読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「サルシキ」(ワニマガジン)に見る新しいエロ本の可能性

出版 お仕事

 ワニマガジンから新しい「雑誌」が出ました。タイトルは「サルシキ」。いわゆるDVD付エロ本なのですが、注目するべきは、その値段。2時間34分のDVDがついて、なんと390円! いや、安いということも驚きなのですが、重要なのはその中身。ちゃんと撮り下ろし、しかもドグマの二村ヒトシ、オーロラプロジェクトの葵刀樹、そして常盤響山本直樹がムービー初監督! ついでに僕も撮ってます。
 昨年末の「SPA!」の特集でも書いたのですが、今、エロ雑誌はもの凄い勢いでDVD付にシフトしています。コンビニの成人向けコーナーで調べると半分ちかくのエロ雑誌にDVDが付いているのですよ。割合はどんどん増加中で、近いうちにほとんどの雑誌がDVD付、エロ雑誌はDVD付が当たり前という状況になるような気がします。
 同時に進行しているのがエロ雑誌からモノクロページが消えるという流れです。昨年から今年にかけて「ウレッコ」「スーパー写真塾」など多くの老舗エロ雑誌がリニューアルを決行し、その結果モノクロページがどんどん駆逐されています。今の典型的なエロ雑誌というのは、オールカラーでDVD付というものになっているんですね。エロ雑誌でコラムだけ書いて行きたいというのが僕のライターとしての密かな夢だったのですが、それはもう完全に見果てぬ夢となってしまいました。モノクロページが無いから、エロ雑誌からコラムというものは消えつつあるんですね。僕も最近は撮影仕事ばっか。ライターとしての仕事は、一般誌の方が多かったりしてます。
 でも、ま、撮影仕事自体は好きだし、もはや実質上「エロライター」という職業に先行きは見えないなと割り切っちゃったんですけどね。もともと僕は編集あがりだし、文章書くだけじゃなく、写真を撮ったりビデオを撮ったりするのも好きな人間なんで、実はDVD付雑誌というのは、嫌いじゃないんですよ。新しいエロメディアとして可能性もあるし、面白いなぁと期待してるんですね。いわゆるAVがセルに移行して、きっちりとした抜き目的のメディアへと成熟した結果、もともとAVが持っていた雑多性というかユルい面白さは活かしにくくなって来たんですね。その辺りを雑誌付録のDVDが受け継げるんじゃないかなと思ってるんですね。
 ただ、残念ながら今の雑誌付録DVDは、それほど面白いものではないというのが現実です。作り手側の意欲があまり見られないんですね。つまり「エロ本、売れない」「しょうがないからDVDを付けるか」「でも予算はないから、できるだけ安くね」という消極的な姿勢なんですね。どの雑誌も「2時間収録!」「2枚付!」とボリュームを競ってはいるんですが、その中身は水増しと言われても仕方がないものばかり。撮り下ろしはグラビアを撮るついでのメイキングに安く作れるハメ撮りくらいで、あとはAVのサンプルムービー。作っているのも映像の専門家ではない編集者。「おれ、雑誌が作りたくて出版社入ったのになぁ」とボヤいてる編集者もたくさんいますねぇ。まぁ、個人的にはAV業界人とは違った発想が出来るなら、それはそれで期待できるんじゃないかとも思うんですが…。話を聞いてみると、DVDも作らなくちゃいけないのに制作費は変わらないっていうから、そりゃあやる気も出ないですよね。単純に労働量増えるだけだもんなぁ。
 さて、そこで「サルシキ」です。僕はこの雑誌の企画段階から関わっていたんですが(二村さんと共にスーパーバイザーとしてもクレジットされています。おお、カッコイイ)、ここの編集者は、すごく前向きにエロ雑誌の付録DVDというものを考えていたんですね。消極的ではなく、積極的にDVDに向き合っている。おざなりな内容ではないDVDを390円で売る。二村ヒトシ葵刀樹というAVのプロフェッショナルに、脱がないモデルを使ってエロスを撮ってもらう。常盤響山本直樹という別ジャンルの「エロ」の巨匠に初めてムービーを撮ってもらう。面白そうでしょ? いや、実際に面白いんですよ。
 この強力なラインナップの中では若輩者ながらワタクシも頑張りましたよ。岩倉優ちゃんというロリロリなアイドルちゃんを、ダリオレコード「七夏、それから」で開発した手法で撮影。ヘアはおろか乳首すら見せていないんですが、完全にハメ撮り。ものすんごいエロい作品を撮ってしまいましたよ。もう撮り終わった時にね、「よし、オレが勝った!」と勝利宣言したくらい(笑)。あとで聞いたら二村さんや葵さんも自信満々だったそうです。というか、撮った監督たちみんなが「他の人はどんなんだろ?」と気になったみたい。それほどみんなやる気満々だったんですね。発売日前日の3月30日に、新宿二丁目のクラブで打ち上げバーティやって(僕と二村さんと山本さんと常盤さんでDJもやりましたよ〜)監督みんなで顔を合わせたんですが、みんな口々に面白かったって言ってました。僕はノンクレジットで普通のハメ撮りも撮ってるんですが、これも露出度に制約があることを逆手に取った試みを実験してます(笑)。編集者は「マスキングエロス」と名づけてましたが。
 はっきりいって「サルシキ」は、単純な露出度は低い「エロ」です。コンビニ販売という制約上、露骨なエロは出来ない。でも露出度が少なくても最高にエロい映像は撮れるんじゃないかという問題に全員が真っ向から挑戦してるんですね。はっきりいって、この「サルシキ」が売れなかったら、もうエロ本ってものは終わりじゃないかな、僕はそこまで考えてます。ここまで考えた内容よりも、単純にAVのサンプルムービーがいっぱい詰まった付録DVDの方がエロいや、とユーザーが判断するならば、もうエロ本というメディアには何もないだろうなぁと思うのですよ。
 というわけで、買って下さい、「サルシキ」。全国コンビニで発売中。繰り返しますが内容の詰まった390円ですよ!

Amazon 【最大70%OFF】ミュージックセール