカメラ2.0』(技術評論社)2007年
『隣りのお姉さん100人』(二見書房)1982年
このどんと『奴隷戦士マヤ 誕生編』(コスミックインターナショナル)1989年
近石雅史『永瀬愛物語 騎乗位の天使』(マガジン・マガジン)2003年
現代風俗研究所『日本風俗業大全』(データハウス)2003年
『80年代AV大全』(双葉社)1999年
『花は紅 団鬼六の世界』(幻冬舎)1999年
永沢光雄『風俗の人たち』(筑摩書房)1997年
篠山紀信:撮影『135人の女ともだち 篠山紀信全激写』(小学館)1979年
別冊宝島『100万人のアダルトビデオ』(宝島社)2002年
鈴木義昭『ピンク映画水滸伝』(青心社)1983年
井川楊枝『封印されたアダルトビデオ』(彩図社)2012年
三木幹夫『ぶるうふいるむ物語』(三木幹夫 立風書房)1975年
飯島愛プラトニック・セックス』(小学館)2000年
『ヘンタイ道まっしぐら』(KKベストセラーズ)1999年
川本耕次『ポルノ雑誌の昭和史』(ちくま新書)2011年
東良美季『代々木忠 虚実皮膜 AVドキュメンタリーの映像世界』(キネマ旬報社)2011年
渡辺真由子『リベンジポルノ 性を拡散される若者たち』(弘文堂)2015年

<雑誌>

AERA』(朝日新聞社
『アップル通信』(三和出版
『anan』(マガジンハウス)
アサヒ芸能』(徳間書店
『attiva』(徳間書店
『いやらしい2号』(データハウス
S&Mスナイパー』(ミリオン出版 ワイレア出版
『egg』(ミリオン出版
『AV CLUB』(日之出出版
『おとこGON!パワーズ』(ミリオン出版
『オトコノコ倶楽部』(三和出版
『おとなの特選街』(KKベストセラーズ
『オレンジ通信』(東京三世社
奇譚クラブ』(曙書房 他)
『綺麗』(笠倉出版社)
『月刊DMM』(ジーオーティー
小悪魔ageha』(インフォレスト
『GORO』(小学館
『実話裏歴史スペシャル』(ミリオン出版
週刊現代』(講談社
『週刊SPA!』(扶桑社)
週刊プレイボーイ』(集英社
週刊ポスト』(小学館
小説宝石』(光文社)
『熟女クラブ」(三和出版
スーパー写真塾』(少年出版社)
『スーパー・ベスト』(KKベストセラーズ
『セクシーアクション』(サン出版
台風クラブ』(東京三世社
チョベリグ!!』(東京三世社
デラべっぴん』(英知出版
『特選小説』(綜合図書
『ナイスマガジン』(桃園書房
『NAO DVD』(三和出版
『熱烈投稿』(少年出版社)
『ビデオエックス』(笠倉出版社)
『ビデオ・ザ・ワールド』(白夜書房 コアマガジン
『ビデオメイトDX』(コアマガジン
『ビデオプレス』(大亜出版)
『ビデパル』(フロム出版
平凡パンチ』(平凡出版 マガジンハウス)
『ベストビデオ』(三和出版
『別冊くい~ん』(アント商事)
『ペントジャパンスペシャル』(ぶんか社
『ボディプレス』(白夜書房
『本当にあったHな話』(ぶんか社
『MAZI!』(ミリオン出版
『ヤンナイ』(大橋書店)
ユリイカ』(青土社


実は最初は、自分の持っている蔵書だけを資料に書けないかな、と思ったのですが結局は国会図書館にも何度か通い、当事者インタビューも結構やっています。あとDMM R-18をはじめとする動画配信サイトにはずいぶんお世話になりましたね。かなり古い作品も配信してたりするので、すごく助かりました。


さて、これらの中でも特に重要と思われる本をいくつか紹介したいと思います。絶版になっているものもありますが、古書店やネットオークションをチェックすれば、入手はそれほど難しくないと思いますよ。

オレンジ通信特別編集『アダルトビデオ10年史』東京三世社 1991年発行)
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 AV情報誌の老舗であった「オレンジ通信」(2009年休刊)の1991年3月増刊。前に紹介した『アダルトビデオ20年史』の前作にあたるムックで、ビデオ前史である1980年から1990年までのAVの歴史を克明に記録しています。当然の如く最初の10年間に関しては『20年史』よりも詳しく書かれています。藤木TDC氏によるAV女優レコードガイド「歌うAVギャル」や中野D児氏の業界自叙伝「The Story Of A Man Called Mr.D」などはぜひ読んでおきたい貴重な資料です。AV史を語る上ではこの『10年史』と『20年史』は必ず押さえておきたいところですね。



藤木TDC『アダルトメディア革命史』幻冬舎 2009年発行)
藤木TDC『アダルトビデオ最尖端』コアマガジン 2011年発行 現在は『ニッポンAV最尖端』として文春文庫化)
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「協力」という形でクレジットさせていただいた藤木TDC先輩のこの二冊は、情報の濃密さが圧倒的です。藤木さんの仕事を見る度に、いつも「ああ、おれはまだまだ甘いな」と反省してしまうほどです。AVの歴史について書いた本としては、この二冊は最も重要なのではないかと思っております。
『革命史』ではテクノロジーの進化がAVにもたらした変化、『最尖端』では日本のAVの特異性について書かれています。


水道橋博士水道橋博士異常な愛情』(青心社 1995年発行)
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サブタイトルは「または私は如何にして心配するのを止めて風俗とAVを愛するようになったか。」。現在はすっかり健康な人になってしまった(笑)浅草キッド水道橋博士がエロの冒険家だった時代の著書です。1992年から1995年にかけて「熱烈投稿」に連載していた「チンチン日記」をまとめたもので、「痴女の誕生」でも重要な役割を果たした南智子さんのプレイ体験記は必読です(巻末の南智子浅草キッドの対談も素晴らしい)。ここで描かれる博士の風俗へのハマりっぷりはすごいんですが、この時期の風俗界はそれも無理はないほどに先鋭的でエキサイティングだったのです。

『大人限定 男の娘のヒミツ』マイウェイ出版 2015年発行)
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来栖美憂氏による男の娘のメディア史と、しのざき嶺氏の名作マンガ「ブルーヘブン」の再録を中心にしたムック。やはり圧巻は日本書紀から現代に至るまでの「男の娘」史です。マンガやゲーム、アニメなどに登場する男の娘たちの変遷を詳細に紹介してくれます。個人的にはあまり得意ではなかった分野なので、この本は本当に参考になりました。



一日店長やります!

おかげさまで「痴女の誕生」、順調な売れ行きのようです。この調子で、どーんと重版を期待…。

さて、今週の金曜日20時から、東中野BARバレンタインで久しぶりに一日店長やります。
BGMは、もちろん80sニューウェーブオンリーですよ。

チャージ(ワンドリンク+おつまみ付)1000円と大変お安いお店であります。ぜひ遊びに来て下さい。一緒に飲んだり話したりしましょう。

「痴女の誕生」も物販しますよ。なんならチェキも撮りますよ!(笑)

BARバレンタイン
中野区東中野4-2-1 帆刈ビル3F
 JR東中野駅から徒歩44秒(東口北側)
 大江戸線東中野駅から徒歩3分
03-5330-8336

新刊「痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか」(太田出版)が発売になります

 京王駅弁大会以降、ずいぶん更新サボってしまいました。すいません。

 久しぶりに本が出ます。タイトルは「痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか」太田出版)です。
 書き下ろしの単行本としては「エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること」翔泳社)が2006年だから、実に10年ぶりですよ。「エロの敵」は雨宮まみとの共著だから、単独の単行本とすると、2004年の「日本縦断フーゾクの旅」(二見書房)以来ということになりますね。いや、ホントに久しぶりだ。
https://www.instagram.com/p/BDPsmFPjW12/
 しかも初のハードカバー本ですよ。鈴木成一さんによる大変クールな装丁。内容もふさわしく、大変マジメな本です。ええ、例え書き出しが、

 愛らしい美少女が、自ら性器を押し開き、桃色の粘膜をむき出しにして、男に見せつけ、あどけなくも淫らな声で叫ぶ。
「おまんこ、すごく感じちゃうの」
「おまんこ、ぐちゃぐちゃにして」
 左右の足の裏で男のペニスを挟んで上下にしごく、いわゆる足コキプレイをしながら、股間の部分がぱっくり開いたパンティから、性器を剥き出しにして無邪気に叫ぶ。
「くぱぁ~!」

だとしても!

 タイトルは「痴女」となっていますが、本書は「美少女」「熟女」「素人」「痴女」「ニューハーフ・女装」の5つのジャンルの誕生と発展の歴史を追うことで、アダルトメディアの中で、女性がどう描かれてきたのかを検証するという内容になっています。
 そう書くと、堅苦しいですね。まぁ、ようするに、例えばAVでいうところの「痴女」のスタイルは、誰がどんなふうに作りだし、どう変化してきたか、という話なんです。熟女・人妻にしても、現在はアダルトメディアの中でも最も大きなジャンルとなっているわけですが、80年代までのAVでは、熟女・人妻物というのは、ほとんど存在してなかったんです(でも成人映画など70年代までのアダルトメディアでは割りとメジャーだった)、それが90年代には、ちょっとマニアックなジャンルとして一部で支持され、00年代になって一気に花咲いた。さらに10年代には、細分化と拡大が進んでいった、というように、歴史を追っていくと実に興味深いんですね。
 アダルトメディアで描かれる女性像というのは、男性の性的欲求を写しだしたものなので、その女性像の変化を追っていくと、男性の性の好みの変化もわかる、と。

 結局、まるまる一年かかってしまいました。19歳でアイドル雑誌の編集部に入ってAV記事を書くようになってから現在まで29年に渡る僕のキャリアを総括するつもりで書きました。巻末には29ページに渡るアダルトメディア年表も付録で付けました。「エロの敵」の時にも付けましたが、グッとバージョンアップしてますよ。

 そして高橋源一郎さんに推薦文をいただきました! ちょっと紹介させていただきますね。

アニメやマンガや文学や美術も大切だ。
だが、アダルトヴィデオの歴史を知らなければ
この国の文化はほんとうにはわからない。
そのことを、この本で証明してみせた
安田里央に文化勲章を! 
教科書にして学校で教えてもいいよね


太田出版から3月31日に発売です。定価1600円(税別)。
どうかよろしくお願いします。

2016年京王駅弁大会 個人的ベスト3

 ちょっと時間があいてしまいましたが、今年の京王駅弁大会のまとめをしておきたいと思います。
 後半、風邪をひいてしまったため、ラストスパートがかけられず、食べた駅弁は全部で15個と大分少なめでした。でも、まぁ、目をつけていた駅弁は概ね食べられたかな。

のどぐろと香箱蟹弁当(1600円/石川県/B-3)
台鉄パイコー弁当 記念ステンレス容器・巾着袋付(2200円/台湾 台北駅/C-3)
山海三昧(1296円/大分県/A-0)
海苔のりべん(900円/福島県/B-6)
から揚げ鶏めし弁当(650円/秋田県/A-3)
ながさき鯨すき弁当(1296円/長崎県/A-5)
滊車辨當(450円/栃木県/D-1)
ほっかぶり寿司三品盛り(1280円/北海道/B-6)
さなえばっちゃんのおこわ弁当(1280円/岩手県/D-6)
北さつま牛・鹿児島黒豚贅沢すきやき重(1280円/鹿児島県/A-6)
甲州かつサンド(鶏)(680円/山梨県/B-6)
三味牛肉どまん中(1300円/山形県/B-3)
ぶりかまめし 吹雪(1200円/富山県/B-4)
ひつまぶし巻(1000円/愛知県/A-0)
米沢牛いも煮弁当(1350円/山形県/A-0)

海鮮系は初日に食べた「のどぐろと香箱蟹弁当」だけで、あとは割りと地味なところを狙って行った感じですね。実際、今年は地味弁がよかったという印象があります。

では個人的なベスト3を発表させていただきます。

第三位:米沢牛いも煮弁当
https://www.instagram.com/p/BAtHr6ejW-A/
あっさりな味付けで米沢牛の旨さがしっかりと味わえました。ねっとりとした里芋も素晴らしい。

第二位:海苔のりべん
https://www.instagram.com/p/BATaY8mjW40/
一見するとオーソドックスなのり弁。それで900円は割高では? と思いましたが、のり弁でもひとつひとつをきっちりと作ればこんなに美味しいのだと驚かされました。特におかか、昆布、海苔だけで満足できちゃうご飯部分の美味しさ。これぞ究極ののり弁!

第一位:山海三昧
https://www.instagram.com/p/BAQyTxkDW9T/
大会二日目にこれを食べた時から「今年の一位は決まったな」と思いました。焼き鯖、海老、鯛という海の幸に加え、湯布院牛のあぶり、椎茸のバター焼き、鶏天という山の幸によるお寿司。どんな味だろうというワクワク感と、その期待に応える旨さ。これで日本酒いきたかったなー。

次点としては、650円でここまで美味しい駅弁が作れるのだという驚きを感じさせてくれたから揚げ鶏めし弁当を。ほっかぶりさなえばっちゃんのおこわ弁当は、もう殿堂入りです。

体調不良(あと天候不良も)がホントに残念でしたが、今年もいい大会でした。ではまた来年!

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