ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

自力復刊した「薔薇族」

 元祖ゲイ雑誌である「薔薇族」が33年の歴史に幕を下ろしたのが2004年。その後もメディアソフト、ナビゲイターと版元を替えて復刊するも、いずれも短命に終わってしまいました。しかし「薔薇族」は不死鳥、なんと自費出版の形で3度目の復活を果たしたのであります。
 週刊朝日4月27日号での伊藤文學編集長のコメントによれば「地方にはインターネットなんか使えない年配者が結構いるんだね。『薔薇族』は心の支えみたいなところがあったから。そういう人のためにも、何としても出そうという気にさせられたわけ」 とのこと。おお、やっぱりここでも、紙=ネットの使えない人の図式が! ネットが使えない人を切り捨てちゃいけないということなんですが、逆に言うとそういう人たちが簡単にネットを使うようになったら、紙の雑誌は滅びちゃうのかなぁ。
 おなじみ(?)文志奇狩都さん(ex一文字カルト)が全面的に制作に関わっているこの自力復刊版「薔薇族」、ゲイ雑誌というよりも、、「薔薇族」の歴史を振り返る「薔薇族」雑誌となっているところが面白いですね。例えば特集は、薔薇族の編集部であった第二書房社屋(伊藤氏の自宅でもあった)取り壊しにちなんでの「昭和49年 それは、薔薇族の『家』だった」。社屋に読者を招いてのパーティが行われた時の記事や、雑誌「すまい」「男の隠れ家」に社屋や伊藤氏の部屋が紹介された記事まで再録するという非常にマニアックな切り口! 
 そして目玉は、あの「ウホッ!いい男」「やらないか?」でおなじみのヤマジュンこと山川純一の未発表作品!
 狩都さんの志向が反映されているのだろうけれど、ゲイじゃなくても楽しめる本になっているのですね。いや、むしろ、これ普通のゲイの人が読んで楽しいのか?(笑)
 狩都さんのゲイ文化発掘の熱意には頭が下がります。ネットにばるぼらさんがいるように、ゲイ文化には文志奇狩都さんがいるのだなぁと思ったりして。

 
自力復刊『薔薇族』初号(定価900円)の入手方法はこちらを参照して下さい。
文志奇狩都のアヤシクない日常
http://karuto.blog8.fc2.com/
月刊『薔薇族』編集長伊藤文學の談話室「祭」
http://bungaku.cocolog-nifty.com/barazoku/

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