ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

BANDSTAND volume 2@渋谷AX

 BANDSTAND volume 2に行ってきましたー。いやぁ、色んな意味で凄かった。つーか、楽しめました。その日は神谷姫ちゃんのグラビア撮影があったために、トップバッターのdetroit7には間に合わず。会場の渋谷AXにつくと、ちょうど Wolfmotherが始まったところでした。客の入りは、やや寂しいかなといった感じ。まぁ、面子的に地味ですからねぇ…。
 さてWolfmother、オーストラリアからやってきたスリーピースバンド。なかなかタイトなハードロック(70sスタイル)を聴かせてくれるのですが、ステージ慣れしてなさすぎというか、素人くさいんですね、立ち振る舞いが。なんつーか、大学のハードロック研究会のバンドという感じ。メンバーみんなが、いい人そうすぎるというか…。カッコよかったことはカッコよかったんですけどね。
 で、続いて一部で話題のVHS OR BETA。デュランデュランやキュアーに影響を受けたというか、モロにそっくりな80s風味満点のニューロマンティックなサウンド。ボーカルのなりきりっぷりや、ドラムマシーンそのままのリズムパターンを叩き出すドラムがイカス! …んですが、そういうサウンドをやってるのに、このルックスへの気を使わなさは何だ? いや、元々メンバーのルックスには恵まれてないんですが(失礼!)、もうちょっと努力できるでしょ。なんですか、そのリンゴ・スターみたいなベースと、昔のボクサーみたいなキーボードの鼻ヒゲは? メンバー全員が普段着みたいな服装。でも、サウンドはなりきってるのがミスマッチでおかしいんですよ。強烈でした。でね、終わったあと、ロビーにVHS OR BETAのボーカルがウロウロしてたんですが、あのオーラの無さはすごかったな。顔は、V6の方のイノッチを韓国人寄りにしたみたいな感じで、ただでさえ地味なんですが、とにかくロックミュージシャンとしてのオーラが全く感じられないのですよ。
 というわけであまりにVHS OR BETAの衝撃がでかくて、次のPilateは見ませんでした。ちらっと見て「なんだ、普通のギターバンドだ」って確認してロビーに戻っちゃいました。なんか間違ってます。すいません。
 そして次は僕のお目当てであるMoving Unitsですよ。CDでは、モロにニューオーダーなサウンドで、ひんやりした感触のダンスミュージックを聴かせてくれたトリオなのですが、なななななんだ、これは。クネクネと身をよじって陶酔するボーカル&ギター、ハイテンションというかオーバーアクションすぎるドラム、しかも水飲み過ぎ。いくらなんでも演奏中にドラマーが水をガブガブ飲んでるというのは、どうかと…。んで、CDではピーター・フックばりに演奏を引っ張っているように思えたベースは後の二人のハイテンションぶりに完全に埋没、いや、むしろ「俺、あの二人とは関係ないから」といわんばかりのやる気のなさ。いや、ま、ようするにかなり下手なんですよ。リズム中心の曲なのに、肝心のリズムがバラバラ。ひどいです。ひどいけれど、メンバーのハイテンション(除くベース)に圧倒されます。うわっ、ドラマー、手でドラム叩き出したよ。いや、それはいいけど、スティックをガンダムのビームサーベルのように背中に挿すというのは、どうなんですか。Wolfmotherが生真面目に練習してる大学のハードロック研究会だとすれば、Moving Unitsは何かやらなくちゃいけないという衝動だけはあるけど練習とかそういうのは向いてないからな、という文化系ダメ高校生のバンドっぽいですね。大槻ケンヂの「グミ・チョコレート・パイン」の主人公たちのバンドを思い出しました。いや、面白かったんですけどね。
 で、トリはオーストラリアのストレートなガレージパンクバンド、the D4。いやー、Moving Unitsの後に観ると、ああ上手いなぁ、プロっぽいなぁとしみじみ思いましたよ。安心して見てられます。でも、そこが妙に物足りなく感じちゃったのも事実。VHS OR BETAとMoving Unitsの剥き出しの初期衝動に比べると、なんだか王道すぎるパンクサウンドとパフォーマンスが、鼻についちゃうんですよね。ボーカル、かなり酔っ払っててヨレヨレだったみたいだけれど(ステージでもメンバーみんな酒、飲みまくり)それもいかにも「ロック」っぽいなぁと感じました。いや、これは対バンが悪かったよ、the D4。他が剥き出しすぎた(笑)。実はこの日、日本のバンドとして唯一参加するはずだったのに、二日前にベースのビリーが心不全で急死してしまったために欠席となったギターウルフの曲をラストに二曲演奏して、そこは大変盛り上がってました。モッシュの嵐。親交が深かったみたいですね、the D4とギターウルフ。観客も暴れながらウルウル来てたみたいです。でも、僕はギターウルフにそんなに思いいれがなかったので、ここでも置いてきぼりくらった気分。
 なんつーか、学校の文化祭みたいなイベントでした、BANDSTAND。学校のバンドが集まって、ゲストでプロのthe D4呼んできたみたいな印象。絶対、この後の打ち上げは「つぼ八」ですよ、あいつら。でも、面白かったなぁ。ロックの初期衝動とはなんぞや、みたいなことを考えちゃいました。

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