ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「BACHELOR」(ダイアプレス)

 実はこの「バチェラー」、以前に「エロ本探訪」(「特選小説」2003年6月号掲載)でも取り上げていますね。この回は「CLUB RIO」にアップしていないので、再録しておきましょう。

 最近、外人モノのエロ本が目につくようになった。昔は舶来偏重の精神で、金髪ヌードがもてはやされたこともあったが、国産ヌードモデルのレベルがグッと上がった80年代以降は、外人モノの人気は衰退する一方。外人モノといえば、スカトロやザーメンなどのフェチ系よりも人気がなく、いわばかなりマニアックなジャンルとなっていた。
 しかし、ここ一年ばかりで外人モノのエロ本が急増しているようだ。前にもこのコーナーで紹介したガチンコハメ撮り本「千人斬り」も「千人斬りインターナショナル」なる別冊を出して好調の模様。
 外人モノのエロ本といえば、まず名前があがるのが巨乳専門誌「バチェラー」だろう。エロ雑誌も星の数ほどあるが、最も読者からリスペクトされている雑誌といえば、「バチェラー」ではないか。愛読しているエロ本の話になった時、巨乳フェチの人間が「バチェラー」について語る時の熱さは、ただ事ではない。それはもう宗教のようだ。
「巨乳好きって不遇の時代が長かったのよ。その頃、オレたちには『バチェラー』しか無かった。もう一緒に砲弾の下を潜り抜けた戦友、みたいな気分があるんだよね」
と、やはり熱く語ったのは、現在「バチェラー」のメインライターである工藤隆男。
「連載が決まった時は、まるで科学者が『ネイチャー』に論文が掲載されたみたいな気持ちだったよ」
 巨乳雑誌、外人モノ雑誌は他にもあるのだが、「バチュラー」だけが神聖視されるのは、そうした歴史と信頼があるからなのだろう。何しろ創刊は81年。20年以上の歴史を誇る老舗誌だ。
 金髪巨乳モデルのグラビアだけではなく、海外のイベントの情報や国内の巨乳風俗嬢情報、AV情報など、巨乳に関すること全てを網羅した誌面は圧巻。編集も実に丁寧で、一色ページの記事やコラムも充実している。愛が感じられる誌面作りなのだ。それは工藤氏のように、かつて「バチュラー」で育ったスタッフたちが制作に携わっているからなのかもしれない。
 ただ、「バチェラー」に対して熱い思いを持っているのは、古くからの読者ばかり。インターネットなどで簡単に海外の巨乳モデルの情報も入手できてしまう今、読者が雑誌にそこまでシンパシーを感じることは難しいだろう。
 そういう意味ではエロ雑誌に対しても、熱く語れるような時代を経験できた我々の世代は幸せなのだ。
ダイアプレス/月刊/780円)


 調べてみたら「バチェラー」の創刊は1977年でした。あれ、なんで間違えてたんだろう? ただ、創刊当時は芸能雑誌だったようです(表紙はガールズ! 新人アイドルとして香坂みゆき大場久美子岸本加代子が紹介されている)。4号目から外人専門ポルノ誌に変貌、少しずつ巨乳誌へとシフトしていったようです。以上のデータはたまたま手元にあった1996年12月号の20周年回顧記事から。この記事によると当初は巨乳という言葉は使われておらず、79年1月号では「巨大乳房」と書かれていたとか…。
 
 さて、現在の「バチェラー」ですが、パッと見た感じはあまり変わっていませんね。最新号の2006年7月号を見てみましょう。表紙はほとんど英語で、モデルも外人オンリー。海外のポルノ雑誌っぽいテイストは1978年以来キープしております。「NO.1 GLAMOUR MAGAZINE」のキャッチも健在です。日本のエロ雑誌で、30年間ここまでスタイルが変わっていない雑誌ってのは、珍しいですね。いや、30年続いているエロ雑誌なんてほとんどありませんが。
 中身の方も、いささか大味なレイアウトで、これまたイメージに変化なし。僕はガイジンさんは全く不勉強なもんで、モデルの移り変わりがわかってないということもありますが。と、いうか、巻頭グラビアがいきなり96年撮影の未公開写真でした。クロエ・ベブリエさん。「5月号の最新フォトと比べて10年の歳月を格別感じさせないのは…」なんて書いてありますね。まだ、この方、現役なのか! それにしても10年前の写真をいきなり巻頭に持ってくるあたり、この雑誌のマニア性をあらわしていますね。B122cmって、なんですかそれは。
 続いてはチェコの熟女系モデルのベロニカさんですか。これまたド迫力。B107cmですか。その次はロシアでのルポっぽい記事「パツキンハンターがイク!!」。あー、この辺でようやく僕の許容範囲の巨乳が出てきたよ。ガイジンは、いずれにせよダメなんですが。その後は「ヴィンテージ巨乳のライブラリー ALPHA BLUE ARCHIVESのすべて」と、昔(70年代後半〜80年代前半)の巨乳モデルさんがたくさん掲載されているサイトの紹介記事。回顧モードですねぇ。ベクトルは全然逆ですが、ロリコン誌も、昔を懐かしむ記事が多いですからね。過去を振り返るのが好きなのはマニアの特性なんですよね。
 モノクロページに入って、ようやく日本の巨乳さんだ。でも130cmOカップの黒姫伊織さん。Oカップ? ゼロじゃなくてオー!? すごいね、こりゃまた。工藤隆男の巨乳風俗嬢紹介ページ「東京トップレス」は、まだ健在なのね。さらに無修正巨乳DVD情報とか海外エロニュースなんかもあったりして…。
 あれ、なんか以前とちょっと違うような気がしてきましたよ。あっ! モノクロページがずいぶん減ってるんだ! 96年には64ページあったモノクロページが最新号では32ページに半減。やっぱりモノクロ縮小の波はここまで及んでるんですね。「バチェラー」のモノクロページのコラムって、マニアックなムードがあっていい感じだったんですけどねぇ。
 とはいえ、巨乳への愛が溢れた誌面作りだということに変化はない。おっぱいは大きい方がいいよねー、ぐらいの軽い気持ちで手に取ると後悔しちゃいそうな、なかなか仲間に入れてもらえなそうな「マニアの聖域」感は衰えていない。他のマニア誌がコロコロと方針を変えてしまう中、こういう雑誌を持っている巨乳マニアってのは幸せだなぁと、ちょっと羨ましくなる。

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