ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「東京情報コレクション」(講談社現代新書 1986年)

新宿駅地下の古本市「古本浪漫州」でたまたま購入した一冊。1986年に書かれた都市論的な東京ガイドだ。 今から32年前。バブルに向かいつつあり、最も東京が調子に乗っていた頃なので、この本にもその勢いが感じられる。建築史家・陣内秀信による序文「ホロニ…

「オトコに恋するオトコたち 誰も教えてくれなかったセクシュアル・マイノリティの世界」(竜超 立東舎)

日本初の同性愛雑誌「薔薇族」(1971年創刊)の二代目編集長である竜超(りゅうすすむ)さんが、知っていそうで意外に知らない、ゲイを中心としたLGBTの世界を解説してくれるという一冊。LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジ…

「生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」(泡坂妻夫 新潮文庫)

表紙には大きく「取り扱い注意」の札の絵が書かれ、「『消える短編小説』入ってます!」の文字。そして帯には、「お願い。はじめは各頁を切り開かず、必ず袋とじのままお読み下さい。」のコピー。 そう、この本は、16ページごとに袋とじにされていて、そのま…

エロの「デザインの現場」(有野 陽一 アスペクト)

エロ本の先鋭的なデザインについて、そのキーマンとなった9人のデザイナー(編集者含む)に取材した一冊です。 URECCO、夜遊び隊、チョベリグ、SMスピリッツ、TOPAZ、デラべっぴん、すっぴん、BOYES、GOKUH、BODY PRESS、ビデオザワールド、Chuスペシャル、…

「例のプール」発売されました!

たぶん「今年、最もどうかしてる本」であろう「例のプール」(アスペクト)が発売されました。 例のプールとは、都内某所の撮影スタジオ内にあるプールで、水着物AVなどでよく登場するために、いつのまにか「例のプール」と称されるようになりました。しか…

最近読んだ本7冊

最近読んだ本をまとめて紹介します。「音楽配信はどこへ向かう?」(小野島大 Kindle)ミュージックマガジンで2008年から連載された音楽配信についてのコラムを収録。この5年間で音楽業界で起きた出来事は、出版業界やAV業界にも起こるのだろうなと改めて…

「愛しのインチキ・ガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー 」(ワッキー貝山・池田 浩明 双葉社)

ガチャガチャ界の大メジャーブランド、コスモスの商品を約千点もオールカラーで紹介したという本です。これは東北を中心に活躍するタレント、ワッキー貝山の10万個に及ぶコレクションの一部だそうです。 コスモスは1977年に設立され、1988年に倒産したメーカ…

「日の丸電子書籍はなぜ敗れたか-21st centurye Book Story」(鈴木秀生 Kindle)

電子書籍に本の未来を見出して、トーハンを退職、イーブックイニシアティブジャパン、ボイジャー・ジャパンなどで、数々の電子書籍プロジェクトに関わってきた著者による、現場から見た日本の電子書籍の歴史の記録です。「21st century Book Story」としてBl…

「アダルトビデオ最尖端」(藤木TDC コアマガジン)

アダルトビデオ最尖端?身体と性欲の革命史?作者: 藤木 TDC出版社/メーカー: コアマガジン発売日: 2011/07/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 179回この商品を含むブログ (3件) を見る 小さいながらもエロライター界という業界があるわ…

「逃避めし」(吉田戦車 イースト・プレス)

仕事からの逃避としての料理。それが逃避めし。吉田戦車さんの新刊エッセイです。 逃避めし作者: 吉田戦車出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2011/07/12メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 215回この商品を含むブログ (26件) を見…

「kids these days! vol.1 いまどきの10代に聞いたリアルな「けいおん!」の話。」成松哲

先日の文学フリマで先行販売された成松哲氏のミニコミ「kids these days! vol.1 いまどきの10代に聞いたリアルな「けいおん!」の話。」が素晴らしいです。今ひとつ見えてこない今の若者の音楽事情を探るために、昨年、一昨年と成松氏は高校の学園祭や音楽フ…

「どうしようもない恋の唄」(草凪優 祥伝社文庫)

人気官能小説家、草凪優が昨年末に発表した「どうしようもない恋の唄」。タイトルは、もしやと思いましたが、本人に確認したところ、やはりルースターズからとったとのこと。なにしろ1967年生まれと僕と同じ年ですからね、この辺はやっぱり通ってるんだなぁ…

「AV黄金列伝〜ワタシは、どうして、あの場所に、いたんだろう。」(東良美季 イースト・プレス)

東良美季さんの新刊「AV黄金列伝」(イースト・プレス 文庫ぎんが堂)が出ました。 新刊といっても、1999年に出た「アダルトビデオジェネレーション」(メディアワークス)の文庫化で、やったらめったら分厚い(600ページ以上)この本を文庫版としてスリム…

「傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜」(伊達雅彦 パルコ)

書店の店頭では同時期に発売された「リストラなう!」(綿貫智人 新潮社)の方が目立っていたようですが、個人的には同じく出版業界を扱っているこちらの本が気になっていました。 「リストラなう!」は著者が大手出版社を早期退職優遇制度によって退職する…

「晩酌パラダイス」(ラズウェル細木 幻冬舎)

そして最後はラズウェル細木の「晩酌パラダイス」。 これは漫画ではなくエッセイ集ですが。 僕は、ほぼ毎晩のように「酒のほそ道」を読みながら晩酌するのが習慣という熱狂的なラズウェルファンなのです。主人公の岩間宗達=ラズウェルさんの呑兵衛としての…

「メガネっ娘凌辱大戦」(松平龍樹 マドンナメイト文庫)

この意味不明のタイトルと、ちょっと僕の琴線に触れた(笑)表紙イラストに引かれて店頭で手にとったのですが、これはすごいです。怪作としか言いようがない。 以下、公式サイトより内容紹介です。「すべてのメガネっ娘を我が手に」 大隊指揮官の号令一下、…

「生きる技術は名作に学べ」(伊藤聡 ソフトバンク新書)

「生きる技術は名作に学べ」は「No1 in HEAVEN」Vol.2にも出演してくれた「空中キャンプ」の伊藤聡さんの処女著作で、世界文学の名作についてのガイドブックです。 とりあげられているのはカミュの「異邦人」、ヘッセの「車輪の下で」、トゥルゲーネフの「初…

歩考力 「ひと駅歩き」からはじめる生活リストラクチャリング (下関マグロ ナショナル出版)

サブカルエロの人から、すっかり散歩の人になった下関マグロ兄ィの新刊は、「歩考力」。帯には「成功している人は、あなたの倍は歩いている! ショートカット至上主義からの脱出が、あなたの『時間』『お金』『仕事』の問題を一気に解決する!」なんて、自己…

「NYLON100% 80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流」(ばるぼら アスペクト)

「教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」などで知られるばるぼら君が、あの伝説のロック喫茶「ナイロン100%」の本を出しました。その仕事の全てが驚異的な情報量に支えられているばるぼら君らしい力作です。いや、ばるぼら君の本で力作…

「フリーペーパーの衝撃」(稲垣太郎 集英社新書)

1月に刊行されてる本ですが、遅ればせながら読みました。今や1200誌、年間3億部にまで成長したフリーペーパー市場について元朝日新聞記者が調査したという新書。 フリーペーパーというメディアが成長していく過程や、それによって地方誌が潰されていくとい…

「書けない私でもなれた!お気楽ライター道 」(ウサ吉 技術評論社)

ライター入門の類は大好きで、見つけると買うようにしています。もう20冊以上持ってますよ、ライター入門(笑)。色んな意味で勉強になるんですよ。買う時は恥ずかしいんだけどさ(笑)。 そんなわけで本書もブックオフで発見し、即購入いたしました(古本購…

「大人が知らない携帯サイトの世界〜PCとは全く違うもう1つのネット文化」(佐野正弘 マイコミ新書)

ネットによってエロ雑誌が「殺されていった」ことは拙著「エロの敵」でも書きましたが、その息の根を止めるのはケータイだと考えています。現在、エロ雑誌というものは(残念ながら)PCやネット環境を持っていないけどエロが見たい人の救済措置といった位…

「巨乳キャスター 公開調教」(藤隆生 マドンナメイト文庫)

「けっこう仮面」の夏綿けいこ・面光一姉妹をモチーフにしたデビュー作「女教師と少女 牝の恥肉授業」以来、ワタクシと確実に同じ嗜好を持つ同志(羞恥責め好き)ということで応援しております藤隆生先生の新作「巨乳キャスター 公開調教」(マドンナメイト…

「デジタルカメラ2.0」(美崎薫 技術評論社)

デジタルカメラの誕生から、銀塩カメラの位置を奪い取った現在、そして未来のデジタルカメラのあり方までを考察した一冊。著者の美崎薫氏は1996年の「手で撮るようにわかるデジタルカメラ徹底活用術」(二期出版)から、ずっと注目していました。この人の書…

「世界が100人のAV女優だったら」(大坪ケムタ・編 扶桑社)

現在、AVライターとしては第一人者である大坪ケムタ、初の単行本「世界が100人のAV女優だったら」が発売になった。 飯島愛ほかAV女優告白本が売れるのはナゼ?市井の人々も興味津々の「性のカリスマ」の実像を、業界初の100人アンケートで炙り出す“統計ノ…

日本縦断フーゾクの旅(安田理央 二見書房)

突然、2年半も前の自著を取り上げて申し訳ありません。おかげさまで「エロの敵」は100以上のblogで取り上げていただきました。ありがたいことです。そして最近、寿司子さんという方の「活字中毒オンナの読書感想文」というblogでも取り上げていただきました…

ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる(藤原治 朝日新聞社出版局)

「知ったかぶり週報」で知って、すぐに買いに行きました。201X年に、テレビや新聞などのメディアとネットが融合した「eプラットフォーム」が出現するだろう。以降、新聞社も出版社もテレビ局もポータルサイトも、すべてeプラットフォームのコンテンツプロバ…

エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門 (永山 薫 イースト・プレス )

エロ漫画エバンジェリスト・永山薫氏によるエロ漫画入門書。手塚治虫が登場した1940年代から(そう! アニメ絵の原点は手塚治虫なのだ!)青年劇画、少年向けエッチ漫画、三流劇画、美少女系エロ漫画、そして現在のエロ漫画へ至るまでの歴史を綴った「エロマ…

「遺品整理屋は見た!」「書店繁盛記」

今週読んだ2冊の本をご紹介いたしますよ。 「遺品整理屋は見た!」(吉田太一:著 扶桑社)は遺品整理のプロ、すなわち一人暮らしの人が無くなった時に遺品を片付けたり部屋を片付けたりする業者が体験した現場の話をまとめた本。老人の孤独死で発見が遅れ…

「HGの呪い 〜Gay YearBook 2005〜」影坂狩人

ゲイ系ライターの影坂狩人(ex一文字カルト)さんが自費出版したムック「HGの呪い 〜Gay YearBook 2005〜」がスゴイです。2005年に起こったゲイ関連トピックスを可能なかぎり網羅し、影坂さんの視点からの解説を付け加えたゲイニュース年鑑。3段組で184ペ…

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