牡蠣まつり(1380円/兵庫県/A-0)
さて、ロマ弁の第二弁は、「品川名物貝づくし」に続いての貝フルコース、兵庫県は山陽本線・姫路駅の「牡蠣まつり丼」です。チラシの写真を見ると弁当箱の中からはみ出さんばかりに牡蠣がびっしりと詰まってます。
でも、まぁ、こういうものは、実物見るとがっかりするもんですからね、とあまり期待値を上げすぎないようにしてフタを取りました。すると、なんということでしょう。チラシの写真のように大ぶりの牡蠣が整然と並んでいるわけではなく、粒は大小様々なんですが、隙間なくご飯の上を埋め尽くしています。いや、むしろ大きい牡蠣の間を小さい牡蠣が塞いでいるという感じで、びっしり感は写真以上でした。弁当箱自体はコンパクトですが、山盛りになっているので、余計に量が多く感じられます。数えてみたら14個はありました。
蒸し焼きされた牡蠣は味が濃縮されて、噛みしめる度に濃いエキスが口の中にあふれてきます。個人的には、牡蠣は生よりも熱を通した方が美味いと思ってるんですよね。うん、牡蠣出汁で炊いたご飯も美味しいです。椎茸もいいアクセントになってます。
しかし、これは牡蠣が多いです。食べても食べても、牡蠣が減りません。この前に「品川名物貝づくし」を食べているせいもあって、だんだんキツくなってきました。いくらなんでも牡蠣、多すぎるよ!(笑) 他の人に何個か分けても全然減らないという感じです。いや、もちろん嬉しい悲鳴なんですけどね。喜多方ラーメンの坂内のチャーシュー麺みたいですよ! 駅弁でこんな気持ちになったのは、2012年の岩手の「鮭いくら弁当」のいくら以来です。
これもまた、この弁当ひとつで際限なく酒が飲めちゃいますね。危険。
ところでこのロマ弁、子供含めて18人という大所帯なんですが、この日にみんな買ってきた駅弁の中で一番人気が「SL大樹 日光埋蔵金弁当」だったんですね(二位は「高原野菜とカツの弁当」)。なぜかというと、この弁当に付いている石炭シャベル風スプーン(通称:スコップ)が、僕らの間でブームになっていたからなんです。僕も既に食べて所持していたんですが、この日に持ってくるのを忘れてしまったんですね。ラズウェル細木さんなんか、忘れたので取りに帰ったそうです(笑)。え、おれだけ、持ってないのは悔しい。ということで、この日も買っちゃいました、「SL大樹 日光埋蔵金弁当」(笑)。これで、貝を掘って食べたかったんだよね。
お陰でこんな写真にも参加できました。ちなみに吉田戦車さんは持っていたのに、撮影に間に合わず(笑)。
品川名物貝づくし(980円/東京都/A-0)
駅弁大会期間中の週末に恒例となっている「ロマ弁(駅弁とゆくロマンスの旅)」、つまり、京王駅弁大会で駅弁を買ってロマンスカーで食べるという日帰り旅行。これを毎年、駅弁大会仲間でやってるわけですが、この時にどんな駅弁を持っていくかは悩ましいところであります。ここで下手な駅弁を選ぶわけにはいかないですからね。もうチラシを入手した時から、ずっと考えているわけですよ。
今年のロマ弁で僕が選んだのは、「品川名物貝づくし」と「牡蠣まつり」という貝フルコース。必ずお酒を飲むわけなので、そこに合わせて考えました。というか、これは酒必須弁当でしょう。なのでここまで温存してきたんですね。
まずは東京は東海道新幹線の品川駅の「品川名物貝づくし」から行きましょう。フタを開けると、茶飯の上にびっしりと貝。ハマグリ、アサリ、しじみ、貝柱、焼きホタテ。貝づくしの名前に偽りなし。
ちょい濃い目の味付けもお酒のアテにぴったり。そして貝というのは歯ごたえがあって、食いでもあるわけですよ。ずっと噛んでいられる。つまり、すごく長持ちする駅弁なんですよ。つまりは、酒が進む、進む。
半分も食べないうちにビールがひと缶開いて、ワンカップ日本酒に突入。本気出したら、これでワンカップ2~3本は楽勝ですね。そういう意味で、最もコストパフォーマンスの高い駅弁と言えるかもしれません。これで980円なんだもの。いや、本当に今度、これでどれだけ飲めるか、挑戦してみようかな。
カジキソースカツ丼(880円/福島県/A-0)
カジキマグロカツのソースカツ丼というだけでも珍しいのに、それが駅弁。魚カツは好きだし、ソースカツ丼も大好き。そりゃあ、食べないわけには行きませんよね。
もうパッケージから、B級の香りが漂っているわけですが、ご飯の上にマグロカツがドーンとのっている弁面は、今期最高のB級駅弁と個人的認定の千葉のトンかつ弁当のかなり似てますね。
そして味の方向性もかなり似た感じ。ソースがたっぷり染み込んだ香ばしいカツは、どこか駄菓子感覚の美味さ。ソースカツ丼ならではのカツの下に敷かれた千切りキャベツがまたいいんですよね。オリーブオイルで和えてあります。
このカジキソースカツ丼と千葉のトンかつ弁当、そしてながさき鯨カツ弁当の3つは同じジャンルな気がするんですよね。駄菓子系カツ弁当(褒めてます)。いわゆる男の子の味。おやつ感覚で食べたい駅弁です。いや、ボリュームは結構あるんですけどね。
玉屋の奥久慈しゃも弁当(1180円/茨城県/A-3)
後半戦から登場の実演で何か行きたいな、と思って選んだのがこれです。茨城県水郡線の常陸大子駅の「玉屋の奥久慈しゃも弁当」。これは初登場だった去年も買ってます。
ご飯の上に甘辛く煮たしゃもがどっさり。そして炒り卵とささがきゴボウ。
去年も思ったんですが、とにかくボリュームがある。量もなんですが、しゃも肉がしっかりとした歯ごたえで食べごたえがあるので、実際の量よりも多く感じるんですよね。
お腹にずっしりと来ます。ムネ肉とモモ肉の両方があるのも飽きなくていいですね。
駅弁大会では牛肉が幅をきかせてますが、鶏肉だって負けてないですよ、という駅弁です。去年から180円値上げしてるのは、ちょっと残念。千円でこのボリューム! というところもよかったので。でも、まぁ、昨今の情勢からして値上げはしょうがないですよね。
高原野菜とカツの弁当(1000円/山梨県/A-4)
さて、後半戦です。後半戦のチラシ、見開きの掲載駅弁が72個中41個の変わっていて、新鮮ですねぇ(昨年は32個交代)。
後半戦一発目に選んだのは、山梨県中央本線の小淵沢駅の「高原野菜とカツのお弁当」です。え、野菜がメイン? カツよりも先に書いちゃうの? 弁面を見てみると確かにおかず部の半分以上を野菜が占めているという異色の駅弁です。
しかし、この駅弁、1970年からのロングセラーだというから驚きますね。そんな昔から高原野菜を活かした駅弁を作ろうなんて発想があったとは!
確かにパッケージも時代を感じさせるレトロで可愛いデザインです。
野菜は、レタス、セロリ、キュウリ、ミニトマト、カリフラワー。そしてコーンやしめじ、茎さつま、リンゴ、山ごぼうというラインナップ。キューピーのレインボードレッシングが付いていて、これをかけてサラダとして食べるわけです。レタスやキュウリの緑にトマトの赤、レモンやコーンの黄と彩りもキレイ。最もカラフルな駅弁と言ってもいいかもしれません。
いや、これが美味しくてビックリ。特にシャキシャキとしたレタスの素晴らしさよ。駅弁の野菜を美味しいと思ったのは初めての体験ですよ。もう一袋「味なお塩」というのもついてくるので、お好みで塩で食べるのも素材の味がよくわかっていいのかもしれないですね。
さらにカツはチキンカツが3つ。製造元の丸政さんは、甲州かつサンドでおなじみなんですが、僕はあのかつサンドも豚より鶏の方が好きなので、チキンカツというのは歓迎です。こちらも安定の美味さなわけですよ。ちゃんとマスタードも付いているあたりも嬉しい。
いや、でも、そのカツを凌駕するサラダの美味さよ。なるほど、確かにこれは生野菜メインの駅弁なのだな、と思いましたね。
あと、駅弁にはめずらしくご飯部が白米一発。炊き込みご飯でも混ぜご飯でもなく、上に何も乗ってない。漬物すらない。この潔さには惚れ惚れしましたね。野菜とカツだけで、十分だろう、という丸政さんからのメッセージをしっかりと受け取りましたよ。