ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

30年来の夢〜弁天ゆりを手にする日(中編)

 さてさて、保健第四試合は、ある意味で最も衝撃的といえる耐下痢テストです。いかに下痢に耐えられるかという対戦。豪ちゃん完全に常軌を逸してますね(笑)。イヤハヤ派からは五年間便秘しているという美少女、分津マリイ選手。対するハテサテ派は、重来薫選手。なんと、あの「オモライ君」(72年 少年マガジン連載)ですよ! この二人が、まず挑戦するのは「サルモネラ菌およびブドウ状球菌をかためたゼリー」「赤痢菌をふりかけたスモークサーモン」「工場廃液にくさった牛乳をまぜてひやしこんだコールドスープ」「腸チフス・パラチフス菌を注射したビフテキ コレラ菌ソースがけ」「ウナギとウメボシのたべあわせコンビをうかしたヒマシ油」というフルコース。下痢するどころか、死にますけどね、これ(笑)。しかし5年の歳月に固まった分津選手の便秘便は鉄壁。もちろんオモライ君には、何の問題もなく、勝負は浣腸勝負へと突入するのであります。
 浣腸勝負ですよ、浣腸勝負。少年漫画誌で。しかも分津選手の肛門は鉄壁の便秘便で塞がれていて浣腸が入らないので電気ドリルで穴を開けるというシーンまであります。んで、イチジク浣腸、トマト浣腸、メロン浣腸、カボチャ浣腸、そしてゾウすら下痢する世界最大スイカ浣腸と進んでいきます。女子中学生(中学生には見えませんが…)が、全校生徒と父兄の見守るなかで浣腸ですよ。狂ってます。ま、分津選手はスカートとパンティに穴を開けて、ごく一部しか露出しないという策をとっていますので、そのシーンのエロ度は極めて低いのですが、このシーンがトラウマになって以後、スカトロの道に目覚めてしまった人も多いらしいんですね。ちなみに、この勝負は分津選手の5年分の便が一気に噴出し、試合会場となっていた体育館がウンコに埋もれてしまうという衝撃のエンディングを迎えます。スラップスティックな展開ではありますが、ま、女子中学生が公開浣腸、強制排便をさせられたシーンを堂々描いたということには変わりないでしょう(笑)。恐るべし、当時の少年マガジン…。
 続いて保健第五試合は頑健度テスト。いかに丈夫な体を持っているかを競う試合でありまして、これはモロに拷問オンパレード。しかし、なぜかこの頑健度テストだけで第五試合もあることになってます。人気があったから保健試合を続行させることになったんでしょうね。頑健度テスト第一試合は、石抱きテスト。これはイヤハヤ、ハテサテ共に男性選手なんで飛ばします(笑)。ちなみに頑健度テストは抽選で選手が選ばれ、イヤハヤ派は小屋椰子先生が出場してました。ま、ここはどうでもいいですね。
 さぁ、頑健度テスト第二試合です。いよいよ本題であります。これが僕の最大のエロトラウマとなりました八つざきテストなのです。八つざきといえば、拷問ではなく処刑ですね。馬や牛に手足をひっぱらせて体をひき裂いてしまうというアレ。しかし、この試合ではイヤハヤ十人衆から弁天ゆり、そしてポルノエマニエル学園より留学中だったテレヤ・シェイの二人の美少女が選手として選ばれます。勝負は八つざきにされる以前に、全裸で大の字にされるか否かというところがポイントとなるわけです。冷東選手の時同様に両選手が衣服を脱ぐシーンから色気がこぼれまくっております。そういえば冷凍選手は、全裸で両手をあげさせられましたが、以降の試合ではそうしたチェックシーンはありませんね。これは耐熱テストで神薔薇選手がアッパカパーとおっぴろげた際に観客から「さいしょからあけっぴろげより かえってイロッペーよー」と声がかかっていますが、正にそういうことだと豪ちゃんが認識したのでしょう。いや、もう、大正解!
 第一ラウンドは犬(セントバーナード)、第二ラウンドは馬と鎖をつけた四肢を動物にひっぱらせます。しかし二人とも耐え抜きます。テレヤ選手はオッパイを見せてしまったものの、股間は死守。弁天選手は胸すら守りきってます。普通、馬でひっぱられれば人間はバラバラになってしまうものですが、小屋椰子先生の解説によれば「これは、やはり、見せたくないわ! 見せたくないわ! あたしのきよいからだを見せるのは…わたしの愛するあの人だけ〜っ という乙女心の一念でございましょうな」とのこと。そう、少年エッチ漫画においてはアソコを見られるというのは何よりも究極の羞恥なのです。
 衆人環視の中で大の字になってはたまらないと必死に耐える両選手。汗まみれになって喘ぐその姿、表情はセックス時のそれそのものです。いや、冷東選手、神薔薇選手の闘っていた時の表情も同じです。豪ちゃんは、セックスの概念すら描けない当時の少年誌で*1、セックスと同等、いやそれ以上の性描写を描きだしていたのです*2
 馬の次は、牛、しかもバッファローです(笑)。さすがのテレヤ選手もバッファローの力にはかなわず(あたり前だ!)、無残にも大の字にされてしまいます。脚を拡げられるシーンでは、空白になっている股間の部分に「バッ」の文字。目に焼きつきました。この文章を書くために読み返してみて、また勃起しちゃいましたよ(笑)。それまで、ひっぱりにひっぱったあげくの、おっぴろげシーンなのですが、拡げた後の描写は意外に淡白。「あ、なーる。カミが金髪だと…も…ですなー」とイボ痔らがヨダレを垂らす程度で、すぐに、まだ胸すら死守している弁天選手の方へと視点は移ってしまいます。ああ、ここはもっとテレヤ選手を見せて欲しいっ、辱めて欲しいっ、と思うのですが、そこはさすが豪ちゃん。テレヤ選手には、この後、さらなる羞恥責めが待っていたのでありました。
 さてバッファローの力の前には、弁天選手も陥落寸前。オッパイが晒され、そして足が下がっていきます。ところが、ここでイヤハヤ十人衆が持つ特殊能力が発動。肌が赤くなると浮き出てくるというおなかのイレズミから四人の生き弁天が飛び出し、弁天選手に加勢したのです。弁天選手は見事、バッファロー八つざきを切り抜けました。
 そしてここからイボ痔、小屋椰子コンビによりテレヤ選手への羞恥攻めが本格化します。まずはイボ痔、
「テレヤ選手はあのとおりのザマですが。オッピロゲというか、さらすだけさらしたといいましょうか。もっともー…当人は、もっとさらすつもりでおりますが!」
その言葉聞いて「ウェ〜ン」と泣くテレヤ選手が可愛い。小屋椰子がさらに追い討ち
「留学の恥はかきすてじゃー。バッ」
「あたし、これ以上さらすのはどうやったらいいかしら? グイッ!」

と足を広げるポーズ。「イヤ〜ッ、ワ〜ン」と突っ伏して泣き崩れるテレヤ選手。いやぁ、萌えるなぁ(笑)。でも、もっといじめちゃうんですよ。
 最終ラウンドはゾウネコ。体にマタタビをふりかけて子猫になめさせ象でひっぱるという強力タッグ(笑)。さぁ、象と聞いてヤケクソになったテレヤ選手。「なんだってんだー。八つざきでも九つざきでもヤッタレヤー」と開き直って体を隠そうとしません。インタビューしようと近くにやってきたイボ痔にも、ふてくされて顔を背けます。
「さいしょのころのはずかしがりぶりからは、そうぞうできないような…かなりのひらきなおりっぷりでございます」
すると、開いたテレヤ選手の脚の間をのぞきこむようにして小屋椰子、
「ウ〜ム たしかにかなりのひらきっぷりだ」モロに覗かれて顔を赤らめるテレヤ選手。
「やっぱり一ど 見せちゃったものは しょうがない。何度でも見せてやれという心境ですか? ドンドン赤っ恥かいてやるわという…?」
「ウ〜ム たしかに赤っぱじという感じではある」
「ホー。どれどれ」「ねっ ウッ ウグッ」「ン〜」
全裸の金髪美女の股間を覗き込んで、ヨダレたらしてこのセリフですよ。うわっ、すげえ羞恥責め。このシーンだけで、何百回オナニーしたことか! ヤケになったはずのテレヤ選手も思わず体を隠します。
「どうやらテレヤ選手、ふたたびはずかしくなってきたもようです」
「イッヒッヒッ またくるしむのじゃ」
と去っていくイボ痔&小屋椰子。そう、恥じらいを忘れた女はつまらない。豪ちゃんは、ちゃ〜んとわかっているのです! 恥じらう姿ころがエロなのだと。思えば、神薔薇選手の時も、颯爽とした男装の麗人として登場させておいて、途中で乙女心を呼びさまさせて羞恥に燃えさせる、その過程が素晴らしいわけですよ!
 そして何よりも素晴らしいのがですね、イボ痔&小屋椰子コンビのセリフの数々なのですね。ちょっと引用の範囲をこえてないですかという気がしつつも、セリフを大量に書き写したのも、このエロオヤジセンス丸出しの彼らのセリフこそが、「イヤ南」の魅力だと思っているからです。いやね、このエロオヤジの視点というのが、少年エッチ漫画には最も重要だとワタクシは考えておるのです。「あばしり一家」では五ヱ門と駄ヱ門(パパ)、「けっこう仮面」では学園長がその役割を演じてくれてます。こうしたキャラが光っているかどうかでエッチ漫画の魅力が左右されるのですよ!
 ああっ、またこんなに長くなってしまった。しかも弁天ゆりちゃんについて語ろうと思ったのにテレヤ選手についてばかり書いちゃったよ。おれ、「イヤハヤ南友」についてだと、つい熱くなっちゃうんだよな。すいません、まだこの項続きます。

※写真は、個人的に撮った八つざきテスト実写版。仕事の撮影の合間に、よくこういうの撮ったりしてるんです(笑)。

*1:レフェリーが迫ってきたと感違いしたテレヤ選手が「ノーッ ゆるされてー。少年マガジンよ そればかりはいけないわ! 日本そこまですすんでないことよ!」と叫ぶシーンがある。

*2: 余談ですが、当時「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」が、山上たつひこがきデカ」と共に「イヤハヤ南友」の女性描写に抗議を起こしています。確か特に八つざきテストのシーンを俎上にあげていたはず。いや、ま、確かに問題っちゃ問題のある作品ですけどね、色々と(笑)。ちなみにこの団体、「わたし作る人、ボク食べる人」というラーメンのCMも男女差別だと抗議してましたね。

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