ダリブロ 安田理央Blog

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約束の地2 AVアイドルのサイン会に行く(02年10月)

 AVアイドルのサイン会。いつもはモニター画面や誌面でしか見ることの出来ないあの子をナマで見ることができる貴重なチャンス。そういう意味では普通のアイドルのサイン会と同じなのだが、これがAVアイドルとなると、どういう客層なのか、ちょっと想像がつかない。いわゆるアイドルオタク系と近いのか、それとも、もっと年齢層が高いのか低いのか。
 調べてみると、AVアイドルのサイン会というのは全国で行われている。文字通り北は北海道から南は沖縄まで。こっちの世界も地道な営業が大事なのだなぁ。
特にソフトオンデマンドと専属契約した天野こころはすごい。本当に北海道から沖縄まで、全国縦断25ヶ所。
 というわけで、川崎で行われた彼女のサイン会へ行ってみた。会場は川崎駅からバスで10分ほどのショッピングセンターの中のビデオショップ。日曜日の午後7時、こんな場所にまでやってくる天野こころファンとは…?
 ショップはまぁまぁの規模だが、会場になるらしいレジ周りは、書籍コーナーになっていて十畳程度の狭いスペース。男性が数人立ち読みなどしているが、彼らはサイン会の客らしい。
 開始時刻の7時になると、そうした客が三十人ほどになる。たいした人数ではないが、このスペースでは、これでも満員だ。
 やがて店員が本日のスケジュールを読み上げる。ちゃんと撮影タイムが2回あるらしい。そういえば、立派なカメラ一式を抱えた客もいる。いわゆるカメラ小僧というヤツか? 小僧といっても30代以上のようだが。集まった客の年齢層は20代と30代以上が半々といったところ。確かにオタクっぽい客も多いが、金髪にピアスだったり、さわやか系だったりと、今風の若者もかなり多い。
 やがて天野こころ登場。拍手は起きるがそれほど盛り上がってる感じはしない。天野こころがレジに入り、自分のビデオや写真集を買ってくれた人にサインして、握手していく。みんな無言でおとなしく行列。
 その後の撮影タイムも、「こっち視線下さーい」といった声はかかるものの、意外に静か。デジカメが多いせいか、シャッター音もあまりしないし。
 本人とツーショットでポラ写真を撮ってもらえるというサービスもあった。撮ってもらったそのポラ写真を、うれしそうな表情を浮かべて眺めていた青年が印象的だった。うれしいんだろうなぁ。彼にとっては彼女は本当にアイドルなんだろうなぁ。そういえば、天野こころの握手もアイドルの定番、両手握手だったっけ。実際、普通のアイドルのサイン会と全く変わらないようだった。このサイン会の中で、彼女がセクシャルなイメージを見せたのは、お色直しで着てきたヘソ出しミニスカのコスチュームくらい。それにしても、今どきのグラビアアイドルなら着る程度の露出度。何も知らなければ、AVアイドルのサイン会だとは気づかないかもしれない。
 しかし、物静かなファンたちと両手握手をしてニッコリと微笑む天野こころのすぐ横のモニターでは、彼女がザーメンまみれになっている最新作の映像が流れているのだ。シュールといえばシュールな光景である。

●「お宝ワイドショー」2002年12月号(コアマガジン)「約束の地」の第ニ回。そういえば昔、池袋のビデオショップで北原梨奈のサイン会の司会やったことがあったなぁ。なんで、僕にそんな仕事が回ってきたんだっけ?

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