ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

30年来の夢〜弁天ゆりを手にする日(前編)

 以前から、あちこち何度も書いておりますが、ワタクシの永遠のズリネタは永井豪先生の傑作「イヤハヤ南友」なのであります。こういうお仕事をしているので、一日中エロなビデオとかエロな写真とかエロな文章に囲まれ、そして生身のエロにも囲まれたりもしているのですが、それでも「イヤハヤ南友」の保健体育試合編以上にワタクシの下半身を直撃するものはないのであります。「イヤ南」は少年マガジン連載時(1974年〜76年)にリアルタイムで読んでましたから、かれこれ30年(!)、これでオナニーをし続けているということになります。
 永井豪エッチ作品の中でも「キューティハニー」「ハレンチ学園」「けっこう仮面」に比べると、映像化が皆無ということもあって少々マイナーな感のある「イヤ南」ですが、ワタクシのような熱狂的なファンも多いんですよ、ま、水面下でってことですが。
 一応、「イヤハヤ南友」の解説などしておきましょうか。1968年に「ハレンチ学園」を大ヒットさせた永井豪先生は少年エッチ漫画というジャンルを築きあげ、70年代には「あばしり一家」(69年〜73年)、「けっこう仮面」(74年〜78年)、「おいら女蛮」(74年〜76年)、「キューティハニー」(73年〜74年)などの名作を次々と送り出しました。ああ、この時期の豪ちゃん(以下、敬愛をこめてこう呼ばせていただきます)は本当にどこかおかしいんじゃないかと思うほど、すごいですね。もう、こうタイトルを書き並べているだけでチンコがムズムズしてきます。このエッチ漫画黄金期のまっただなかに少年マガジンで連載されたのが「イヤハヤ南友」なんですね。いや、最初はエッチ漫画じゃなかったんです。ちょっとした手違いで大財閥の家早家の一員として暮らすこととなった南友少年が巻き起こす学園ギャグ漫画って感じですか。だから単行本(KCコミックス)の1巻では全くハダカ無し。相撲部のエピソードで男がフルチンにされたりはしてたけど。それが2巻で家早家直属のスケ番グループ・イヤハヤ十人衆が出てくるあたりからエッチ度が急増。そして3巻中盤から始まる父兄参観試合から暴走を始めます。家早家と、家早家にに匹敵する財閥の果扨家が対立している献金学園では、イヤハヤ派とハテサテ派の生徒から代表選手を選び出して対決させて成績を競いあっているのですね。
 この試合も最初は数学とか理科とか音楽とかでエッチ度はあまりないんですが、午後の部の保健体育の試合で爆発します。しかもなぜか保健体育だけ5試合あるんですね(更に最後の5試合目だけ、さらに5種目に…)。ここからが「イヤ南」の本編といっても過言ではないでしょう。主役であるはずの南友君は、たんなる一観客に成り下がり、実質的な主役は実況中継のイボ痔アナウンサーと、解説の小屋椰子先生へと変わっていきます。
 そして、この保健体育テストってのが、モロにSMプレイなんですよ。まず耐冷テストは、水風呂に両選手が入り、氷、塩、ドライアイス、液体酸素(!)と温度を下げていきます。んで、この試合、ハテサテ派選手が冷東麗造子ちゃんという女の子でありまして、風呂に入るには全裸にならなくてはいけないと、全校生徒の見守る中で脱いで行くんですね。その恥じらいながらの脱ぎっぷりは、地味ながらも屈指の名シーンだと思っております。全裸にさせた上でレフェリーが「いちおう違反がないかしらべる」と冷東選手に胸と股間を隠していた両腕を上げさせるんですね。この絵は少年漫画ではアソコは寸止めで見せないものと信じていたワタクシにとっては衝撃でした。もちろん、その部分は空白になっているんですが…。はい、ワタクシ、今でもこのシーン、使っております(笑)。
 続いて、風邪をひかないかを競う耐感冒テスト。これは、ま、そんなにエロくないです。オッパイは出ますけど。で、その次が問題の耐熱テストですよ。ハテサテ派の選手は、マゾ王の異名を取る古今魔曽夫。そしてイヤハヤ派の選手は、イヤハヤ十人衆から男装の麗人、神薔薇あけみ! 「イヤ南」最大の見せ場とも言えるのが、この神薔薇あけみ選手の熱戦なのですよ。試合は、熱した鉄板の上に乗せられる「猫じゃ猫じゃ」、燃えさかるバーをくぐらされる「火炎リンボー」、煮えたぎる油のプールを泳がされる「油地獄百メートル」、そして蓑を着せられて火をつけられる「蓑おどり」の4ラウンド。これはもう拷問を通りこして処刑ですよね。でも、イヤハヤ十人衆のひとりである神薔薇選手は熱を遮断する汗、断熱汗液という特殊能力があるのですよ。古今選手は熱での苦痛が快楽となるハードマゾだし(笑)。
 当然の如く、競技にあたっては両選手、裸にされちゃうわけです。最初、神薔薇選手は帽子で胸を、薔薇で股間を隠していましたが(これはこれでエロい)、火炎リンボーの前に「その帽子とバラはこの場合、炎よけの道具になりうる」とレフェリーから注意されて、全裸にされてしまいます。手で胸と股間を隠しながらリンボーダンス。恐らく豪ちゃん史上最も油が乗り切っていた時期の素晴らしい画力で描かれるそのシーンは、エロティック極まりないのですよ。女体の描写がなんとも素晴らしい。
 クライマックスは第三ラウンドの「油地獄」の最後に訪れます。熱油のプールを泳ぎ抜いた神薔薇選手ですが、ここで大きな問題が。プールから上がる時、どうしても体を隠すことが出来ないのです。
「いよいよですね。見どころは!? ゴクッ」と羞恥を煽るイボ痔&小屋椰子の実況と解説。「こうじっくり期待された目で見られると、いくらあたしだってはずかしいわ」とためらう神薔薇選手。ここから20ページに渡って、プールの中で羞恥に苦しむ神薔薇選手の逡巡が描かれるのです。エッチ漫画、エロ漫画は星の数ほどあれど、ここまで羞恥の描写にページを費やした漫画というのは、他にはないのでは…。
 悩んだ末に神薔薇選手が選んだのは、どんなにみっともない格好になってもいいから、隠しぬくという道。手で股間を押さえながらも、イモ虫のように這い上がるその姿は、あられもないという表現がぴったり。男装の麗人として女性徒からも圧倒的な人気を誇る神薔薇選手に観客席のファンからも「いや〜ん おねえさまー。そんなみっともないかっこなさらないで〜」と悲鳴があがり、父兄からは「見苦しいぞー。正々堂々と見せなさい」とブーイング(笑)。それでも神薔薇選手は、なんとか股間を死守したままプールから上がり、立ち上がろうとしました。しかし、その瞬間、油で濡れた体がすべって転倒、大股開きで尻もちをつくことになってしまいます。そこへ浴びせかけるようなイボ痔の実況!
「でました! でましたぁ われらのねがい 天につうじたか! こずるくもかくしおおそうとした神薔薇選手の悪計みのらず!! ついによけいめに大公開とあいなりましたー。思い知ったか神薔薇あけみ! 二度と隠そうと思うなよ!!」
 神薔薇選手は、痴態を晒したまま子供のように泣き出してしまうのでした。男装の麗人としてさっそうと登場し、クールに決めていた神薔薇選手が、羞恥にあえいだあげくに全校生徒の前での大股開きという痴態を晒し、泣き出す。この堕ちっぷりのすごさ。今読んでも、やっぱりグッと来ます。いや、もう30年間、ずっと読みっぱなしなんですけどね(笑)。
 ああ、書こうと思ってた話題に行く前に、こんなに長くなってしまった。この項続きます。

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