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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「NYLON100% 80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流」(ばるぼら アスペクト)

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書」などで知られるばるぼら君が、あの伝説のロック喫茶「ナイロン100%」の本を出しました。その仕事の全てが驚異的な情報量に支えられているばるぼら君らしい力作です。いや、ばるぼら君の本で力作じゃない本なんて無いですけどね。


「ナイロン100%」とは、一九七八年八月から一九八六年三月まで渋谷にあった“伝説”のロック喫茶である。店内は白く無機質な内装、BGMは最先端のパンク/ニューウェーヴ。ヒカシュープラスチックスなどが早い時期にライブを行い、8 1/2ゲルニカ、東京ブラボーなどがここを拠点に活動し、ムーンライダーズやサロン・ミュージックの面々も客として訪れた。(プロローグより)


 浦和市在住のニューウェーブ少年であった僕も、当然この名前は知っていて、憧れていたのですが、ナイロンは既に「伝説の店」として語られていて、実際に足を運ぶには敷居が高いと勝手に思いこんでいました。ナイロン全盛期にはまだ中学〜高校生でしたからそんな勇気はとてもなかった。でも僕より一歳年上の常盤響さんは小学生時代から溝の口から通っていたんだよなー。
 こういう伝説的なシーンの話を聞く度に、ああ、なんで自分はその場に行かなかったんだろう、行く勇気がなかったんだろうと後悔することが多いです。ホント、そのすぐ近くにはいたんですけどね。後期ナイロンの常連が流れたCSVには通っていたし。

 それにしても、初期にナイロンにたどり着いたお客さんたちは、ロック・マガジンやZOOといったミニコミといってもいいマイナーな雑誌に掲載されていた小さな広告を頼りにしていたというのも興味深いですね。そんなところまで目を通すほど、みんな情報に飢えていて、雑誌というのはそれほど大きな存在だったんです。そういえば、SMビデオの黎明期もSM雑誌に広告載せるだけで、通販希望が殺到したという話もありましたね。雑誌が輝いていた時代だったんだなぁ、とちょっと変なところで感慨に耽っちゃいました。

 30人近くに及ぶ当事者たちへのインタビュー*1や巻末付録の「日本の初期パンク/ニューウェ−ヴ年表1976〜1981」など、ばるぼら君ならではの偏執狂的なまでの取材力に裏付けられた高い資料性。いやぁ、これで2400円は安すぎるよね。今、本当にかなわないと思うライターって、吉田豪君とばるぼら君だけだなぁ。

 個人的には、ばるぼら君には神保町のレンタルレコード屋「ジャニス」についての本も書いて欲しいと思います。あそこも80年以降の日本のロックシーンにおいて重要なスポットですからね。


あとWebスナイパー連載中の「ある編集者の遺した仕事とその光跡 天災編集者!青山正明の世界 取材・構成・文=ばるぼら」も要チェック!

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