ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

2019年度個人的ベスト10曲

昨年に引き続き、今年も極めて個人的な年間ベスト10曲を選んでみました。
rioysd.hateblo.jp

ええ、全く個人的に気に入った曲なので、時代的なトレンドとはだいぶかけ離れているような気もしますが、まぁ、こういう曲もよかったから、聴いてみてね! というくらいの気持ちでチェックして下さい。ポップで聴きやすい曲ばかりだと思いますよ!


10位 Rex Orange County - 10/10
今年は若いシンガーソングライターの曲をよく聴いてました。10代でデビューし、まだ22歳というロンドン出身のアレックス・オコナー君のソロプロジェクト、レックス・オレンジ・カウンティ。このキュートなポップセンスは素晴らしいなぁ。歌い出しのひと声だけで、もう世界に引き込まれる。この曲は結構ヒットしたみたいですね。

Rex Orange County - 10/10 (Official Video)


9位 Hand Habits - what lovers do
ロサンゼルス出身のシンガーソングライター、メグ・ダフィーのソロプロジェクト。彼女はワイズ・ブラッドやケヴィン・モービーのサポートギタリストとしても活躍してるみたいですが、とにかく声が絶品。どこか遠い世界へ連れて行かれてしまいそうな、幽玄で切ない歌声なんですよね。

Hand Habits - what lovers do


8位 Ku One Chan - A must do(해야해)
なんか全然情報がないんですけど、韓国のシンガーソングライター(たぶん)。写真を見る限り、彼もすごく若そう。どの曲もアーバンで洒落てて心地いいです。特にこの曲は、いわゆる「ダチーチーチー」フィルインが超かっこいいクールなファンク。

구원찬 / KU ONE CHAN - '해야해' (Official Audio)


7位 Vampire Weekend - Harmony Hall
いわずと知れたヒット曲。爽やか。こういうのが好きなんですよ、僕は! 今年の夏はこのアルバムは聴き倒しましたね。

Vampire Weekend - Harmony Hall (Official Video)


6位 The Divine Comedy - Queuejumper
この人、もうかなりのベテランなのに、自分は今までどうして聴かなかったんだろう、と後悔したほどにツボなんです、ディバイン・コメディ。粋なユーモアのセンスが最高。慌てて全アルバムを聴きました。ことごとく好みでした。

The Divine Comedy - Queuejumper


5位 Twin Peaks - Dance Through It
名前が名前なので、検索するのが難しいバンド(笑)。バンド名はあのドラマが由来というわけじゃないらしいですね(シカゴにあるチェーン飲食店からとったとか)。この曲は不穏に繰り返されるベースリフと印象的なサビのコーラスにハマりました。あと、シュールなPVもよかったなー。

Twin Peaks - "Dance Through It" [Official Music Video]


4位 Sudan Archives - Confessions
この人も若干23歳にして注目を浴びるバイオリニスト&シンガーソングライター。様々な先鋭的な要素がクロスオーバーしながらも、優美な印象があって、若いのに大物感がすごい。PV見たらド迫力なお姉ちゃんで、またびっくり(笑)。

Sudan Archives - Confessions


3位 Whitney - Day & Night
これも、検索しょうとするとヒューストンの方ばっかり引っかかっちゃうシカゴのフォークデュオ。この曲が収録された「Forever Turned Around」は、今年一番聴いたアルバム。本当に全曲良くって、今回もどの曲を選ぼうか迷ったくらい。まぁ、みんな同じような曲とも言えるんですが……(笑)。

Whitney - Day & Night


2位 Temples - You're Either On Something
サウンドもルックスも2019年のバンドとは到底思えないUKのサイケデリックバンド。この酩酊感あふれる、ねっとりとしたポップセンスが好きなんですよね。特にこの曲はズブズブと沈み込んでしまうような魅力があります。

Temples - You're Either On Something


1位 The Drums - Body Chemistry
遂にジョニー・ピアースのソロプロジェクトになってしまったThe Drums。「Let's Go Surfing」の頃のバタバタしたチープさは後退して、メロディーの良さが前に出てきたこのサウンドを聴く限り、結果的にはよかったんじゃないかなと思います。印象的にループするベースリフが基本になってる曲作りは変わってないし。今年、一番頭の中で鳴ってたのがこの曲でした。

The Drums - "Body Chemistry"

20位以下はこんな感じ。もう全部好き。今年はベスト20にしようかと思ったくらいです。
Metronomy - Insecurity
Aldous Harding - The Barrel
GULI - Ansia (ft. Juan Ingaramo)
Billie Eilish - bad guy
Soak - Life Trainee
Sault - Over
HAIM - Now I'm In It
Caleb Hawley - Limited World feat
Oliver Tree - Miracle Man
Arosa - Stellar Smile

Spotifyでベスト20のリスト作りましたので、聴いてみて下さい。


Rex Orange Countyのとこでも書きましたけど、今年は新曲は若いシンガーソングライターとか若いバンドの曲ばっかり聴いてましたね。特に意識してなかったんだけど、気がついたら若い子の曲ばっかり気に入ってた。あとベースラインが印象的な曲が多いかなぁ。まぁ、こんなエントリー書くくらいですから、ベースラインは気になるんですよ。
rioysd.hateblo.jp


ベスト20としては、2019年発売の曲に限定してセレクトしたんですが、実際にはノーザン・ソウルとブラジリアン・ポスト・ロックに開眼した年でもありました。
ノーザン・ソウルは、もちろん映画「ノーザン・ソウル」を見た影響ですね。というか、おれの好きなソウルってノーザン・ソウルって言うのかと初めて気づいたというか(笑)。

Shirley Ellis Soul Time
今年の前半は「ノーザン・ソウル・ディスクガイド」片手に、片っ端からノーザン・ソウルの名曲を聴いてましたね。かなりのレア盤でもだいたいYou Tubeに上がってたのはありがたかったです。

そして今年の後半は、ブラジルのロックばかり聴いてました。マリーザ・モンチは好きでしたけど、ブラジルの音楽には特に興味はなかったんですよ。でも、なんかのきっかけで聴いたLeonardo Marquesのニューアルバム「Early Bird」がすごくよくて、そこからその周辺を掘っていきました。

Leonardo Marques - I've Been Waiting

そうしたら、想像していた「ブラジルのロック」と全然違う世界があったんですよね。オルタナっぽかったり、渋谷系っぽかったり。そしてみんな歌が上手い! 

実はここ数年、なぜか日本語の歌詞の曲を聴きたくないという気分になっていて、そこにポルトガル語の響きがモロにハマったんです。最近、韓国とか台湾とかの音楽をよく聴いてるというのも、そこがあったのかもしれない。もはや英語すら聴きたくないという(笑)。

体系的にきちんとブラジルの音楽を聴いているわけではないので、かなり偏ってるんですが、特に好きなのはTransmissorと、Pato Fu(ボーカルのフェルナンダ・タカイのソロも)と、Kassinです。この辺の話はまた後ほど書きたいですね。

Transmissor "Eu & você" Video Oficial

Pato Fu - Made in Japan (Best Quality)

Kassin - Calça de Ginástica

というわけで、実際に今年よく聴いていた曲のプレイリストも貼っておきます。全230曲(笑)。こちらはGoogle Play Musicです。
play.google.com


この辺の曲中心にビデオマガジン的に楽しめるプレイリストも作りました。BGV的にどうぞ。
www.youtube.com


いやー、サブスク時代、最高だなー。

EvernoteとA5リングノートを使った名刺管理

この記事は「書き手と編み手の Advent Calendar 2019」に参加しています。
adventar.org

 19歳で編集者の仕事を始めてから30年以上もの間、名刺の整理はどうすればいいのか、ずっと試行錯誤してきたわけです。デジタルで管理するようになってからも、どのソフトを使えばいいのか、どのサービスを使えばいいのか、悩み続けてきました。

 で、ここ2年ほどで落ち着いているのが、EvernoteとA5サイズのリングノートを併用するというスタイルです。
 名刺管理のソフトとかサービスも死ぬほどあるわけですが、結局Evernoteで一括管理しちゃうのがベストでした。

 名刺をもらったら、スマホEvernoteのアプリのカメラで撮影。たいていの場合は、自動的に名刺だと認識してくれるし、変わったデザインの名刺などで画像と認識された場合は「名刺」だと指定すれば、ちゃんと名刺のフォーマットで入力されます。

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スマホEvernoteのカメラ機能で撮影したところ。住所の認識が結構間違ってる。

 あとはタイトルに「201215 安田理央」ともらった日付と名前を入れて、「取材先」「出版社・ネット関係」などのざっくりとしたタグをつけるくらいです。
 住所なんかの漢字はOCRの認識が間違ってることが多いんですが、必要な時は名刺の画像の方を見ればいいのでそのまんまにしてあります。

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PCで見たEvernote。しかしWindows版クライアントがすぐフリーズするのはそういう仕様なのか? いつまでたっても直らない。21世紀の人類の叡智では安定したEvernoteクライアントは作ることはできないのか?

 これとは別にEvernoteで日誌(何をして、何を買って、何を食べて、誰と会ったなどを記したメモ。日記ではないので、感想とかは書いていない)をつけているので、日付さえ分かれば、何の用事で会ったどんな人かは調べられます。
 とにかく手間をかけないというのが名刺管理を続けられるコツですね。

 んで、スキャンした後の名刺をどうすればいいのかというのも、結構悩みだったんですよ。捨てちゃう勇気はないし、まとめてハコに入れておくのもあんまり意味がないような気がして。

 で、数年前からやってるのが、ノートに貼っちゃうこと。スケジュール管理などはGoogleカレンダーを使ったりしてスマホに任せてるんですが、取材メモとかToDoを書き出したりとかでノートも併用してるんですね。
 そしてこのノートに何でも貼っちゃってるんですよ。見た映画の半券とか紙焼きの写真とか、スクラップ的に。んで、一番たくさん貼られてるのが名刺なわけです。
 基本的に時系列で貼られるから、検索性も高いんですよね。スマホEvernote検索するよりも、パッと出てくる。

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何でも貼る。店のチラシとか映画の半券とか食券とか。

 ノートは半年に一冊くらいのペースで使い終わるので、それより前の名刺を見たい時はEvernoteに頼るということで。

 テープのりかマスキングテープで貼ります。色々貼っていくとノートも分厚くなっていくんですが、リングノートだと多少厚くなっても大丈夫です。僕の愛用しているRollbahnだと、ベルトがついているので、ちゃんと閉じられるし。
 なんなら、どうでもいいようないらないメモのページは切り取って捨てちゃってもいい。心配なら念の為にスマホで撮影しておけばいい。
 まぁ、名刺なんかを貼ると、どんどん重くなっていくのだけはどうしようもないんですけどね。使い終わる頃には倍以上の重さになってる(笑)。

 しかし、こうやって名刺管理してると、データ要素を裏表に分けてたり、変なサイズにしたり、OCRで認識できない凝ったデザインとかフォントとかの名刺を憎むようになりますね(笑)。そんなとこで個性主張しなくていいよ!って思っちゃう。

安田理央が選ぶ、史上最高のベース・ライン10選

「『NME』が選ぶ、史上最高のベース・ライン10選」という企画がありまして、まあ、こういう企画の常で「えー、それはおれは納得いかねぇ!」とか思うわけですよ。どんなセレクトであろうと、誰もが納得するわけがないんですけどね(笑)。

web.smartnews.com

 

特に1位に選ばれてるピクシーズの「Debaser」に関しては、「その路線だったらネッズの『Kill Your Television』の方がかっこいいだろう!」なんて言ってたわけです。そうなると、つい自分でも10曲選びたくなるじゃないですか。

で、選んでみました。ベースラインが死ぬほどかっこいい(と、あくまで個人的に思ってる)10曲です!

 

10位 Do The Du/A Certain Ratio

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コールドファンク最高! というわけで、こんな体温低そうに淡々とシンプルなフレーズ弾いてるのに、なんでこんなにかっこいいんだろう。

 

 9位 Stand Uq/Modern Romance

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 ファンカラティーナ最高! チャラさ満点のいかがわしさが魅力のモダンロマンスですが、この曲は超ヘヴィなファンクでしびれます。おれの考える理想のファンクのひとつの形だなー。

 

8位 That Old Black Magic/James White And The Blacks

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 生涯フェイバリットアーチストの一人、ジェイムス・チャンス(ホワイト)。このアルバムを一番最初に聴いたせいもあるけど、コントーションズよりもブラックスの方が好きなんですよね、いかがわしくて。ええ、いかがわしいのが好きなんです。

 

7位 無防備都市/ムーンライダーズ

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 そんなに熱心なライダーズファンじゃないんだけど、「カメラ=万年筆」「マニアマニエラ」「青空百景」の三枚は死ぬほど好き。そしてこの曲の博文さんのベース、超かっこよくて悶絶した。

 

6位 The Less I Know The Better/Tame Impala

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 今回選んだ中で一番新しい曲。サイケデリックな酩酊感が素晴らしくて、うっとりしちゃいますねぇ。PVもエロくて最高。

 

5位 Kill Your Television/Ned's Atomic Dustbin

www.youtube.com

この企画やろうと思ったきっかけの曲なのに5位になっちゃった(笑)。でも、本当にこの曲のベースはかっこいい。パンク系のベースラインでは一番かっこいいと思う。ベース2人いる必要があんまり感じられないところも最高。

 

4位 Mongoloid/DEVO

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中学生(小学校かも)の時に「すすめ‼!パイレーツ」にDEVOが出てきて興味を持ったのが、もしかすると自分のパンク的なものに触れた最初の出来事だったかもしれない。え、こんな曲アリなの?! って衝撃受けました。この超早いライブバージョン最高。

 

3位 Take Me To The River/Talking Heads

www.youtube.com

「NME」でも3位にヘッズの「サイコキラー」が入ってて、まぁ、もちろんあっちのベースラインも最高なんですけど、こっちも超最高。おれ、一番好きなベーシスト、ティナ・ウェイマスかもしれないなー。特にこの頃の。

 

2位 Gronlandic edit/Of Montreal

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米アセンズのエレファント6在籍バンドとして、デビュー当時のふにゃふにゃインディーポップの印象をまだ持たれたりしてるんだけど、実は途中からギラギラしたグラム路線になってて、もういかがわしさ爆発。来日公演も下品でよかったなー。そしてこの曲、DJやる時にもよく使うんだけど、必ずといっていいほど「これ何?」って聴かれる。ファンキーさ、いかがわしさ、わけのわからなさというおれの好きな要素を全部突っ込んでる理想の一曲。

 

1位 coco/EP-4

www.youtube.com

日本を代表するコールドファンクナンバー。ファンクというリズムを意識したのも、ベースというもののかっこよさを意識しはじめたのも、この曲がきっかけだったかもしれない。今でも自分の中のファンクの基準はこの曲のこのリズム。なので、いろいろと間違っている気がする。

 

というわけで、ニューウェーブファンクばっかりの相当偏った10曲ですね。PILとかポップグループとかギャング・オブ・フォーも入れたかった。つまり、おれにとって、ニューウェーブってベースがかっこいい曲ってことなのかな。

 

追記

この10曲をプレイリストにまとめましたので、ぜひ一気に聴いたり踊ったりして、そのかっこよさにシビレまくって下さいませ。

安田理央が選ぶ、史上最高のベースライン10選 - YouTube

レンタルボックス型ワーキングスペース「テレキューブ」を使ってみた

いちおう一人で使ってる仕事場があるんですが、時々喫茶店などに行って、頭の中を整理したりします。環境を変えた方が落ち着いて色々考えられたりするからです。

先日、西武線高田馬場駅の構内にこんなものが出現しました。簡易シャワールームというか、一人用カラオケブースというか、まぁ、そんな感じのボックスです。「テレキューブ」というレンタルボックス型ワーキングスペースのようです。
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telecube.jp

「へー」と興味を持ったのですが、どうやらネットで会員登録しないと使えないようです。なんだか気になって、さっそくスマホで登録して使ってみることにしました。昔から押入れとか、こういう密室好きなんですよ!

料金は15分250円。法人会員だと固定料金プランもあるようですが、個人だとこの料金のみで、長時間使っても割引とかは無いようです。
とりあえず30分使ってみましょうか。500円に消費税プラスで550円。
ネットで予約も出来ますが、空いていればその場でQRコードを読ませることで利用開始できます。

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スマホで手続きすると解錠されて、ドアが開きます。中には白いテーブルとソファ型のチェアがあるだけ。一人でもゆったり、とはいい難い広さですが、狭い空間好きな自分としては結構好みな感じ(笑)。
テーブルの前には電源コンセント2つと充電用のUSBポート。テーブルの下にエアコンのコントロールパネル。以上。あれ、ネットとか無いんだ……。

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ま、とりあえずノートと資料を広げて、抱えている仕事の整理を始めます。もちろん飲み物のサービスとかは無いので、事前に近くのコンビニでペットボトルの麦茶を買ってきてあります。ちなみに食事、飲酒、喫煙は禁止だそうですよ。ここでこっそり飲むのとか、楽しそうだと思ったんだけど、ちぇっ。

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「防音設計」「防視設計」となってますが、物音は結構聞こえるし、ドアは摺りガラスなので、外で何かが動いてるのとかはうっすら見えたりしますね。何しろ駅構内だからなぁ。でも、まぁ、それほど気にならないレベルではありますし、イヤホンつけて音楽でも聴いてれば集中できるでしょう。

ちまちま仕事をしたり、ボーッとしたりしてたら、突然「5分前になりました」と女性の声でアナウンスが流れてびっくりしました。ピンサロかよ(笑)。さらにその5分後に「ご利用ありがとうございました」のアナウンス。

正直な感想としては、うーん、これはちょっと割高だなぁ。自分としては喫茶店の方が落ち着いて考えごとが出来るし、個室のブースで仕事をしたいというならネットカフェの方がずいぶん安い。僕がいつも使っている高田馬場のネットカフェなら税込で30分220円で、飲み物飲み放題、ネット使い放題、そして漫画や雑誌も読み放題。ま、その分、仕事に集中できないというデメリットはありますが……。

そう考えると、「テレキューブ」、あんまりメリットが思いつかない。30分とか一時間とかじゃなくて、15分ちょっと一人になりたい、とか、大事な電話をしたい、という時には使えるかもしれませんが。せめてネット回線は使えて欲しいところだなぁ。

でも、この狭い密室感は、割と好きなんですよね。特に意味無しに、ここに入りたくなる時があるかもしれませんね。

公開講座「安田理央のよくわかる日本アダルトメディア史」開催!

 2006年の『エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること(雨宮まみと共著  翔泳社)くらいから、アダルトメディアの歴史について書く仕事を意識的に増やしていき、アダルトメディア研究家と名乗るようになりました。
 先日発売した『日本エロ本大全』太田出版)などは、エロ本研究の集大成というべきものです。また、昨年発売した『AV女優、のち』(角川新書)も引退したAV女優のその後についてのインタビュー集ですが、同時にAVの歴史も追えるような構成になっています。
 その他、雑誌などでも様々なアダルトメディアの歴史についての記事や特集を書いたり、テレビやラジオなどの番組でもそうしたことを語ったりして来ました。

 でも、アダルトメディアというのは、実はそれぞれのジャンルが密接にからみあって発展してきたのですね。例えば、黎明期のAVを作りあげたのは、成人映画のスタッフ、そしてそれまでビニ本を作っていた人たちだったりしますし、AVの進化とともにエロ本も盛り上がっていきました。また風俗もエロ本やAVと相互影響しながら発展していきました。さらに00年代以降は、ネットもまたその流れに関わっていきました。
 というように、アダルトメディアを語る時に、ひとつのジャンルだけを取り上げても、あまり意味がないように思えるのです。
 あらゆるジャンルのアダルトメディアを一括して歴史の流れを語ってみたい。ずっとそう考えていました。
 今回、トークイベントである「大人の学校」の場をお借りして、それを実践してみようということになりました。

 戦後のカストリ雑誌からスタートし、現在に至るまでの70年以上の歴史を3時間に渡って時系列で解説する講義となります。
 アダルトメディア関連の仕事をしている人でも、その歴史については意外に知らないということが多いようで、そういう話をすると興味津々に聞いてくれるのです。
 ぜひ、AV関係、出版関係の人にも受講していただきたいなと考えております。


 当日は、『日本エロ本大全』などの著作の販売(イベント直販のみの特製カバー付き!)もありますし、講義終了後は懇談会もあります。
 基本的には大真面目に語るつもりではありますが、まぁ、テーマがテーマなので、緩い感じのトークになるとは思いますので、気楽に遊びに来て下さい。

■■「大人の学校」第7回公開講座安田理央のよくわかる日本アダルトメディア史」講師・安田理央(アダルトメディア研究家)■■


■日時:2019年9月28日(土) 開場:午後1時30分 開演:午後2時

■場所:東京・新宿「Live Wire HIGH VOLTAGE CAFE」
Cafe Live Wire 新宿 2  東京都新宿区新宿5丁目12-1 新宿氷業ビル3F(1F割烹「いちりん」右階段上がる
http://go-livewire.com/

■参加費:入場料:前売り2000円+ドリンク代(1ドリンクOR 1フード600円)・当日2500円+ドリンク代(1ドリンク OR 1フード600円)

※本公開講座後は、同会場で出演者を囲み、懇親会を開催させていただきます(開催時間は2時間ほど)。料金は3500円(フリードリンク+フリーフード)になります。懇親会参加者には、入場時にウェルカムの1ドリンクをプレゼント。入場料以外に別途1ドリンク代は不要になります。懇親会に参加されない方は、当日受付時に別途1ドリンク代OR 1フード代600円が必要となります。(2ドリンクOR 1ドリンク+1フード購入の場合は200円引きの1000円とお得です)

お申し込みはこちらから。
school4adult.jugem.jp

「帰ってきたブラックパックナイト」やります!

 2014年の8月に高円寺パンディットで僕が行った「ブラックパックナイト」が5年ぶりに帰ってきます! 
 ブラックパックとは80年代半ばに、一部で話題を呼んだ無審査AVで、その名の通り黒い紙の箱に包まれた怪しげなビデオです。その内容は極めて過激。いや、過激というより意味不明。方向を間違えてるとしか思えない変態プレイの数々。わずか2年で姿を消したブラックパックはAVの歴史の中でも語られることのない、いわば黒歴史です。

詳しくはこちらを御覧ください
rioysd.hateblo.jp

ところが最近になって、こんなイベントがあったことを知ったマニアの人から連絡があり、一緒に第二回をやることになってしまったのです(笑)。
 そのマニアの人はryoさんといい、ブラックパックを始めとして、SMやスカトロなどのマニアックなAVを大量にコレクションしておりまして、その膨大な量には僕も驚かされました。

そんなわけで、今回はryoさんのコレクションを中心に上映いたします。黎明期のAVや裏ビデオなんかは、結構ネット配信で見ることができるのですが、このブラックパックというものは、ほとんど目にする機会はないと思いますし、VHSの中古でも出まわることは、まず無いですね。そういう意味では、かなり貴重な映像です。そして、今回のセレクトはryoさんの嗜好を反映しまして、かなりハード! 繊細な神経の方は、遠慮していただいた方がいいかもしれません(笑)。

アシスタントとして当日はブラックパック当時はまだ生まれてなかった、八ッ橋さい子さんも出演してもらうんだけど、さい子さん、大丈夫かなー。

だいたいこんな感じの作品を上映します。
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というわけで、覚悟を決めていらして下さい!

あ、当日は特製カレーも販売します。ぜひカレーを食べつつご覧下さい!(笑)

〜AV史から封印された幻のインディーズビデオ〜「帰ってきたブラックパックナイト」<18禁!!>8月27日(火) 高円寺パンディット 
【出演】・安田理央(ライター、アダルトメディア研究家)・ryo(SM、スカトロ系AVコレクター)
【ゲスト:聞き役】・八ツ橋さい子(AV女優、ブラックパック初心者)
開場19:00 開演19:30 前売¥2000(飲食代別)当日¥2500(飲食代別)


イベント詳細はこちら
pundit.jp

歴代エロ本総選挙 結果発表!

『日本エロ本全史』を出したということもあって、ネットで「歴代エロ本総選挙」なんてものを実施してみました。といっても、TwitterFacebookで個人的に投票を呼びかけただけなんですが、100人以上の人が投票してくれました。

では、第一回歴代エロ本総選挙第一位は、11票を獲得した
『バチェラー』
(大亜出版/ダイアプレス
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もう初っ端から圧倒的に独走という感じ。やはり巨乳冬の時代から、ひたすら巨乳にこだわってきた故の読者の思い入れの強さでしょうか。今年で創刊42周年というエロ本としては最長の歴史を持つ偉大な雑誌です! 



続いて第二位は、8票獲得した
『ウレッコ』
ミリオン出版
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持って歩いても恥ずかしくない日本で一番オシャレなエロ本と呼ばれた雑誌です。そのアートワークの素晴らしさといい、一色ページの隅々にまで気の配られた丁寧な編集といい、エロ本の鏡ともいうべき存在です。



第三位は、7票獲得した
デラべっぴん
英知出版
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「べっぴん、すっぴん、デラべっぴん」なんて歌もあったほどにメジャーな雑誌。ある意味で、誰もが考える典型的なエロ本だったのではないでしょうか。華麗な巻頭グラビア、過激かつアイディアにあふれる企画グラビア、そして読み応えのある記事が満載の一色ページ。これぞエロ本! 


四位以下はこんな感じになってます。

四位(6票)『スーパー写真塾』『ビデオボーイ』
五位(5票)『アップル通信』『写真時代』『投稿ニャン2倶楽部Z』『ビデオ・ザ・ワールド』
六位(4票)『映画の友』『トップテンメイト』
七位(3票)『オレンジ通信』『クリーム』『Don't』『ベストビデオ』

2票獲得
『GORO』『写楽』『ストリートシュガー』『投稿ニャン2倶楽部』『ビデオメイトDX』『Billy』『Peke』『YO!』『ロリポップ

1票獲得
アップル写真館』『ウィークエンドスーパー』『エロトピア』『CARトップ』『ガキんちょkiss』『ぎゃるーる』『コミックアイラ』『ザ・ベストマガジンオリジナル』『すっぴん』『ズームアップ』『千人斬り』『ちぃちゃん』『チョベリグ』『投稿写真』『TOPAZ』『ナオン』『ナンパの鉄人』『No.1ギャル情報』『熱烈投稿』『Vコミック』『プチトマト』『ヘイバディー』『平凡パンチ』『ベストDVDスーパーライブ』『別冊映画の友』『ベッピンスクール』『ポケットパンチ』『ボディプレス』『マスカットノート』『マドンナメイト写真集』『マニア倶楽部』『漫画ホットミルク』『メガストア』『桃クリーム』『ラッキークレープ』『レモンピープル

と、まぁ、こんな結果になりました。『バチェラー』一位、『ウレッコ』二位、『デラべっぴん』三位というトップ3は、なんとなく納得できるところなんですが、「え、あれがあれより上?」「あれ入らないのか!」など意外に思うところも多々ありまして、これ、面白いので、もっと大々的にキチンとやってみたいなーという気持ちになりましたね。


「バチェラー。こっそり買いに行った。学生だったが。ファミ通と一緒にこっそり買った」

「巨乳好きなので、『TOPTEN-MATE』でした。コンビニ売りだったので、購入しやすいのも嬉しいポイントでした」

「好きなエロ本は1つに決められないのだが、一番衝撃を受けたのは『Billy』かな。こんなの出して良いのか、こんな嗜好があるのかとびっくりしたわ。大学生の頃だな」
ロリポップ。今だに覚えてる方々がいる事に驚いた。商業誌と同人誌の間みたいなコンセプトも功奏したか、編集、マンガ家、読者の一体感が、これほどある雑誌はもう出ないだろう。ファン合宿なんてやってたね」

「アップル通信。あまり直接的ではない表紙とタイトルが逆にそそる気がする」

「TOPAZ。デザインもかっこよかったし、サブカル欄がえらい充実していた。90年代だな~という感じだけど」

デラべっぴんですね。編集者が楽しく作っていそうで、出版とか編集執筆という仕事に興味を持ったきっかけをくれた本でもあります」

デラべっぴんかな。500円だったし、コンビニで買えた。高校時代は回し読みしてて、誰が乱雑に扱ったか犯人探しが面白かった。同級生のマニアふじもんが屋根裏に隠してて、重みで天井がたわんで問題になった事件あったな」

と、コメントも、みんな熱くて楽しいですなぁ。
ある範囲の年齢の男性にとって、やっぱりエロ本の存在って大きいんですよ。


というわけで、ぜひ「日本エロ本全史」も(笑)。エロ本を読んで育った人には、絶対に楽しめると思いますよ!

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