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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

アニメ「ムシキング」を見て、エロの将来について考えたこと 

エロ 考えたこと

 幼稚園児の息子がハマってる「ムシキング」が、ついにアニメ化されたんですよ。あ、「ムシキング」ご存知ないですか。セガのアーケードゲームで、百円入れると、まずカードが出てくるんです。エレファスゾウカブトとかラゴタールツヤクワガタなどの実在の甲虫のカード。これをスキャンするとそのキャラクターがゲームに登場して、CGでバトルすると、まぁ、そういうシステムであります。カードには他に技カードなどありまして、これを使うとローリングクラッチホールドとか百烈拳とか出来るんですよ。カブトムシなのに(笑)。数年前から男の子の間では、かなり人気がありまして、デパートのおもちゃ売り場ではいつもムシキングの前に長蛇の列! 僕も毎週のように息子にせがまれましてムシキングやりに池袋東武デパートとか光が丘ダイエーとかに通っているわけですよ。もう息子は大ハマリでありまして、今、彼の頭の中の7割くらいはムシキングのことですよ。口を開けば「マンディブラリスフタマタクワガタ、かっちょいいよな」とか、わけのわかんない呪文みたいなことばかり言ってますよ。ちなみにあとの2割はポケモンで、残り1割はガリガリ君ですかね。
 で、その「ムシキング」がついにTVアニメ化! 息子、朝から「楽しみだなー、早く夜にならないかな」とか言ってましたよ。わくわくしてましたよ。で、その日、僕が帰って息子に「ムシキングのアニメどうだった?」と聞いたんですね。そしたら、なーんか反応が鈍いんですよね。「なかなかムシが出てこなかった」とポツリ。
 その夜、僕も録画しておいたのを見たんですよ、「ムシキング」。アニメのことは詳しくないんですが、豪華スタッフなんですって? アニメ好きの方の評価はかなり高い模様。確かに作画とか演出とか丁寧な感じ。でも、んー、なんか地味。肝心のムシバトルは、迫力あっていいんですが(息子もそこでは興奮してました)、なかなか始まらないんですよ。最近の仮面ライダーなんかでも思うことなんですが、あまりに子供を無視してないかな、と。子供が見たいのは、やっぱりバトルシーンなわけですよ。凝った設定とか複雑なドラマじゃなくて。

 今、特撮モノを見る子供ってのは、幼稚園以下の年代なんですね。小学生で見てると馬鹿にされちゃうらしい。僕らの頃だと小学校高学年くらいまで、みんなゴレンジャーとか見てましたけど、今はもっと純粋な視聴者層が狭まっている。ただでさえ子供の数少ないから、これじゃあ市場としてなりたたないよなぁってのはわかります。だから、オトナも巻き込めるような凝った作りにしなくちゃいけないんでしょうね。でもさぁ、それなら子供向けを装うことないじゃん。大人向けの特撮ヒーローものやればいいんですよ。子供向けを装って複雑な話だの凝った演出なんかすることないでしょ。そういうのって、ズルイよな…。

 などと考えていたら、「あれ、これ、どっかで似たようなこと、あったな」と思いました。そうです、AVです。HMJM問題です。AVを装ってドキュメンタリーをやることって、子供向け番組を装って凝ったドラマをやることに似た構造じゃないですか。抜けるセックスシーンと、子供が喜ぶバトルシーンってのが同じなわけですね、この場合。

 となると、少し考え方を変えて見ると「純エロではない」AVの活路も見えてくるような気がしてきました。特撮だけじゃなくて、ロボットアニメなんかもそうですよね。本来は子供向けのはずのロボットアニメですが、ガンダム以降、大きいお友達向けの市場も確立しちゃった。「エヴァンゲリオン」なんか、おっきいお友達だけ相手にして、あれだけの市場を作っちゃった。さっきは、子供向けを装うことを非難しちゃいましたが、この方法論を上手く使えば、エロを装ってる面白い表現を商業的な成功に結びつけることも可能なんじゃないかなと思うのです。それが具体的に、どういうものかは、これから考えるのですが…。

 なんだかんだ言ってHMJM問題、引きずってますね、僕(笑)。今はエロ雑誌なんかでも一色記事ページがどんどん減ってるという傾向がありまして、つまり昔のエロ雑誌であったような、直接的なエロではないけれど雑多で面白い記事というものが無くなりつつあるんですね。AVに限らず純エロ以外はどんどん排除されつつある。僕が好きになった「エロ」というものは、そうした雑多なものも含んだ正体不明のいかがわしいエネルギーをもったジャンルだったんです。それが無くなってしまうのは、やっぱり悲しい。つーか、僕自身の仕事の性質も純エロとはズレたところにあるもんで、これ以上エロの純粋化が進んでいくと、おまんまの食い上げになっちゃう、という切実な問題も含んでいるのです。

 ちなみに発売中の「ビデオ・ザ・ワールド」5月号(コアマガジン)で、HMJMリリース凍結についてカンパニー松尾にインタビューした記事を、本日発売の「BUZZ」(ロッキングオン)でHMJMに関する熱い(笑)コラムを書きました。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

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