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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「大人が知らない携帯サイトの世界〜PCとは全く違うもう1つのネット文化」(佐野正弘 マイコミ新書)

 ネットによってエロ雑誌が「殺されていった」ことは拙著「エロの敵」でも書きましたが、その息の根を止めるのはケータイだと考えています。現在、エロ雑誌というものは(残念ながら)PCやネット環境を持っていないけどエロが見たい人の救済措置といった位置づけになっています。エロ雑誌のアンケートによるPC所持率の低さにそれは、はっきりと現れてるんですね。しかし今の日本でケータイも持っていない人というのは、かなり少ないでしょう。現在、携帯電話・PHSの契約者数は1億人以上、つまり日本総人口の約8割。もはや誰もが持っているといっても過言ではないですね。そしてケータイはどこへでも持ち歩ける。トイレに行く時など常に肌身離さず持ち歩いている人も多い。僕もそうですが。そうなると、雑誌がPCやネットコンテンツに対して持っていた「ハードがないところでも簡単に見られる」というアドバンデージも崩れてしまうわけです。後は画面の大小くらいですかね、問題になるのは。あんな小さな画面見ながらオナニーできるか、と。でも、何度も書いてますが10年前には「パソコンの画面見ながらオナニーできるか」と言われてたんですよ。ケータイの画面でも、慣れれば十分実用になりますよ。現に僕はずいぶん慣れました(笑)。
 というように今後のエロメディアはケータイへシフトしていくと考えている僕ですが、やっぱりまだまだケータイについてはわかっていなかったんだよなぁと、この「大人が知らない携帯サイトの世界〜PCとは全く違うもう1つのネット文化」を読んで実感しました。ケータイ小説に代表されるように、特に若年層においてはケータイは独自の文化を形成し、それが巨大な市場となっているということは頭ではわかっていたんですが、やっぱりどこかバカにしていた。メインはあくまでもPCで、ケータイはその代用品。プアマンズPCだと思いこんでいたところがあったわけです。最近、20代のPC離れが進んでいるというニュースを聞いた時には、それは若い人の収入が減っているということを意味しているのだと考えました。「下流」現象なんだと。
 でも違うんですよね。この本でも書かれているように20代後半〜30代の「PC世代」と、10代〜20代前半の「ケータイ世代」は、明らかにメンタリティが異なる種族なのですね。僕らもケータイでネットを活用しているから、理解できるつもりでいましたが、それはあくまでもPCのサブとしての使い方。例えば、mixiを見るとか終電車を調べるとか、PCが使えない、あるいは使うのが面倒くさい時にケータイを使う。でもケータイ世代に取っては「ケータイで見られないサイトをPCで見る」といったように、PCがサブになっているそうなんですね。もう考え方が全然違う。
 それから面白いなぁと思ったのは、マスコミなどでケータイ文化が取り上げられることが少ないという点。たまに取り上げられても「出会い系」「ワンクリック詐欺」「学校裏サイト」といったネガティブな話題ばかり。「ケータイ小説が稚拙」という批判も同じですね。PCで見るサイトにもケータイ文化に関しての情報は非常に少ないそうなんです。これはマスコミ発信側がPC世代しかいないから。本書でもIT戦士ことITmedia岡田有花さんのインタビューが掲載されていますが、やはりケータイ文化に対してはネガティブな印象を持っているようです。世代間の断絶は確実にありますね。「PC世代」から入っちゃうと、「ケータイ世代」のメンタリティを理解するのは難しい。
 これが単に「新世代」VS「旧世代」という構図なら、わかりやすいんですが、今はケータイって高齢者も持ってるんですよね。あと主婦も。PTAの通達なんかも、ケータイのメールで回ることが多いみたいです。前述のように、もうケータイは日本人なら持っていて当たり前のインフラになりつつあります。となると、旧世代の年齢層にも「ケータイ世代」が生まれてくる可能性が高いわけです。
 本書でも書かれていますが、今後「ケータイ世代」の社会進出が進んでくると、「PC世代」の考え方、常識も考え直さなければいけなくなっていくんじゃないでしょうかね。

 ところで本書の冒頭に書かれている質問。次の言葉を知ってますか?
「プロフ」「モバ」「パネェ画」「メーリス」
前半二つはわかったけど、後半二つは知りませんでした。

 とりあえず、プロフ作ってみました(笑)。

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