ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

安田理央が選ぶ、史上最高のベース・ライン10選

「『NME』が選ぶ、史上最高のベース・ライン10選」という企画がありまして、まあ、こういう企画の常で「えー、それはおれは納得いかねぇ!」とか思うわけですよ。どんなセレクトであろうと、誰もが納得するわけがないんですけどね(笑)。

web.smartnews.com

 

特に1位に選ばれてるピクシーズの「Debaser」に関しては、「その路線だったらネッズの『Kill Your Television』の方がかっこいいだろう!」なんて言ってたわけです。そうなると、つい自分でも10曲選びたくなるじゃないですか。

で、選んでみました。ベースラインが死ぬほどかっこいい(と、あくまで個人的に思ってる)10曲です!

 

10位 Do The Du/A Certain Ratio

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コールドファンク最高! というわけで、こんな体温低そうに淡々とシンプルなフレーズ弾いてるのに、なんでこんなにかっこいいんだろう。

 

 9位 Stand Uq/Modern Romance

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 ファンカラティーナ最高! チャラさ満点のいかがわしさが魅力のモダンロマンスですが、この曲は超ヘヴィなファンクでしびれます。おれの考える理想のファンクのひとつの形だなー。

 

8位 That Old Black Magic/James White And The Blacks

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 生涯フェイバリットアーチストの一人、ジェイムス・チャンス(ホワイト)。このアルバムを一番最初に聴いたせいもあるけど、コントーションズよりもブラックスの方が好きなんですよね、いかがわしくて。ええ、いかがわしいのが好きなんです。

 

7位 無防備都市/ムーンライダーズ

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 そんなに熱心なライダーズファンじゃないんだけど、「カメラ=万年筆」「マニアマニエラ」「青空百景」の三枚は死ぬほど好き。そしてこの曲の博文さんのベース、超かっこよくて悶絶した。

 

6位 The Less I Know The Better/Tame Impala

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 今回選んだ中で一番新しい曲。サイケデリックな酩酊感が素晴らしくて、うっとりしちゃいますねぇ。PVもエロくて最高。

 

5位 Kill Your Television/Ned's Atomic Dustbin

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この企画やろうと思ったきっかけの曲なのに5位になっちゃった(笑)。でも、本当にこの曲のベースはかっこいい。パンク系のベースラインでは一番かっこいいと思う。ベース2人いる必要があんまり感じられないところも最高。

 

4位 Mongoloid/DEVO

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中学生(小学校かも)の時に「すすめ‼!パイレーツ」にDEVOが出てきて興味を持ったのが、もしかすると自分のパンク的なものに触れた最初の出来事だったかもしれない。え、こんな曲アリなの?! って衝撃受けました。この超早いライブバージョン最高。

 

3位 Take Me To The River/Talking Heads

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「NME」でも3位にヘッズの「サイコキラー」が入ってて、まぁ、もちろんあっちのベースラインも最高なんですけど、こっちも超最高。おれ、一番好きなベーシスト、ティナ・ウェイマスかもしれないなー。特にこの頃の。

 

2位 Gronlandic edit/Of Montreal

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米アセンズのエレファント6在籍バンドとして、デビュー当時のふにゃふにゃインディーポップの印象をまだ持たれたりしてるんだけど、実は途中からギラギラしたグラム路線になってて、もういかがわしさ爆発。来日公演も下品でよかったなー。そしてこの曲、DJやる時にもよく使うんだけど、必ずといっていいほど「これ何?」って聴かれる。ファンキーさ、いかがわしさ、わけのわからなさというおれの好きな要素を全部突っ込んでる理想の一曲。

 

1位 coco/EP-4

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日本を代表するコールドファンクナンバー。ファンクというリズムを意識したのも、ベースというもののかっこよさを意識しはじめたのも、この曲がきっかけだったかもしれない。今でも自分の中のファンクの基準はこの曲のこのリズム。なので、いろいろと間違っている気がする。

 

というわけで、ニューウェーブファンクばっかりの相当偏った10曲ですね。PILとかポップグループとかギャング・オブ・フォーも入れたかった。つまり、おれにとって、ニューウェーブってベースがかっこいい曲ってことなのかな。

 

追記

この10曲をプレイリストにまとめましたので、ぜひ一気に聴いたり踊ったりして、そのかっこよさにシビレまくって下さいませ。

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レンタルボックス型ワーキングスペース「テレキューブ」を使ってみた

いちおう一人で使ってる仕事場があるんですが、時々喫茶店などに行って、頭の中を整理したりします。環境を変えた方が落ち着いて色々考えられたりするからです。

先日、西武線高田馬場駅の構内にこんなものが出現しました。簡易シャワールームというか、一人用カラオケブースというか、まぁ、そんな感じのボックスです。「テレキューブ」というレンタルボックス型ワーキングスペースのようです。
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telecube.jp

「へー」と興味を持ったのですが、どうやらネットで会員登録しないと使えないようです。なんだか気になって、さっそくスマホで登録して使ってみることにしました。昔から押入れとか、こういう密室好きなんですよ!

料金は15分250円。法人会員だと固定料金プランもあるようですが、個人だとこの料金のみで、長時間使っても割引とかは無いようです。
とりあえず30分使ってみましょうか。500円に消費税プラスで550円。
ネットで予約も出来ますが、空いていればその場でQRコードを読ませることで利用開始できます。

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スマホで手続きすると解錠されて、ドアが開きます。中には白いテーブルとソファ型のチェアがあるだけ。一人でもゆったり、とはいい難い広さですが、狭い空間好きな自分としては結構好みな感じ(笑)。
テーブルの前には電源コンセント2つと充電用のUSBポート。テーブルの下にエアコンのコントロールパネル。以上。あれ、ネットとか無いんだ……。

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ま、とりあえずノートと資料を広げて、抱えている仕事の整理を始めます。もちろん飲み物のサービスとかは無いので、事前に近くのコンビニでペットボトルの麦茶を買ってきてあります。ちなみに食事、飲酒、喫煙は禁止だそうですよ。ここでこっそり飲むのとか、楽しそうだと思ったんだけど、ちぇっ。

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「防音設計」「防視設計」となってますが、物音は結構聞こえるし、ドアは摺りガラスなので、外で何かが動いてるのとかはうっすら見えたりしますね。何しろ駅構内だからなぁ。でも、まぁ、それほど気にならないレベルではありますし、イヤホンつけて音楽でも聴いてれば集中できるでしょう。

ちまちま仕事をしたり、ボーッとしたりしてたら、突然「5分前になりました」と女性の声でアナウンスが流れてびっくりしました。ピンサロかよ(笑)。さらにその5分後に「ご利用ありがとうございました」のアナウンス。

正直な感想としては、うーん、これはちょっと割高だなぁ。自分としては喫茶店の方が落ち着いて考えごとが出来るし、個室のブースで仕事をしたいというならネットカフェの方がずいぶん安い。僕がいつも使っている高田馬場のネットカフェなら税込で30分220円で、飲み物飲み放題、ネット使い放題、そして漫画や雑誌も読み放題。ま、その分、仕事に集中できないというデメリットはありますが……。

そう考えると、「テレキューブ」、あんまりメリットが思いつかない。30分とか一時間とかじゃなくて、15分ちょっと一人になりたい、とか、大事な電話をしたい、という時には使えるかもしれませんが。せめてネット回線は使えて欲しいところだなぁ。

でも、この狭い密室感は、割と好きなんですよね。特に意味無しに、ここに入りたくなる時があるかもしれませんね。

公開講座「安田理央のよくわかる日本アダルトメディア史」開催!

 2006年の『エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること(雨宮まみと共著  翔泳社)くらいから、アダルトメディアの歴史について書く仕事を意識的に増やしていき、アダルトメディア研究家と名乗るようになりました。
 先日発売した『日本エロ本大全』太田出版)などは、エロ本研究の集大成というべきものです。また、昨年発売した『AV女優、のち』(角川新書)も引退したAV女優のその後についてのインタビュー集ですが、同時にAVの歴史も追えるような構成になっています。
 その他、雑誌などでも様々なアダルトメディアの歴史についての記事や特集を書いたり、テレビやラジオなどの番組でもそうしたことを語ったりして来ました。

 でも、アダルトメディアというのは、実はそれぞれのジャンルが密接にからみあって発展してきたのですね。例えば、黎明期のAVを作りあげたのは、成人映画のスタッフ、そしてそれまでビニ本を作っていた人たちだったりしますし、AVの進化とともにエロ本も盛り上がっていきました。また風俗もエロ本やAVと相互影響しながら発展していきました。さらに00年代以降は、ネットもまたその流れに関わっていきました。
 というように、アダルトメディアを語る時に、ひとつのジャンルだけを取り上げても、あまり意味がないように思えるのです。
 あらゆるジャンルのアダルトメディアを一括して歴史の流れを語ってみたい。ずっとそう考えていました。
 今回、トークイベントである「大人の学校」の場をお借りして、それを実践してみようということになりました。

 戦後のカストリ雑誌からスタートし、現在に至るまでの70年以上の歴史を3時間に渡って時系列で解説する講義となります。
 アダルトメディア関連の仕事をしている人でも、その歴史については意外に知らないということが多いようで、そういう話をすると興味津々に聞いてくれるのです。
 ぜひ、AV関係、出版関係の人にも受講していただきたいなと考えております。


 当日は、『日本エロ本大全』などの著作の販売(イベント直販のみの特製カバー付き!)もありますし、講義終了後は懇談会もあります。
 基本的には大真面目に語るつもりではありますが、まぁ、テーマがテーマなので、緩い感じのトークになるとは思いますので、気楽に遊びに来て下さい。

■■「大人の学校」第7回公開講座安田理央のよくわかる日本アダルトメディア史」講師・安田理央(アダルトメディア研究家)■■


■日時:2019年9月28日(土) 開場:午後1時30分 開演:午後2時

■場所:東京・新宿「Live Wire HIGH VOLTAGE CAFE」
Cafe Live Wire 新宿 2  東京都新宿区新宿5丁目12-1 新宿氷業ビル3F(1F割烹「いちりん」右階段上がる
http://go-livewire.com/

■参加費:入場料:前売り2000円+ドリンク代(1ドリンクOR 1フード600円)・当日2500円+ドリンク代(1ドリンク OR 1フード600円)

※本公開講座後は、同会場で出演者を囲み、懇親会を開催させていただきます(開催時間は2時間ほど)。料金は3500円(フリードリンク+フリーフード)になります。懇親会参加者には、入場時にウェルカムの1ドリンクをプレゼント。入場料以外に別途1ドリンク代は不要になります。懇親会に参加されない方は、当日受付時に別途1ドリンク代OR 1フード代600円が必要となります。(2ドリンクOR 1ドリンク+1フード購入の場合は200円引きの1000円とお得です)

お申し込みはこちらから。
school4adult.jugem.jp

「帰ってきたブラックパックナイト」やります!

 2014年の8月に高円寺パンディットで僕が行った「ブラックパックナイト」が5年ぶりに帰ってきます! 
 ブラックパックとは80年代半ばに、一部で話題を呼んだ無審査AVで、その名の通り黒い紙の箱に包まれた怪しげなビデオです。その内容は極めて過激。いや、過激というより意味不明。方向を間違えてるとしか思えない変態プレイの数々。わずか2年で姿を消したブラックパックはAVの歴史の中でも語られることのない、いわば黒歴史です。

詳しくはこちらを御覧ください
rioysd.hateblo.jp

ところが最近になって、こんなイベントがあったことを知ったマニアの人から連絡があり、一緒に第二回をやることになってしまったのです(笑)。
 そのマニアの人はryoさんといい、ブラックパックを始めとして、SMやスカトロなどのマニアックなAVを大量にコレクションしておりまして、その膨大な量には僕も驚かされました。

そんなわけで、今回はryoさんのコレクションを中心に上映いたします。黎明期のAVや裏ビデオなんかは、結構ネット配信で見ることができるのですが、このブラックパックというものは、ほとんど目にする機会はないと思いますし、VHSの中古でも出まわることは、まず無いですね。そういう意味では、かなり貴重な映像です。そして、今回のセレクトはryoさんの嗜好を反映しまして、かなりハード! 繊細な神経の方は、遠慮していただいた方がいいかもしれません(笑)。

アシスタントとして当日はブラックパック当時はまだ生まれてなかった、八ッ橋さい子さんも出演してもらうんだけど、さい子さん、大丈夫かなー。

だいたいこんな感じの作品を上映します。
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というわけで、覚悟を決めていらして下さい!

あ、当日は特製カレーも販売します。ぜひカレーを食べつつご覧下さい!(笑)

〜AV史から封印された幻のインディーズビデオ〜「帰ってきたブラックパックナイト」<18禁!!>8月27日(火) 高円寺パンディット 
【出演】・安田理央(ライター、アダルトメディア研究家)・ryo(SM、スカトロ系AVコレクター)
【ゲスト:聞き役】・八ツ橋さい子(AV女優、ブラックパック初心者)
開場19:00 開演19:30 前売¥2000(飲食代別)当日¥2500(飲食代別)


イベント詳細はこちら
pundit.jp

歴代エロ本総選挙 結果発表!

『日本エロ本全史』を出したということもあって、ネットで「歴代エロ本総選挙」なんてものを実施してみました。といっても、TwitterFacebookで個人的に投票を呼びかけただけなんですが、100人以上の人が投票してくれました。

では、第一回歴代エロ本総選挙第一位は、11票を獲得した
『バチェラー』
(大亜出版/ダイアプレス
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もう初っ端から圧倒的に独走という感じ。やはり巨乳冬の時代から、ひたすら巨乳にこだわってきた故の読者の思い入れの強さでしょうか。今年で創刊42周年というエロ本としては最長の歴史を持つ偉大な雑誌です! 



続いて第二位は、8票獲得した
『ウレッコ』
ミリオン出版
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持って歩いても恥ずかしくない日本で一番オシャレなエロ本と呼ばれた雑誌です。そのアートワークの素晴らしさといい、一色ページの隅々にまで気の配られた丁寧な編集といい、エロ本の鏡ともいうべき存在です。



第三位は、7票獲得した
デラべっぴん
英知出版
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「べっぴん、すっぴん、デラべっぴん」なんて歌もあったほどにメジャーな雑誌。ある意味で、誰もが考える典型的なエロ本だったのではないでしょうか。華麗な巻頭グラビア、過激かつアイディアにあふれる企画グラビア、そして読み応えのある記事が満載の一色ページ。これぞエロ本! 


四位以下はこんな感じになってます。

四位(6票)『スーパー写真塾』『ビデオボーイ』
五位(5票)『アップル通信』『写真時代』『投稿ニャン2倶楽部Z』『ビデオ・ザ・ワールド』
六位(4票)『映画の友』『トップテンメイト』
七位(3票)『オレンジ通信』『クリーム』『Don't』『ベストビデオ』

2票獲得
『GORO』『写楽』『ストリートシュガー』『投稿ニャン2倶楽部』『ビデオメイトDX』『Billy』『Peke』『YO!』『ロリポップ

1票獲得
アップル写真館』『ウィークエンドスーパー』『エロトピア』『CARトップ』『ガキんちょkiss』『ぎゃるーる』『コミックアイラ』『ザ・ベストマガジンオリジナル』『すっぴん』『ズームアップ』『千人斬り』『ちぃちゃん』『チョベリグ』『投稿写真』『TOPAZ』『ナオン』『ナンパの鉄人』『No.1ギャル情報』『熱烈投稿』『Vコミック』『プチトマト』『ヘイバディー』『平凡パンチ』『ベストDVDスーパーライブ』『別冊映画の友』『ベッピンスクール』『ポケットパンチ』『ボディプレス』『マスカットノート』『マドンナメイト写真集』『マニア倶楽部』『漫画ホットミルク』『メガストア』『桃クリーム』『ラッキークレープ』『レモンピープル

と、まぁ、こんな結果になりました。『バチェラー』一位、『ウレッコ』二位、『デラべっぴん』三位というトップ3は、なんとなく納得できるところなんですが、「え、あれがあれより上?」「あれ入らないのか!」など意外に思うところも多々ありまして、これ、面白いので、もっと大々的にキチンとやってみたいなーという気持ちになりましたね。


「バチェラー。こっそり買いに行った。学生だったが。ファミ通と一緒にこっそり買った」

「巨乳好きなので、『TOPTEN-MATE』でした。コンビニ売りだったので、購入しやすいのも嬉しいポイントでした」

「好きなエロ本は1つに決められないのだが、一番衝撃を受けたのは『Billy』かな。こんなの出して良いのか、こんな嗜好があるのかとびっくりしたわ。大学生の頃だな」
ロリポップ。今だに覚えてる方々がいる事に驚いた。商業誌と同人誌の間みたいなコンセプトも功奏したか、編集、マンガ家、読者の一体感が、これほどある雑誌はもう出ないだろう。ファン合宿なんてやってたね」

「アップル通信。あまり直接的ではない表紙とタイトルが逆にそそる気がする」

「TOPAZ。デザインもかっこよかったし、サブカル欄がえらい充実していた。90年代だな~という感じだけど」

デラべっぴんですね。編集者が楽しく作っていそうで、出版とか編集執筆という仕事に興味を持ったきっかけをくれた本でもあります」

デラべっぴんかな。500円だったし、コンビニで買えた。高校時代は回し読みしてて、誰が乱雑に扱ったか犯人探しが面白かった。同級生のマニアふじもんが屋根裏に隠してて、重みで天井がたわんで問題になった事件あったな」

と、コメントも、みんな熱くて楽しいですなぁ。
ある範囲の年齢の男性にとって、やっぱりエロ本の存在って大きいんですよ。


というわけで、ぜひ「日本エロ本全史」も(笑)。エロ本を読んで育った人には、絶対に楽しめると思いますよ!

新刊「日本エロ本全史」発売

『AV女優、のち』(角川新書)から、ちょうど一年ぶりの新刊『日本エロ本全史』(太田出版)が本日発売となりました。ここんところ一年に一冊のペースですね。いつも、3ヶ月くらいで書けると思って着手するんですが、結局一年かかってしまう(笑)。

 この『日本エロ本全史』は、戦後70年以上に渡る日本のエロ雑誌の歴史をまとめた本で、1946年の『りべらる』から2018年の『FANZA』まで、エポックメイキングな存在となった雑誌の創刊号を100冊紹介したものです。

 日本のエロ本の歴史について書かれた本としてはこれまでにも、『「奇譚クラブ」とその周辺」(濡木痴夢男)『ポルノ雑誌の昭和史』(川本耕次)『エロ本黄金時代』(本橋信宏・東良美季)『エロ本水滸伝』(池田俊秀)『エロの「デザインの現場」』(有野雄一)など、数々の名著があるのですが、現代に至るまでの「通史」をまとめた本はなかったんですよね。特にエロ本が90年代以降、どのように「死んだ」と言われるようになっていったかの変貌を追った文章というのは、ほとんど無い。自分が本格的にエロ本業界と関わるようになったのが90年代以降ということもあり、そこは書いておきたいと思ったのです。

 もともと古雑誌を集めるのが好きで、十年ほど前から意識的にエロ雑誌の創刊号を集めるようになっていました。そのコレクションがこの本のベースになっているのですが、「通史」を語ろうと思ったら、あの本も入れなくちゃ、この本を欠かすわけにはいかない、ということになり、結局半分くらいは新たに入手することになりました。古本に限らず、本はリアル店舗で買う主義なのですが、さすがに必要に迫られてネット通販やネットオークションに手を出すことになり、ひたすら「エロ雑誌 創刊号」で検索する日々でした。
 というわけで、この本で紹介している100冊の創刊号は全て僕の所持しているコレクションです(本当は、どうしても数冊入手できずに編集部などからお借りしましたが…)。

 オールカラーで創刊号100冊、さらに後の号や関連誌などの図版もたくさん掲載しておりますので、実際には300冊ほどを紹介しており、ボリュームも充実したものになったと自負しております。
 しかし、出版社の方針で書店ではシュリンクされて販売するとのこと。ビニール本ですね(笑)。でも、この本は、ぜひ中身を見てもらいたい! 中身を見てもらえば欲しくなるはず! 
 ということで、中身をパラパラめくる動画を作ってみました(笑)。


 エロ本だって立派な文化なんだ、なんてたいそうなことを言うつもりはないんですが、現在40代以上の男性にとっては、共に成長してきた友人みたいな存在なのではないかなと思っております。
 ああ、あんな雑誌もあった、こんな雑誌もあった、と懐かしい友人を思い出すような気持ちで手に取ってもらえればな、と思っております。


100冊の掲載誌リストや内容については、こちらを御覧ください。

太田出版公式サイトwww.ohtabooks.com

『日本エロ本全史』刊行記念イベントやります。その名も「エロ本喫茶」!

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『AV女優、のち』から一年ぶりの新刊『日本エロ本全史』が7月2日に太田出版から発売になります。2016年の『痴女の誕生』から、一年一冊のペースが続いてます。でも、本作はずっと書きたかった一冊でありまして、「これをやっちゃったら、この後、おれはもう何をすればいいんだろう?」と思っちゃってるほどなんですよね。

1946年の「りべらる」から2018年の「FANZA」まで、エポックメイキングな存在となったエロ雑誌の創刊号を100冊、オールカラーで紹介し、今までほとんど語られてこなかった日本のエロ本の70年に渡る歴史を追うという本であります。内容に関しては、この後にまた改めて詳しく書こうと思うのですが、実は発売に先駆けて6月20日に刊行記念イベントを行います。

「エロ本喫茶開店!『日本エロ本全史』刊行記念イベント」
2019年6月20日(木) 阿佐ヶ谷ロフトA 
OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥1,500/当日¥2,000(共に飲食代別・1オーダー500円以上必要となります)
【出演】安田理央、姫乃たま、他

www.loft-prj.co.jp

 姫乃たまとエロ本トークもやりますが、このイベントのメインの趣旨は、みんなで酒飲みながら懐かしいエロ本読もうぜー、ということなのです。
 僕のコレクションから大量のエロ本を阿佐ヶ谷ロフトAに運び込みますので、それを読み放題! 漫画喫茶ならぬエロ本喫茶! ということなのです。

 あの本とか、あの本とか、アレとかレアな本もたくさん持っていきますよ!

 もちろん『日本エロ本全史』も先行発売! イベント購入特典も付けちゃいます。

 日本のエロ本って、こんなに面白かったんだ、ということをこの機会に再認識していただきたいと思います。

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