ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

「松葉」のつけ麺 580円


先日、AVの現場取材に行きまして、その帰り道に久しぶりに椎名町の「松葉」に寄りました。「松葉」と言えば藤子不二雄A先生の不朽の名作「まんが道」に度々登場したトキワ荘御用達のラーメン屋であります。トキワ荘も、そしてその周辺の店もほとんど無くなってしまいましたが「松葉」だけは健在なのです。
 実は10年以上前に、2年ほどこの辺りに住んでいたことがあります。しかし、世の中で一番好きな漫画は「まんが道」である僕ですが、しばらくここがトキワ荘の近くだということには気づかなかったんですね。地名がずいぶん変わっていたから。んで、ある時、もしかして、あの二叉交番って「まんが道」に出てくるアレじゃないかと思いまして、色々調べてみると、僕の住んでいたマンションがトキワ荘のすぐ近所ということが判明。うろうろ探してみると、建て替えたトキワ荘を発見! おお、赤塚不二夫先生が表札を書いている! と非常に感動いたしました。いや、だいたい僕の住んでいたマンションが、パン屋の菊花堂跡だったんですよ。今はヤマザキデイリーストアになってました。
 と、いうことは、あそこのラーメン屋の「松葉」って、あの「松葉」なのでは??? と、早速食べに行きました。いや、もう、実に普通のラーメン屋なのですよ。ラーメン屋というか、町の中華料理屋。定食とかいっぱいある。そしてラーメンも昔ながらの味。決して「ンマ〜イ」と言いたくなるような味ではありません。でも、ほんのちょっと前の東京のラーメンって、こういうものでしたよね。そんなに美味しい食べ物じゃなかった。単に安くて、でも安っぽい美味さの魅力がある食べ物。それがラーメンでしたよね。
 その頃の「松葉」はここがトキワ荘御用達の伝説の店であるような痕跡はほとんどなく、確かトキワ荘関連の漫画家の色紙はちょっと飾ってあったかもというくらいの、ごく普通のラーメン屋でした。そして産まれたばかりの長女を連れて行ったりすると、子供好きそうな奥さんが色々話しかけてくる、そんな店でした。安くてそこそこ美味くて、子連れでも気軽に入れるので、ちょくちょく利用してました。もう、トキワ荘とか関係なく。
 んで、この店で僕はつけ麺の美味さを知ったんですよね。僕が小学生の頃に、第一次つけ麺ブームがあったんですが、その時のつけ麺ってあんまり美味しくなかったんで、どちらかというと敬遠してたのです。JRの最寄り駅である目白の方に、つめ麺の行列店「丸長」があったんですが一度も行ったことがなかったし。
 でも、たまたまなんとなく「松葉」でつけ麺を食べたら、これが美味しかったんですね。ちょっとピリ辛で酸味のあるスープ、そして山盛りの野菜、太い麺。それ以来、僕は「松葉」に行くと必ずつけ麺食べてました。
どうやら「松葉」のつけ麺は、目白の丸長に近いタイプみたいなんですが(未だに丸長は未食)、僕のつけ麺観はここで植え付けられたので、今でもつけ麺屋では野菜をトッピングしちゃうんですよね。
 それから引っ越してしまうと「松葉」とは縁遠くなってしまいました。何しろ駅からも離れている場所だし、滅多にそっちに行く用事なんかないですからね。引っ越し先の江古田は隣駅みたいなものですから何度か自転車で前を通ったりしてはいました。いつの間にかに「まんが道」の「松葉」が登場するシーンをコピーして店の入り口に貼ってあったりしましたが、まぁ、基本的には普通の地味なラーメン屋です。
 ネットなんかを見ると、よく「まんが道」ファンが聖地として訪れたりしているみたいですね。んで、ラーメンがまずいとか書いてたりする。でもなぁ、さっきも書いたけれど、本来ラーメンって、そんなに美味いもんじゃないんですから。それがラーメンだったんですからねぇ。だけど、「松葉」のつけ麺はちゃんと美味しいんですよ! 
 まぁ、そんなわけで先日10年ぶりくらいに食べてきたんですけどね。8時過ぎに言ったらお客さんはゼロ。でも、店内は昔と全然変わっていなくて懐かしかったです。カウンターのところの色紙が増えていました。A先生と、水野英子鈴木伸一丸山昭阿部潤の3枚。阿部潤は最近コミック・チャージの連載で来たみたいですね。

 メニューもあんまり変わってないかなぁ。安いなぁ。ラーメン480円、ソース焼きそば500円、焼肉定食700円。そしてつけ麺も580円です。

 もちろん僕はつけ麺を注文。やってきたつけ麺は大きめの丼に具がたっぷりのつけ汁、そして平皿には黄色くて太い麺がどっさり。あれ、もっと野菜がいっぱい入っていたような記憶があるんだけどな。こんなもんだったっけ。具は角切りのチャーシューとゆで卵とキャベツとネギとワカメ。昔のラーメンってワカメ入ってましたよね。

 ズルズルとすすります。うんうん、このモッチリとした麺ですよ。スープはもうちょっとピリ辛だったような気がするので、ラー油を投入したら、グッと美味しくなりました。
 いや、ホント、美味しいのよ。このつけ麺に関しては、今の専門店のつけ麺に負けないと思うんだけどなぁ。580円だし。近所にあったら日常的に食べたいですよ。
 ところでズルズルとつけ麺食ってたら、風呂上がりらしいパジャマ姿の中学生くらいの女の子が奥から調理場に出てきて、客の僕に気づいて恥ずかしそうにひっこんだのが、ちょっと萌えでした(笑)。ああ、確か小さな子供いたよなぁ。大きくなったんだなぁ。まぁ、あの頃、赤ん坊だったうちの娘も、もう小学六年生ですが。

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