ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「遺品整理屋は見た!」「書店繁盛記」

今週読んだ2冊の本をご紹介いたしますよ。
「遺品整理屋は見た!」(吉田太一:著 扶桑社)は遺品整理のプロ、すなわち一人暮らしの人が無くなった時に遺品を片付けたり部屋を片付けたりする業者が体験した現場の話をまとめた本。老人の孤独死で発見が遅れていたり、自殺や殺人の跡だったりで、壮絶な現場多数。布団の中で蠢くウジ虫の固まり、部屋一面を覆い尽くすゴキブリ、溶けてしまって液状化した遺体など、ホラー的なおぞましい描写も多くご飯を食べながら読むには、とても薦められませんが、サラリとした文体なので、意外なくらいに読みやすいんですね。著者の視点がとても優しいんですよ。いわゆる「裏モノ」や猟奇的な面白さを期待すると肩すかしくらうかも。でも、淡々と書かれている分、読後感は深いです。
 賃貸住宅内で死亡者が発生した場合、家主は次の入居者にその事実を伝えないといけないって法律があるんですってね。んー、それを聞くと一人暮らしの老人の入居をいやがる家主がいるってのも、しょうがないのかなぁと思いますよ。さらに死亡してから、いつまでも発見されかったりすると臭いなども凄まじいことになるわけだし。自殺はもちろん、孤独死ってのも多くの人に迷惑をかけちゃうもんなんですよね。自分ひとりで好き勝手に生きていればいいや、なんてのは許されないんだなぁ。あー、将来、妻子に捨てられないようにしよう(笑)。
「書店繁盛記」(田口久美子:著 ポプラ社)は、ジュンク堂池袋店のベテラン書店員による現場報告。以前に勤務していた池袋リブロの変遷を書いた前作「書店風雲録」はスリリングな物語でしたが、こちらはエッセイっぽい語り口。結構、毒舌です。池袋のジュンク堂に行くと、いつもお客さんがいっぱいで、「ああ、まだまだ書店は大丈夫だ」と思うんですが、やっぱり状況は色々と厳しいみたいですね。アマゾンに対しても意識しまくり。と、言いながら、このエントリーでもアマゾンにリンク張っちゃうんだけどさ(笑)*1。今やアマゾンを抜きにして書店業界は語れないんですね。なにしろアマゾンは日本一の売上高を誇る書店なのですから。ちなみにリアル書店で言うと一位がセブンイレブンで二位がTSUTAYA、三位がブックオフなんだそうですよ。
 それにしても、この本や「書店風雲録」を読むと自分がつくづくアカデミックなものと縁がないのだなぁと実感します。リブロが強い人文書やジュンク堂が強い社会科学書なんて、書名が出てきても全然わかんないのはお恥ずかしい。これでジュンク堂が好きなんて言ってちゃイカンね。

あと、ずいぶん前から「ネットがテレビを飲み込む日」(洋泉社)を読みかけてるんですが、なーんか読みにくくて、ずっとカバンの中に入れっぱなしなんですよねぇ。

ところで「エロの敵」、今日発売のはずなんですけど、まだ書店に並んでないみたいですねぇ。アマゾンでも、まだ近日発売だし。明日の雨宮まみのゲリラサイン会には、間に合うのか

*1:Webの出口をYahooにリンクするのと同じように、商品名をアマゾンにリンクさせるのは、もはやネット上の常識になっちゃってますよね。僕もアフェリエイトしてない(させてもらえない)のに、ついアマゾンにリンク張っちゃう。

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