ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

犬を食らう

 こう暑い日が続くとバテますよね。夏バテに効くといえば、アレです。そう、犬です。いや、ま、僕も食べたことはなかったのですが、知人が大久保で犬を食べる会をやるというので、参加させていただきましたよ。
 僕は犬は好きですね。食べるんじゃなくて、可愛がる方。猫よりも、断然犬派。ご主人様に忠実というトコが可愛いじゃありませんか。あの卑屈なまなざしもたまりません。実家で飼っているミニチュアダックスフントも可愛くてねぇ。すごく甘えん坊でねぇ…。
 ま、それとこれとは話が別なんで、食べるのに全く抵抗はございません。積極的に食べてみたいわけですよ。どんな味がするのか、本当に精力がつくのか。
 韓国では犬は、美味いから食べるというわけではなく、完全に栄養補給・精力増進目的らしいんですね。特に夏バテには最適といわれているそうです。
 それは、あまり美味しくないという意味ですよねぇ。臭いのかなー、硬いのかなー、と少々マイナス方面の想像をしながら、大久保の韓国料理店「M」へ。この「M」、店頭にチョナン・カン氏の写真が貼ってあります。エスコートしてくれたK嬢によると、チョナン・カン氏、よくこの店に犬を食いにくるとのこと。韓国で犬の魅力に目覚めたんでしょうね。
 さてさて、いきなり犬というのもアレなんで、最初は三段腹の焼肉から。三段腹ってのは、豚の三枚肉(バラ肉)のことです。焼いたバラ肉にゴマ油をつけてネギやニンニクや青唐辛子と共にサンチュとエゴマの葉で巻いて食べるんですが、これがうまいのなんの。少々エグ味のあるエゴマの葉とジワーっと辛さが押し寄せる青唐辛子が、いいアクセントになってるんですね。
 で、その時に
「これ、いっしょに入れると美味しいよ」
とK嬢が教えてくれた辛味噌風のペースト。レバーのような内臓臭さがあるものの、深みのあるコクで、焼肉の味がぐっと複雑になるんですね。
「これも犬なの。骨の回りの肉をすり潰して混ぜてあるの」
おお、犬ミソ! なんかすごい語感ですよ、犬ミソ。犬だからと聞いて引くわけもなく、「うめえうめえ」とみんな食べまくり。
 さて、その後にいよいよ犬ですよ。この日はK嬢にすべてお任せだったので、メニューもよく見なくいて料理名はわからないのですが、たぶん補身湯(ポシンタン)と呼ばれるものだったと思います。
 黒い鉄鍋に赤いスープ。中には緑色のニラと、細く裂いた黒い肉が…。これが犬肉ですか。見た目は牛スジっぽい感じですね。味の方は…。
 じっくり煮込んであるせいか予想以上に柔らかいです。確かにケモノっぽい臭みはありますが、それほどキツくはありません。同席のM嬢は「タヌキに似てる」と言ってましたが、タヌキも食ったことないしなぁ。
 まぁ、はっきり言って美味いかと聞かれると、それほどでも、という味なのですが、なんだか力がつきそうな味ではあるのですね。科学的根拠はともかく精力増進に効くと信じられているのも納得できます。真っ赤なスープもまた栄養価が高そう。犬肉のせいか、いわゆるチゲ鍋などよりも、味が複雑で奥行きがあります。ここにラーメンとか投入しても美味しいかも。
 で、結局、精力がついたかどうかは、一晩たった今も不明です。この日はこの他にも韓国料理を食いまくったので、翌朝、妻にニンニクくさーいと言われ、肛門のあたりがヒリヒリしたということだけ報告しておきます。

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