ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

tumblrも始めました。そして雑誌について考えました。

 Twitterに続いて、tumblrにもハマってしまいました。ちょっと前に、ブラウザをFireFoxに切り替えてから、妙にこの手のネットサービスに興味が出てきたんですよね。
 Twitterもそうでしたが、tumblrもずいぶん前からアカウントだけは取っていたんですが、使い方がよくわからず放置していました。クリッピングサービスみたいだけど、それならはてなブックマークでいいや、という感じで。
 ところが数日前に、友人のtagちゃんが突如という感じでtumblrにハマってしまったんですね。そのtagちゃんがtwitterでこんな発言をしていました。

「tumblrを知った日、おれの中のエロメディアは完全にパラダイムシフトを起こした。そして悲しいかなエロ本は完全に終わりを告げた。だってtumblrにはエロ本の白黒ページ部分もあるんだぜ!」
「編集者によってセレクトされたブログ記事やTwitterの引用、ニュースやゴシップ、なんでもある。フォロワーのバランスによって割合も調節できる」

ん? なんだそれは? 僕はがぜんtumblrに興味を持ちました。
 とりあえず、tagちゃん他数人をフォローしてみたら、あらあら、僕のDashboardがあっという間に微エロな画像で埋め尽くされましたよ(笑)。tagちゃんが狂ったように、女の子の画像を収集しては自分のtumblerに上げまくり、それが僕のDashboardに反映されたというわけですね。
 tumblerを知らない方のために簡単に説明しておきますと、tumblerは画像やテキストをどんどんクリッピングできるサービスなんですが、他のユーザーをフォロー(登録)しておくと、その人のクリップしたデータが自分のDashboardと呼ばれるスペースに表示されるんですね。
 だからたくさんの人をフォローしていると、Dashboardには、その人が面白いと思った画像やテキストが次から次へと現れるわけです。
 ただ、最初はフォローしてる人も少なかったから、ひたすらtagちゃんが収集した女の子画像ばかりが出てきて、「ううむ、tumblerとはエロ画像コレクションサービスか?」なんて思ったわけですが(笑)。
 そのうちにとあるblogでこんなテキストに出会いました。

ネットが雑誌から読者のカネと時間を奪ってる、みたいな話はよく聞く。でもふつーにブログ読んだり書いたりネットで買い物したりってのは、雑誌読むのとはちょっと違う。雑誌を読むより能動的っていうか。こちらから知りたい情報を検索して絞り込んでいかないといけない。だからネットサーフィンって楽しいんだけど疲れるんだよね。

Tumblrが一般のネットサーフィンと違うところは、だらーっとできるところ。自分がらどっかよそのサイトに出かけていってReblogしてくるっていう一次リブロガーなら別だけど、僕とかは専ら誰かがReblogしたものをDashboardからReblogする二次リブロガーだから、ひたすら頭を空っぽにして写真を眺めたり文章の断片を読んだりできる。で、この感覚が雑誌読んでるのにとても近い。
(中略)
むかしは夜寝る前とか休みの日の午前中とか、ベッドの中でもぞもぞしながら雑誌を読んでたんだけど、いまは枕元に雑誌を置いとくってことを全然しなくなった。いま布団の中でもぞもぞするときは、iPhoneTwitter見たりByline(iPhone app)でフィードをチェックしたり、TumblrのDashboardを眺めたり。雑誌を開くなんてことはまずない。

なんかもう、雑誌は死んだなぁって思う。自分が年を取って情報感度が低下してるってこともあると思うけど、本屋に行っても読みたいと思える雑誌がほとんどない。雑誌は新幹線や飛行機みたいな携帯が使えない長距離移動時のお供とか、ファッションカタログや業界の専門誌としてしか生きていく道はないんじゃないかな。ライフスタイル誌みたいのはどんどんダメになっていく気がする。

portal shit! : 雑誌とTumblr http://www.portalshit.net/article.php?id=1009

 僕は、色々な要素が混ざり合っている雑誌というものがとても好きで、エロとそれ以外の要素がごった煮になっていたかつてのエロ雑誌をこよなく愛していました。赤瀬川原平南伸坊岡崎京子もエロ雑誌で知ったし、逆に巻上公一が原稿を書いているということで「ウィークエンドスーパー」を古本屋で漁ったりもしました。エロ雑誌はエロだけでなく、様々なオルタネイティブな文化を僕に教えてくれました。
 目的以外の情報も目に入ってきて、新しい発見をする、それが雑誌の面白さでした。しかし、現在のユーザーは雑誌に「自分に関係の無い余計な情報」が乗っていることを嫌っているようです。エロ雑誌は、エロ以外の記事を載せることは出来なくなりました。なんでこんな風になったのかは拙著「エロの敵」に書いたのでここでは割愛しますが、雑誌が雑誌であることを放棄している(放棄せざろうえない)今、僕が雑誌よりも、より雑誌的なこうしたサービスの方に惹かれてしまうというのは必然なんだろうなぁと思うのです。


 ある程度の人数をフォローしていると、自分のDashboardにはその人たちがセレクトした画像やテキストが集まってきます。いわばその人たちは編集者。そして僕は、自分の好みに合わせて編集者を選べるのです。趣味が合わないなと思えば、その人をフォローから外せばいい。言ってみれば、編集者を自由に呼んできたりクビに出来たりする編集長のような立場になれるわけです。これが楽しくないわけがない(笑)。
 まぁ、ネットをウロウロしてあちこちから情報を得る行為も似てはいますが、tumblrの場合、僕が探さなくても彼らがどんどん面白い情報を探してきてくれるのです。このリアルタイムな感じは雑誌というよりも放送にも近いかもしれないですね。僕の好みにあったディレクターばかりの放送局。
 はてなブックマークの「お気に入り」でも、そんな印象を持ったんですが、Tumblrの方がビジュアル的で、より雑誌っぽいですね。
 そして僕もまた、編集者の一人として、自分のtumblrにせっせと面白い情報を集めてきているわけです。


 ただ、このTumblr編集者たちは、基本的にはどこから情報を持ってくる二次発信者でしかないんですね。自分で写真を撮ったり、原稿を書いたり(編集者なら、ライターに書かせる、か)はあまりしない。
 雑誌的な面白さは、もうtumblrにかなわないと書いたけれど、プロの編集者が勝てる点は一次発信が出来ることなんじゃないかなと思うんです。グラビアを撮る、インタビューをする、取材をする。こうした部分はアマチュアにはなかなかできない。だからプロとしては、そこに特化していくべきなのではないか。
 でも、実際には現在のエロ雑誌は、AVメーカーからもらってきた素材で構成するだけになりつつあります。確かにそれはコストがかからなくていいかもしれないけれど、それじゃアマチュアに勝てないですよ。ありものを組み合わせて作ることにも当然、センスは技術も必要なんだけど、そこは今の勝負のポイントではない。そういうことは無数のアマチュアに任せた方がいいんじゃないか。僕らは彼らに出来ないことをやらないと勝てない。

 そんなことを考えたので、僕もtumblrで自分のオリジナルの画像などを発信していこうと思っています。以前に撮影したソフトエロな女の子の写真や、昔の風俗などの資料的な写真などです。
 こうした写真をアップするのは、べつにblogでもいいんですけど、ビジュアル的なものはtumblrの方がアップしやすいし、映える感じがしますね。その写真が他のtumblrユーザーにreblog(引用)されていくのも楽しいし。
 またtumblrの面白いところに、他の同種のサービスを統合していけるという点があります。例えばtwitterもリンクさせると、twitterでの「つぶやき」がtumblrに反映されたり、逆にtumblrへ書いたことがtwitterの「つぶやき」になったりするんですね。RSSを登録すれば、他のブックマークをtumblrへ反映させることが出来ます。こうするとDashboardは、さらに混沌として、どんどん面白くなっていくんですね。


僕のtumblerは、Dario will eat itself http://rioysd.tumblr.com/です。tumblrに登録しなくても見られるので、どうぞ。でも自分もtumblrをやっている方が、ずっと楽しめますよ。


ちなみにtumblrについては
5分でわかる Tumblr の始め方| WWW WATCH http://hyper-text.org/archives/2009/04/tumblr_quick_start.shtml
Tumblrのおさらい | マイコミジャーナル http://journal.mycom.co.jp/tag/0002423/
あたりが詳しくて、よくわかります。


追記(2009/05/28):tumblrとtwitterの連動は解除しました。共にフォロー数が増えてくると、さすがにカオスになりすぎます(笑)。

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