ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる(藤原治 朝日新聞社出版局)

「知ったかぶり週報」で知って、すぐに買いに行きました。201X年に、テレビや新聞などのメディアとネットが融合した「eプラットフォーム」が出現するだろう。以降、新聞社も出版社もテレビ局もポータルサイトも、すべてeプラットフォームのコンテンツプロバイダーという位置づけになるだろう…と著者は書いています。
 なぜ201X年かといえば、2011年の地上波のデジタル化(アナログ波完全停止)から数年後だろうという読みなわけです。本書はタイトルからもわかるように新聞、テレビといった既存のメディアが将来どうなるかというテーマが中心になっているから当然なんですが、今でも新聞とテレビを重視しているような世代に向けて書かれている感がありますね。既にネットがメインのメディアとなっている人にとっては、eプラットフォームという概念も、何を今さらと思ってしまうのでは? だってもうほとんどがネット上で実現しちゃってますしね。著者が「新聞社は紙を前提としない経営になる」という自分の予想を画期的なものだと思ってるあたり、逆に驚かされます。え、そんなの当たり前じゃないの? まぁ、それほど新聞社側の「紙」信仰は強固なんでしょうね。完全なる敗北を目の当たりにしちゃったエロ雑誌業界の人間としては、なんとも牧歌的に感じちゃいますが。
 とは言え、「新聞は『メディア』ではない」「若者が新聞ばなれする理由」など、なるほどと思わせてくれるところも多く、興味深く読めました。
 特に本書でもインターネットによりコンテンツが無料だという意識が広がったことが問題なのだということが繰り返し語られていたのが印象深かったですね。
 やっぱり、これからのコンテンツビジネスにおいて最大のキーワードは「無料」だよなぁ。「無料」こそが最大の敵であり、味方だといってもいい。コンテンツを無料にするとして、どこからお金をひっぱってくるか。それはやはり広告しかないのか。あらゆるコンテンツビジネスにおいて、この上手い方法を考えられるヤツが「勝ち組」になれるということなんでしょう。それはエロにおいても同じなわけですよ。エロが濡れ手に粟の商売だった時代は遠くになりにけり、ですな。


ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる(藤原治 朝日新聞社出版局)

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