ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

DVDマガジンにメニュー画面はいらない。

 おかげ様で、中野タコシェに引き続き、秋葉原アリババでも「No1 in HEAVEN」、快調な売れ行きを見せております。ありがたいなぁ。

 さて、「No1 in HEAVEN」を作るにあたって、ひとつこだわった点があります。それはメニュー画面をつけないということです。僕はどうもこのメニュー画面という奴が嫌いなんですよね。DVDをセットして、いきなりメニュー画面が出ると、もうがっかりしちゃう。
 黄金期のエロ雑誌の魅力をDVDマガジンとして再現するというのが「No1 in HEAVEN」のテーマなのですが、ならば目次であるメニュー画面をつけるべきではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。でも、雑誌における目次と、DVDにおけるメニューはかなり違うんですよ。
 雑誌の場合は、目次で目的のページがわかっても、そこに至るまでパラパラと他のページを見ないといけない。どうしたって、他のページが目に入ってきます。ところがDVDの場合は、メニュー画面から飛べば、いきなりそのコンテンツが見られる。他のコンテンツを見ないですむ。つまり、見ようと思わないコンテンツは、ずっと見ないままなのですね。
 エロ雑誌の付録のDVDは、たいていまずメニュー画面から立ち上がります。たぶん目次=メニューという意識でそういうスタイルにしてるのでしょう。これだと、ユーザーは見たいコンテンツだけしか見ていないでしょう。雑誌の付録DVDも収録時間を競いあってますから、全部見ると大変なボリュームになる。おそらく全部のコンテンツは見ていないはず。そして全く目に入らないんだからユーザーにとっては存在しないに等しい。
 エロのついでに、なんか変な記事を読んじゃうなんて、出会いがそこにはないんですよね。僕は雑誌の面白さは、意外な出会いにあると思っているので、このメニュー画面ありきの構成には納得いかないのですよ。
「No1 in HEAVEN」では、コンテンツの流れもかなり気を使っています。エロが来たら、次は非エロが来て、こう盛り上げて…というように。DJみたいなもんですね。だからできるだけ順番に見て欲しい。次はどんなものが来るのかワクワクしながら見て欲しい。いちおうチャプターは切ってるから、もし興味がないコンテンツだったら、すぐ飛ばせるわけだし。
 こういう流れを意識して構成するというのは、雑誌だって同じはず。巻頭グラビアが来て特集が来て、そして第二特集が来て、一色ページが来て、なんて考えながら台割を切っていくのは、編集者の腕の見せどころですよ。
 エロ雑誌にDVDがつき始めたころ、僕は実は期待してたんですね。ここにエロ雑誌の生き残る道があるのではないかと。つまり雑誌を作ってきた人間なら、AVを作ってきた人間とは違う切り口のDVDが作れるのではないかと。実際、初期には面白い付録DVDも結構ありましたよ。でも、次第にありきたりのコンテンツをただ突っ込むだけのDVDばかりになってしまいました。残念です。
「No1 in HEAVEN」を作ってみて、僕はDVDマガジンというスタイルの面白さと可能性に手応えを感じました。ここには、まだ未来がある。そして面白いDVDマガジンは、雑誌編集者こそが作るべきだと思うのですよ。
 エロ雑誌の付録DVD、まずメニュー画面を無くすことからはじめてみませんか?

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