ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

蟹のドリア(1200円/石川県/B-5)

https://www.instagram.com/p/Bs8QCrojJQ5/
 さて、京王駅弁大会も最終日。締めの駅弁を何にするかは毎年悩ましいところです。閉会3時間前の15時頃に行ったのですが、既に売り切れの実演駅弁もちらほら。輸送もスカスカになっていました。これは急がなければ! と、当初から気になっていたけれど、まだ食べていなかった「蟹のドリア」に行ってみました。しかし残念ながら特製丼バージョンは既に売り切れ。仕方なく、紙製容器のノーマルバージョンを購入。

 知人宅で食べたので、パッケージにかかれているように1分ほど電子レンジでチン。やっぱりドリアなので熱々の方が美味しいですからね。駅弁を過熱することを問題視する人もいますが、やっぱ美味しい方がいいじゃん!

 いや、これ、駅弁とは思えない立派なドリアですよ。名前の通り、香箱ガニがどっさり、さらにレンコン、さつまいも、ズッキーニ、ヤングコーン、しめじ、パプリカと大ぶりの野菜がゴロゴロ入ってるんですね。ホワイトソースの下には味の染みたライス。蟹肉と内子のカニ味噌のうま味はもちろん旨味、外子のプチプチ感、感野菜の歯ごたえ、ホワイトソースと香ばしいチーズの風味。どれも文句無しの美味しさ。

 食べた人の話によれば、冷えたままでも美味しかったとのこと。ちょっと試してみればよかったかな。
 パッケージも可愛くておしゃれ。これは新世代の駅弁という感じがしましたねー。優しい味わいでもあり、ラストを締めくくるにふさわしい駅弁でありました!
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 最後ということで、定番の「いわしとさばのほっかぶり寿司」と「ぶりかまめし吹雪」もいただきましたよ。こちらは、もう安定の美味さ。食べる度にうっとりします!
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たこやき御飯(1000円/大阪府/A-0)

https://www.instagram.com/p/Bs4c271Ddvx/
 これもずっと気になってた駅弁です。たこ焼きをおかずにご飯? 前にも「富士宮焼きそば弁当」なんてのもありましたし、関西ではたこ焼きやお好み焼でご飯を食べるのは当たり前らしいし、まぁ、それほど変な駅弁ではないのかもしれませんが、やっぱり食べておかなければ、という気になります。

「ごはんのおともはたこやきでっせ!!」と書かれたパッケージを外すと、たこやきが8個、そしてたこが炊き込まれたご飯。付け合せはサツマイモとカボチャの煮物、茹でキャベツ、そしてここにもタコ。ソースとかつお節は別添えで袋入です。なぜかソースが二袋あります。ちなみにオリバーソース中濃。

 さっそくたこ焼きから行ってみましょうか。ソースとかつお節をトッピングしてパクリ。
 ……うむ、これは冷えたたこ焼き。ねっちょりとまとわりつく歯ざわりが、ちょっと気持ち悪いんですよね。たこ飯の方は、なかなか美味しいんですが、おかずになるか云々よりも、冷えたたこ焼きって美味しくないな、という話なんですよ。冷えても美味しいたこ焼きというのもあるみたいですが、少なくともこれはそういう感じじゃない。

 ところが、これを電子レンジでチンしてみたら、たちまち美味しいたこ焼きになるわけですよ! あの歯ざわりも温かくなれば全然印象が変わる。ねっちょりが、トロリ、になるんですよ。たこ飯もグッと味がアップ。
 温めないと美味しくない駅弁というのは、どうなのよ、という問題もありますが、少なくとも温めたら、かなり美味しい駅弁になりました。ソースが二袋ついていて、たっぷりとかけられるのもポイント高いし。
 しかし、それなら「うまいもの」で出店してる会津屋のたこ焼き(12個580円)食べた方がいいんじゃないか、という気持ちも拭いきれないんですよね……。

https://www.instagram.com/p/Bs4Pr2QDHS7/
 ちなみに今年会場に初出店した梅田ジュースコーナーのミックスジュースも、大阪つながりということで飲んでみました。すごく甘そうだなと思って敬遠してたんですが、飲んでみたらそれほど甘くなく、細かく砕いた氷が冷たくて、暑い会場で飲むと最高でした。駅弁大会のドリンクといえば、菅原ぶどう園のぶどうジュース一強でしたが、ライバルが登場しましたよ!

平成最後のかつサンド(1200円/山梨県/B-6)

https://www.instagram.com/p/Bs2BYL5jgAP/
 今年の大会で、駅弁仲間の間で密かな話題となっていたのが、この「平成最後のかつサンド」です。まぁ、名前からして、なんかちょっとひっかかりますよね、つまり今年だけの限定メニューということですよね。そして、名前に負けないルックスの強烈なインパクト。ぶ、分厚い! そして実際に食べた人の話を聞いてみると、実物の分厚さはさらにすごいのだと……。

 昨日のロマ弁でも吉田戦車さんがコレを食べていたのですが、結局、切り分けてみんなで少しずつ食べていました。いや、ホント、実物を目にすると、そうするしかないんですよ、これ。とてもそのまま一人で食べられるものじゃない……。
 でも、そうなると、じゃあ食べてやろうじゃないか、という気持ちにもなってくるわけです。ええ、行きましたよ、「平成最後のかつサンド」。
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 まず強烈なパッケージに目を奪われます。黄色と黒って、あんまり駅弁のパッケージで見ないカラーリングですよね。そして「平成最後の思い出に」「今買わなきゃいつ買うの!?」「平成最後だよ」「HEY!! SAY!!」「新しい時代の前に」「平成に感謝」「平成に乾杯」というコピーが乱れ飛んでします。どう考えても、まともな駅弁とは思えません。

 そして中身です。言葉を失う厚さとはこのことです。パン一枚の厚さが3センチ、それが上下で合計6センチ。カツが2センチ、玉子が1センチ。合計9センチ。それが2セット入ってるわけです。
 9センチって、相当な厚さなわけです。成人男性の僕が思い切り口を開けても6センチ位ですよ。つまりまともには口に入らない。押し潰して食べるしか無いけれど、押しつぶすと玉子もカツもニョロニョロとはみ出してしまって無残なことになります。というか、どう食べても無残なことになるしかないのです。切り分けて食べるのが正解ということになりそうですね。

 しかしですね、このカツサンド、すごく美味しいのですよ。カツは柔らかくて、分厚いのに噛みちぎるのには苦労しない。そしてなによりも玉子が美味しい。サンドイッチの玉子がこんなに美味しいと思ったのは初めてです。はみ出して容器に残った玉子を、パンですくって食べるとこれまた美味しい。あの不朽の名作「甲州かつサンド」(あと、「高原野菜とカツの弁当」)の丸政さんのカツサンドだから、美味しいのは当然なわけですが。

ボリュームに関しては見たまんまですよ。成人男子でもお腹が苦しくなりますよ。食後、だいぶ経つのですが、まだ苦しいですよ(笑)。

 とにかく過剰すぎるわけです。食べやすさとかバランスとか、そういうことを考えればこの駅弁は間違いなく失敗しているわけですが、これはむしろ挑戦だと感じました。全体的に完成度は高まっているけど、いまひとつ面白さがなくなりつつある駅弁大会に一石を投じたい、そんな意思をこの「平成最後のかつサンド」に感じずにはいられません。パンクスピリッツに近いものを、僕はこの駅弁から受け取りました。

 これは暴動の駅弁ではない。駅弁の暴動である!(もう何を言ってるのか自分でもわからない)

金沢金箔 海鮮ちらし弁当(1180円/石川県/A-0)

https://www.instagram.com/p/Bsz28p0DNQQ/
 さてロマ弁では駅弁一個というのじゃ、ちょっともったいない。せっかくなので二弁は行きたい。ひとつは実演の「ながさき鯨カツトルコライス弁当」と決めたので、もうひとつは輸送で何か選びたい。トルコライスがカツ&ハンバーグなので、こっちは海鮮で行こうか……などと考えがまとまっていきます。といっても輸送の海鮮弁当なんて山のようにあるわけなので、直前まで悩みに悩んで、これに決めました、「金沢金箔 海鮮ちらし弁当」。これまでにも「金澤味づくし」とか「金沢日和」とか金沢の駅弁にハズレなし、という思い入れもあるんですよね。
 ベニズワイガニと、イクラ、のどぐろの海鮮ちらし寿司です。写真で見る限り、つけあわせもいい感じ。まぁ、金箔はいらないけど(笑)。

 というわけで、ロマ弁で「鯨カツトルコライス」に続いて、食べてみました。お酒もビールから日本酒に変えます。
 まずは海鮮ちらし寿司の部分から。う、美味い。カニイクラ、のどぐろの具もそれぞれ美味いのですが(のどぐろが一切れなのは寂しいけど、まぁ高価ですからね)、酢飯自体もかなり美味しい。甘さ、酸っぱさの度合いがちょうどいい。そして付け合せの塩鮭がまた美味しい。串にさした銀杏、ゴリの佃煮、里芋と人参とふきの炊き合わせ、白身魚ふんわり揚げのつけあわせも、みんなしっかり美味しい。あー、これは日本酒すすんじゃうなー、という味です。

 ところで、金箔。全然かかってないじゃん、と思ったら三粒発見。んー、別に期待してるわけじゃないけど、これならはじめから必要ないんじゃないの?(笑)。

ながさき鯨カツトルコライス弁当(1300円/長崎県/A-5)

https://www.instagram.com/p/Bsz2xNkDJDv/
 昨日は毎年恒例の「駅弁とゆくロマンスの旅」、通称ロマ弁でした。駅弁大会仲間とロマンスカーに乗って駅弁を食べるというイベント。だいたい箱根に向かって、かっぱ天国で温泉、もしくは足湯につかって、そのまま帰るわけです。あくまでもメインの目的はロマンスカーで駅弁を食べることですからね。
 この日にどんな駅弁を選ぶかが、重要なわけです。下手な駅弁を選ぶと仲間に笑われてしまいますからね! なのでチラシを手にした時から、ロマ弁に何を持っていくかを、まず考えるのです。
 ロマ弁では当然飲むわけですから、酒のつまみとして成り立つ駅弁がよいわけです。となると、おかず一本勝負よりも色々と入ってる方が向いている。そうした点からも考えて、今大会でまず候補に上がってきたのがこの「ながさき鯨カツトルコライス弁当」だったわけです。

 ながさき鯨カツ弁当は2006年に大会に初登場して以来、愛している駅弁です。鯨カツというものがこんなに美味いとは! と食べる度にうっとりします。ちょっと駄菓子っぽいテイストもたまらないんですよね。ご飯にも合うし、ビールにも合う。
 そこにさらに長崎名物であるトルコライスを加えた駅弁! トルコライスというのは、基本的にはピラフの上にナポリタン、トンカツを載せたプレートランチ。この上にカレーを加えたりと、いろんなバリエーションもあります。都内で食べられる店はあまりないのですが、見かけるとつい頼んでしまいます。
 この「ながさき鯨カツトルコライス弁当」は、とんかつの代わりに鯨カツ、さらに鯨肉のハンバーグ、ナポリタンという組み合わせ。これは食べないわけにはいきません。そしてロマ弁というハレの日にふさわしい! きっとビールにも合うはず!
https://www.instagram.com/p/BszMldhjm3d/
 さて、仲間とロマンスカーに乗り込み、すぐに「ながさき鯨カツトルコライス弁当」の包みを開きます。鯨カツの味は十分わかっているので、まずは鯨ハンバーグをパクリ。
 ……む、なんだこのねっとりとした食感は? 豚・牛のミンチとは明らかに違う味。臭みはないけれど、ちょっとレバーっぽいような、馬肉のような味わいのような……。うーん、正直美味しいかというと、ちょっと難しい。
 そして、鯨カツのいつもと変わらぬ美味しさよ。ああ、やっぱり普通の鯨カツ弁当にしておけばよかった、という気持ちになってしまいました。あと、トルコライスを名乗るなら、白いご飯じゃなくてピラフにしてほしかったなぁ。

 いや、決して美味しくなかったわけじゃないんですが、ノーマルの鯨カツ弁当の偉大さを改めて感じることとなりました……って、「味くらべどまん中」の時と同じことを言ってますね(笑)。

うまか!博多和牛めんたい弁当(1280円/福岡県/A-0)

https://www.instagram.com/p/BsxDL3BjvhH/
「牡蠣あなご寿司」の時にも二大巨頭な弁当が好きだと書きましたが、これはちょっと変わった組み合わせ。なにしろ和牛と明太子ですよ。
 醤油味で煮込んだ牛肉は駅弁の鉄板具材なわけですが、そこに明太子をまるまる一個乗っかっているのですよ。これは大胆だなー、と思ったら、博多の駅弁では明太子まるまる一個というのは、珍しくないみたいなんですね。さすが本場だ!

 では、まずは牛肉パートから行ってみましょう。柔らかくて味わいも深くて、しっかり美味しいです。まぁ、この手の牛肉弁当は、あんまりハズレがないですよね。ご飯とも合うし、安定の美味しさというわけで、逆に言うとあんまり特筆することもないんですよね。

 となると、やっぱり興味は明太子。ご飯と合うのは当然。いや、もうご飯がススム、ススム。
 んで、牛肉もご飯がススムわけで、これはご飯が足りなくなっちゃうんですよ(笑)。ご飯、倍くらいあってもいいんじゃないの? ご飯大盛り版が欲しいところであります。

味くらべ牛肉どまん中(1500円/山形県/B-3)

https://www.instagram.com/p/BsuA8LaDPli/
 2016年に、醤油、塩、味噌の三味を出した「牛肉どまん中」が、今年はさらにカレー味を加えた、四味食べくらべバージョンで勝負に出た! まずは、左下の塩味から。続いて左上の味噌味、そして右上のカレー味、最後に右下の醤油味と時計まわりに順に食べていきました。まぁ、四分の一ずつなので、だいたい三口四口くらいずつ。もうちょっとずつ食べたいなという気持ちもありますが、全部食べると結構お腹いっぱいになりますね。

 塩と味噌は、既に食べたことがあるので、気になるのは初めてのカレー味。これがなかなかいいんですね。牛肉の歯ごたえとカレーのスパイシーさがいい感じでマッチしてます。ご飯に合うので、もっと食べたい!という気分になりましたね。
 しかし、最後にノーマルな醤油味を食べると、「ああ、やっぱりコレだよなー」と思ってしまうわけです。これをまるまる一個ワシワシとかっこみてぇ! と言う欲望が湧き上がってくるのです。

 いや、もうそれは想定内。最初からそんな気持ちになるのは、食べる前からわかってました。三味の時だってそうだったもの。「牛肉どまん中」のバリエーションは、結局のところ、ノーマルの素晴らしさを再認識するための駅弁なのでは、とさえ考えてしまいますね。
 いや、塩も味噌もカレーも十分に美味しくて、四味を食べ比べるのも楽しくて、決して不満があるわけじゃないんですが、それでもやっぱりノーマルどまん中が食べたくなってしまう。それはどうしようもない事実なのですよ。

 そして、それがわかっているのに、この後にバリエーションが出ると、また食べてしまい、同じことを言ったりすることになるのだって、わかっているのです(笑)。

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