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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「フリーペーパーの衝撃」(稲垣太郎 集英社新書)

 1月に刊行されてる本ですが、遅ればせながら読みました。今や1200誌、年間3億部にまで成長したフリーペーパー市場について元朝日新聞記者が調査したという新書。
 フリーペーパーというメディアが成長していく過程や、それによって地方誌が潰されていくという現実、そして世界のフリーペーパーの現状などがわかりやすく書かれていて勉強になりました。
 フリーペーパーの創刊ブームは携帯ネットサービスの開始時期と重なり(iモードは1999年サービス開始。ホットペッパーは2001年創刊、R25は2004年創刊)、フリーペーパーは紙媒体のインターネットへの逆襲だという考え方も書かれていますが、どちらも一見「無料」であるという点の方が大きいと思います。情報もコンテンツも無料で広告頼み。
 そして広告に頼っているメディアに自由な表現、報道はできるのか? という意見もあるけれど、有料誌だって販売収入よりも広告に頼っているのだから(新聞の場合、販売収入が約50%で広告収入が約30%、雑誌では販売収入と広告収入の割合が逆転しているケースも珍しくない)、今の時点でもそこに「自由な表現、報道」があるとは言えないような気がします。それなら、まぁ、あんまり変わらないかなと。
 フリーペーパーに関して言えば、配布スタンドを設置することで、その場所に「置き代」を払うわけですが、その金額は東京メトロで年間3億円、JR東日本で年間8億円にもなるそうです。売店の売り上げはどんどん減少(10年前に比べると4割減!)しているということで「飲料の自販機置くよりも無料誌を置いた方が儲かるかも」という意見もあるそうです。書店が無料誌の配布スタンドを置いているのも不思議な気がしてましたが、置き代目当てなのかなぁ。
 コンテンツを作っているものの端くれとしては、コンテンツは情報は無料で、収入は広告だよりという構造は、まぁ、ちょっと寂しい気持ちがしないでもないですが、それでちゃんと原稿料がもらえるならいいかなとも思います。
 というか、自分自身が今、雑誌に対しての企画とかアイディアは全く浮かばないのですが、ネットだったらこんなことが出来るのに、あんなことが出来るのにとか、いくらでも思いつくのだから、気持ちはもう雑誌(有料誌)から離れちゃっているのかなぁ。
 フリーペーパーでも、もうちょっと面白いもの、個性的で読み応えのあるものがいっぱい出てくる状況になったら、雑誌(有料誌)なんか無くなっちゃってもいいかなという気にもなっちゃいます。
 モスバーガーの「モスモス」とか、パルコの「ゴメス」みたいなものが、今こそ出てくればいいのに。そういえば1979年から80年にスーパーエディター秋山道男が編集していた西友の「熱中なんでもブック」という子供向けのPR誌(フリーじゃなくて10円でしたが)は、当時小学生だった僕にものすごいショック与えてくれました。雑誌というものが好きになったのは、あの本の影響が大きいかも。そう考えると、なんだ、スタート地点からフリーペーパーじゃないか(笑)。

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