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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

続おやじびでお 第1話 AVアイドルは清純派?の巻

原稿アーカイブ エロ AV

早川愛美のデビュー作「ヒロイン愛美」
 昭和42年生まれの安田理央がお送りする、おやじによるおやじのためのおやじAVコラム。今は亡き「DMMDVD」から引越して参りましたよ! 
 さて、突然ではありますが、みなさまが最初に好きになったAVアイドルは誰でしょうか?
 AV史的に言いますと、AVアイドル第一号を誰にするかというのは諸説ありますが、1983年に「隣のお姉さん」(ポニー)でAVデビューし、「第一回ビデオクィーン・コンテスト」(ビデオプレス誌主催)で堂々の一位となった八神康子、翌1984年に「私を女優にしてください 何でもやります」(宇宙企画)でデビューして人気が爆発しTVなどにも出演した竹下ゆかり、このあたりが有力なところでしょう。
 ただ、当時の高校生であった私たちには、今ひとつピンと来なかったというのも正直なところ。この時期にはむしろアダルトアニメくりいむレモン*1の亜美ちゃんの方に萌えた人も多かったのではないでしょうか。いや、いずれにせよ高校生は見ちゃいけないんですけどね。
 そういう意味で、最初に「おおっ、これはアイドルよりも可愛いかも!」と衝撃を受けたのは、早川愛美ちゃんでありました。1985年に宇宙企画から「ヒロイン・愛美」でAVデビューを果たした彼女ですが、私はその前から彼女を知っていました。「TV海賊チャンネル」*2「サタデーナイトショー」*3などの深夜番組に次々と出演していたからです。しかし、その時の彼女の肩書は高田馬場ファッションヘルス「サテンドール」*4の超人気風俗嬢でした。
 アメリカ人とのクォーターというエキゾチックな顔立ちの彼女は、びっくりするほど可愛らしかったのです。えー、ファッションヘルスってこんなに可愛い子がいるのー?!と私は、衝撃を受け、その後に風俗童貞を捨てる時は彼女が在籍した「サテンドール」に行ったのでした。いや、もちろん早川愛美みたいな子は出てこなかったんですけどね。
 そして彼女の人気に目をつけた宇宙企画がAVデビューさせるわけなんですが、その時にはプロフィールからファッションヘルスで働いていた事実をカットしてるんですね。風俗嬢をスカウトして、その過去を隠させるというのは、AVではよくあるパターンなのですが(今でも!)、あの時は釈然としないものを感じましたね。だって、この間まで、現役風俗嬢としてガンガンテレビに出てたのに…。ええ、高校生だから、青かったんです。
 ちなみに当時に購入した「ベッピン文庫 早川愛美写真集 愛美がいっぱい」を見てみると、「女優になりたいという夢をつらぬくために高校を退学。歌や踊りのレッスンにはげみました」として、その延長でAVデビューしたことになっております。
 AVデビュー作の「ヒロイン・愛美」も、元風俗嬢なのにフェラすらない超ソフトな内容。それでも、当時の私たちは、十分満足していたのですよ。だってアイドルみたいに可愛い子がヌードを見せてくれるだけで衝撃的だったのですから。
 この早川愛美を皮切りに、宇宙企画は独自のアイドル路線を驀進し、宇宙少女*5と呼ばれる美少女を次々と送り出して行くのでした。秋元ともみ、かわいさとみ、山崎かおり、牧本千幸、小森愛…。こう名前を並べていくだけで、胸が熱くなってきますね。
 この80年代後半は第一次AV黄金期とも言うべき時代で、宇宙企画に限らず本当にたくさんのAVアイドルが登場し、一般誌やTVにも進出していったんですね。また、早川愛美をはじめとして、多くのAVアイドルがレコードデビューをしてました。
 最近もAVアイドルがテレビに出ることが増えていますが、あの頃の方がもっと露出が多かったように思えます。しかし面白かったのは、あの頃のAVアイドルはあくまでも「清純派」として振舞っていたんですね。インタビューなんかでも下ネタは厳禁だったり。あの「オールナイトフジ」に、かわいさとみがレギュラー出演していた時などは、一般の女子大生よりもずっと清純な女の子というイメージだったりして、妙なズレがありました。
 思えば、80年代後半というのは、おニャン子クラブ小泉今日子が、それまでの「アイドル」の定義を解体していった時代。芸能界では、それまでの清楚な美少女像は古臭いものとなっていました。だから、私たちはAV女優に、かつての「アイドル」を求めていたのかもしれません。
 まぁ、それはスタート地点からして、明らかに矛盾してることだったんですけどね。
 だいたい当の彼女たちが、本当はヤンキーっぽい子だったりしてたのですよ。それを無理矢理に清純派アイドルに仕立てあげていたのが実情なんですね。私は20歳くらいから、出版系の仕事をしていたんですが、英知出版*6(当時は宇宙企画と兄弟会社だった)の編集部などで、生の某宇宙少女を見て、がっかりした記憶があります。ヤンキーそのものだったもんなぁ…。
 今はむしろ、そこまで完璧に作りこんでいた当時のスタッフの力量を尊敬しています。芸能界の方のアイドルだって、しっかりと作りこんでるわけですからね!
 とはいえ、彼女たちが私たちの青春のアイドルだったことは間違いありません。この原稿を書くために久々に「愛美がいっぱい」を本棚から引っ張り出してきて眺めていたのですが、今見てもちゃんと可愛いなぁ、早川愛美。この写真集、ちょっとだけヘアが映ってるカットがあって興奮したんだよなぁ…って、すごい昔の話っぽいですね。

TENGU(ジーオーティー)2010年4月号掲載。現在も連載中で、発売中の9月号では80年代のロリコンブームについて書いてます。

*1:1984年からフェアリーダストが制作したアダルトアニメシリーズ。これ以前にもアダルトアニメは存在したが劇画調だったりするなど、現在に通じる美少女アニメとしては元祖といえよう。中でも人気の高い「亜美シリーズ」は劇場公開されたり、実写版が作られたりもした。

*2:所ジョージ司会のお色気深夜番組。1984〜86年に日本テレビ系で放送。「ティッシュタイム」をみんな楽しみに見ていた。

*3:明石家さんま司会のお色気深夜番組。1981〜84年にテレビ東京系で放送。「お色気スター千一夜」にはポルノ女優やAVアイドルが登場し、出演作の一部も流されたので必死に見た。

*4:今なお健在なファッションヘルスの老舗店。現在は30分8千円から。

*5:宇宙企画に出演したAVアイドルたちの総称。芝浦インクスティックなどで「宇宙少女レビュー」と称したイベントも行われた。

*6:「べっぴん」「デラべっぴん」など当時の青少年に多大な影響を与える雑誌を数多く発行していた偉大なるエロ出版社。残念ながら2007年に倒産。

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