ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「STOP MAKING SENSE」日本最終上映

 トーキングヘッズの1983年12月のライブをジョナサン・デミが撮影したコンサート映画。一言で言えば、そういうことになるのだけれど、僕にとっては最高の、そして唯一無二の存在。僕が音楽に求めるものは、すべてここにある。
 最初は高校2年生の時に新宿のどこかの映画館で見て(確かレイトショー)ぶっとんで、それからバンドメンバーを誘って吉祥寺バウスシアターで見て、その後も映画館で何回か見て、しばらくしてVHSがリリースされたので購入して(確か1万5千円とかした)、1ヶ月くらいは一日一回以上は必ず見たくらいハマった。
 デビッド・バーン一人がアコースティックギターとラジカセに録音したリズムボックスだけで「Psycho Killer」を唄う伝説的なイントロダクションから、一曲ごとにメンバーが一人ずつ増えていく。そして黒人メンバー5人を加えた9人編成のファンク・オーケストラ・ヘッズとなって叩き出すグルーヴ。エキセントリックでユーモラスで美しくて、そして最高にファンキー。大がかりな仕掛けを使わずにアイディアとセンスで勝負する演出の数々。
 歌詞、そしてサウンドもかなりアバンギャルドな部分があるのに、実に楽しそうに演奏するメンバーたち。ラストの「Cross-Eyed And Painless 」で初めて客席が映るのだけれど、誰もがみな楽しそうに踊っている。「疑惑の島、それは薬の味わいの如し。あと知恵に頼る、酸素からのメッセージ。リストを作り、チャンスの値を知る。成功しても危機に際して事実は無価値…」なんて難解な歌詞の曲なのに!
 一番好きなアルバムは? と聞かれると一枚を選ぶのは難しいけど、映像作品も全て込みでと言われたなら、僕は迷わずこの映画「ストップ・メイキング・センス」を選ぶ。
 ああ、何度見ても「Cross-Eyed And Painless 」のブレイクする瞬間は射精してしまいそうに興奮するよ!

 そんな「STOP MAKING SENSE」の日本での上映権が切れるとかで、最後の劇場公開が行われる。11月18日〜24日が吉祥寺バウスシアター、25日〜30日が渋谷ユーロスペース。DVDになってからも、もちろん購入して見たけれど、あれはやっぱり映画館で見るべき映画だ。行かなくちゃ。できれば何回も。

渋谷ユーロスペース
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=61
吉祥寺バウスシアター
http://www.baustheater.com/stop&jazz.htm

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