ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

データ量が大きくなるだけの「進化」は終わったのか

 1996年にカシオQV10を買って以来、デジカメを愛用して来たわけです。仕事を抜きにしても毎月200枚くらいの写真を撮っています。
 最初のQV10は25万画素しかなくて320×240ピクセルという小さなサイズの画像しか撮れませんでした。だから一枚あたり20KB以下くらいの小さなデータでした。それがその後、デジカメの画素数が上がるにつれ、画像のサイズもどんどん大きくなり、一枚あたりのデータも肥大化していきました。
 1997年の全撮影画像のデータが32MBしかなかったのに、2002年度は350MB、そして2005年度は1Gにもなりました。最初の頃は画像のバックアップもまとめてCD-Rに焼いていたけれど、そのうち入り切らなくてDVD-Rに焼くようになり、それも一枚では収まらなくなったわけです。

 ああ、このままどんどんデータは肥大化していくんだろうなぁ、そのうち一年分もDVD-R一枚で収まらなくなっていくんだろうなぁと思っていたのですが、2006年度の撮影データ量はいきなり減って616MBでした。今年はもっと減りそうな予感。
 写真を撮らなくなったわけではないんです。むしろ以前よりこまめにパシパシ撮っているような気がします。でも、それはデジカメじゃなくて携帯電話のカメラで撮ることがメインになってきたんですね。
 今、僕が仕事以外に一ヶ月に撮影する写真の三分の二は携帯電話のカメラで撮る320×240ピクセルのものです。僕の携帯電話では1600×1200ピクセルのサイズでも撮れるんですが、それだと撮ったり見たりの時のレスポンスが悪いので、ほとんど320×240ピクセルで撮っています。
 blogやmixiなどネットに上げる時も320×240ピクセルの方がそのまま使えて便利ということもあります。また、普通のデジカメを使う時も最高画質の3264×2448ピクセルで撮ることは、まずありません。たいてい2048×1536ピクセルか1600×1200ピクセルですね。今、メインで使っているノートパソコンのモニターの解像度が1400x1050ピクセルだから、それ以上あってもなぁという感じです。
 時代が進むにつれて、データの大きさはとどまるところを知らずにどんどん肥大化していくんだと思っていましたが、むしろ下がってしまったということに、ちょっと驚きましたね。

 よく「画質や音質は一度ハイスペックなものに慣れてしまうと、もう戻れない」なんて言いますが僕の実感としては、そんなことは無いような気がします。現実に、ハイビジョン時代が叫ばれているのに、みんな画質の悪いYouTubeワンセグ放送に夢中です。ゲームにしても、ウチにはWiiもゲームキューブもあるのに、子供たちはスーパーファミコンでもよく遊んでます。結構気にしないもんなんですよね。
 しかし単にスペックを上げていけばそれが進化であったという時代は、それはそれで幸せだったのかなと思います。これからはもう、進化というもののとらえ方が人それぞれで違ってくるので、共通認識を持ちづらいんですよね。あらゆるジャンルにおいて、同時代の思い出を語ることって、どんどん難しくなっていくんだろうなぁ。
 

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