ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

コロッケそば、そしてメンチそば

 先日の土曜、初台ドアーズで行われた『音人(おとな)の初音』に行ってまいりました。坂本宰の影 + 横川理彦、巻上公一+ 賃貸人格、JON(犬) with aizawonders、zuppa di pesce、Aufheben、あがた森魚、岩下達朗(Visual Art)という大変濃密な素晴らしいイベントでありました。しかし5時間立ちっ放しというのは、さすがに厳しい。足が痛い。それなのに帰り道にコロッケそばが食べたくなってしまいました。なぜなのかはわかりませんが、突然コロッケそばが食べたくて食べたくてたまらなくなったのですよ。甘じょっぱいツユに浸ったコロッケの衣の食感を口が要求するんですよ。コロッケそばといえば立ち食いそば。僕は立ち食いそばなら、かきあげそば派なんですけど、なぜかその日はコロッケそばだったのですよ。
 ええい、足が痛いが途中下車だ。新宿で降りて西口から出て、富士そばに行きましたよ。コロッケそばといえば富士そばというイメージがあるんですよねぇ。かきあげそばなら小諸そばなんですが。
 コロッケそば(380円)に温泉玉子(60円)落としてもらいます。ああ美味い。この甘みのある富士そば独特のコロッケをツユの中でグズグズに崩して食うとたまらなく美味いのですよ。ツユを吸ってフワフワになった衣にうっとり。
「セイシュンのB級グルメ」(文春文庫 1988年)の「立喰いそば興奮感激大図鑑」という記事は僕の立ち食いそば観に大きな影響を与えました。この文中でかきあげをツユに沈めてグジュグジュにするという食べ方を読んで以来、僕は忠実にその教えを守っております。月見そばは、そばを集めて山を作り、その上に生卵を乗せて崩せば、黄身をたっぷりとそばに絡められるというのも目からウロコでした。でもコロッケそばの時にコロッケを四等分にして沈め、グズグズにして形をなくしたポタージュ風にするというのは納得いきませんよ! 二等分にして半分だけ溶かして、味の変化を楽しむべきですよ!
 ま、そんなわけで、その日は深夜のコロッケそばを堪能しました。美味い、美味いよコロッケそば。決してちゃんとした蕎麦屋では食べることのできない邪道なそばではありますが、邪道ならではの美味さがありますよ。だからこそ魂に響いてくるんですよ!
 てなわけで、その日は満足して帰宅したのですが、コロッケそば欲に火がついちゃったんですね。いや、揚げモノそば欲かな。高田馬場の富士そばで発見したメンチそばが気になっちゃってしょうがない。もともとメンチカツは大好きなんですよ。メンチカツサンドなんて最高だと思うし、かつ田なんかのメンチカツ丼も大好きですよ。でもメンチそばってのは食べたことがない。でも、なんか美味そうな気がしてしょうがない。
 今日の昼に突撃しちゃいましたよ。メンチそば380円。でも、そばだけじゃ、ちょっと足りない気もしたのでミニシャケマヨ丼200円も追加。
 そばの上にズドンとメンチがのっています。外見はコロッケそばと見分けがつきませんが、食べてみると、ほぉ、意外なくらいに印象が違いますね。まず、衣がグズグズになったメンチカツというのは初体験だったんですね。コロッケやトンカツは、玉子でとじた丼やそばで慣れてますが、メンチは不意をつかれた感じ。そういやメンチカツ丼も、とじていなくてソースかけタイプだったしなぁ。
 結局フワフワした頼りない衣と、具の相性がイマイチなんですよ。コロッケのように具も一緒にツユに溶けていくわけでもなし、とんかつの豚肉のようにはっきりと存在を主張するわけでもなし。なんといいますか、一言居士という感じですか。たいしたことは言わないくせに、存在だけはチョロっと主張。潔さがないです。
 メンチカツ、好きなんですが、そばの種には合わないですね。たぶん、もう注文することはないでしょう。
 一緒にとったミニシャケマヨ丼は、ごはんの上にシャケフレークをのせ、マヨネーズと刻みのりを散らしたもの。ジャンクフードな感じで、これは大変おいしゅうございました。200円という値段もいいですねぇ。これはまた食べると思います。
 しかし、普通の日本そばが、どうしようもなく食べたくなるなんてことは無いんですけど、立ち食いそばが食いたくなることがあるんですよね。なぜだろう。単に僕が貧乏舌なだけですか。そうですか。
 

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