ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

平成最後のかつサンド(1200円/山梨県/B-6)

https://www.instagram.com/p/Bs2BYL5jgAP/
 今年の大会で、駅弁仲間の間で密かな話題となっていたのが、この「平成最後のかつサンド」です。まぁ、名前からして、なんかちょっとひっかかりますよね、つまり今年だけの限定メニューということですよね。そして、名前に負けないルックスの強烈なインパクト。ぶ、分厚い! そして実際に食べた人の話を聞いてみると、実物の分厚さはさらにすごいのだと……。

 昨日のロマ弁でも吉田戦車さんがコレを食べていたのですが、結局、切り分けてみんなで少しずつ食べていました。いや、ホント、実物を目にすると、そうするしかないんですよ、これ。とてもそのまま一人で食べられるものじゃない……。
 でも、そうなると、じゃあ食べてやろうじゃないか、という気持ちにもなってくるわけです。ええ、行きましたよ、「平成最後のかつサンド」。
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 まず強烈なパッケージに目を奪われます。黄色と黒って、あんまり駅弁のパッケージで見ないカラーリングですよね。そして「平成最後の思い出に」「今買わなきゃいつ買うの!?」「平成最後だよ」「HEY!! SAY!!」「新しい時代の前に」「平成に感謝」「平成に乾杯」というコピーが乱れ飛んでします。どう考えても、まともな駅弁とは思えません。

 そして中身です。言葉を失う厚さとはこのことです。パン一枚の厚さが3センチ、それが上下で合計6センチ。カツが2センチ、玉子が1センチ。合計9センチ。それが2セット入ってるわけです。
 9センチって、相当な厚さなわけです。成人男性の僕が思い切り口を開けても6センチ位ですよ。つまりまともには口に入らない。押し潰して食べるしか無いけれど、押しつぶすと玉子もカツもニョロニョロとはみ出してしまって無残なことになります。というか、どう食べても無残なことになるしかないのです。切り分けて食べるのが正解ということになりそうですね。

 しかしですね、このカツサンド、すごく美味しいのですよ。カツは柔らかくて、分厚いのに噛みちぎるのには苦労しない。そしてなによりも玉子が美味しい。サンドイッチの玉子がこんなに美味しいと思ったのは初めてです。はみ出して容器に残った玉子を、パンですくって食べるとこれまた美味しい。あの不朽の名作「甲州かつサンド」(あと、「高原野菜とカツの弁当」)の丸政さんのカツサンドだから、美味しいのは当然なわけですが。

ボリュームに関しては見たまんまですよ。成人男子でもお腹が苦しくなりますよ。食後、だいぶ経つのですが、まだ苦しいですよ(笑)。

 とにかく過剰すぎるわけです。食べやすさとかバランスとか、そういうことを考えればこの駅弁は間違いなく失敗しているわけですが、これはむしろ挑戦だと感じました。全体的に完成度は高まっているけど、いまひとつ面白さがなくなりつつある駅弁大会に一石を投じたい、そんな意思をこの「平成最後のかつサンド」に感じずにはいられません。パンクスピリッツに近いものを、僕はこの駅弁から受け取りました。

 これは暴動の駅弁ではない。駅弁の暴動である!(もう何を言ってるのか自分でもわからない)

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