ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「愛しのインチキ・ガチャガチャ大全ーコスモスのすべてー 」(ワッキー貝山・池田 浩明 双葉社)

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 ガチャガチャ界の大メジャーブランド、コスモスの商品を約千点もオールカラーで紹介したという本です。これは東北を中心に活躍するタレント、ワッキー貝山の10万個に及ぶコレクションの一部だそうです。

 コスモスは1977年に設立され、1988年に倒産したメーカー。僕が小学生だったのが1974年から1980年ですから、コスモスがあったのは高学年になってからですか。もっと前からあったような印象がありますね。たぶん中学生になってからもガチャガチャやってたんだろうな、僕(笑)。
 あと本社が浦和だったんですね。地元の企業だったのか!

 帯のコピーには「ロッチのシールなど、著作権無視、パクリにコピー、雑な作りのガチャガチャ製品を粗製濫造してきたメーカー、コスモス」なんて書いてあるし、実際に紹介されている商品は、確かにメチャクチャ。
 勝手に複製したビックリマンシールや、コンセプトをそっくりパクったなめ猫グッズ。そして完全に無許可で作っているのだろうけど、原型を留めないほど似ていないので問題にならないような気もするアニメキャラや芸能人の消しゴム人形……。

 でも、当時の僕は「コスモス」というブランドにそれほど悪い印象を持っていませんでした。いや、むしろいいイメージすらあったような気がします。それは「国内シェア80%」「世界一」とブランド名の横に高らかに書かれていたキャッチコピーのせいかもしれません。「あー、コスモスってすごいんだ」というイメージが刷り込まれていたのでしょう。そもそもガチャガチャとは粗雑なものだと思っていたので、どんなにひどい代物でも、ガッカリすることなど無かったのです。いや、当時の小学生には、これでも十分に素晴らしいオモチャだったのですよ。

 オールカラーでズラリと並べられたガチャガチャ商品のキッチュな魅力さも、もちろん楽しいのですが、それ以上に面白かったのが、巻末の当時のコスモス社員へのインタビュー。いい加減な商売が通用した時代ならではの、破天荒なエピソードの数々。日本だって、つい30、40年前までは、こんなにいい加減な国だったのです。

 ただ、商品図鑑のテキストが、ポエムみたいでデータ性に乏しいのはチト残念。もうちょっと商品そのものについてのデータを書いて欲しかったですね。いや、特に書くことなんて無いんだろうけど。

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