びっしりと情念が書き込まれた70年代エロ本を発掘
下北沢の古本ビビビの店主、徳川龍之介さんがこんなツイートをしていました。
ご家族の遺品と言うことで持ち込んでいただいた本の半分以上がビニ本だったので処分させていただくしかないかな。しかもビニ本の表紙をめくるとそこには大量のエロ切抜が挟まっている。そして女性の体には何やら謎の数字やら記号やらコメントが大量に書き添えられている。
— 徳川龍之介 (@binbinstory) 2013, 11月 13
あまりに怪しすぎて「売り物としては厳しいので貰っていただければ助かります!捨てたら呪われそうですし・・」ということで、すかさず手を上げて、いただいて参りました。
「これです」
とドサっと渡されたのは、松尾書房とか桜桃書房とかサンライズ社とかアップ社とか高倉書店とかゆに書房とか森尾書房とかの、いわゆるビニ本の元祖的なA4グラフ誌です。70年代半ばの出版のようですね。
このように非常にイイ味わいのエロ本ばかりなんですが、確かに写真に何やら細かい書き込みがびっしりと……。
しかし、字が小さく、そして汚いので、何が書いてあるのか、ほとんど読めません。色校刷りに修正の指定を入れているのかとも思うんですが、どうもそういう感じではない。
かろうじて「右もみ」「上さすり」「わき入」「ブラめくり」なんて言葉が読み取れます。
こちらも「右腿下から入」「右もみ左ヒップ抱」「またがせ」なんて書いてあります。
これはどうも、ここから、どんな愛撫をするかを妄想して書き込んでるような気がします。「おれなら、ここからこう脱がして、こう触って……」というシュミレーション。ちゃんと分岐まで考えられてるのもいいですね。
しかし、すごい情熱というか欲情というか、熱い情念が感じられますね。こういうエロ本の楽しみ方というのは70年代には一般的だったのでしょうか。いや、そんなことは、たぶんないな(笑)。
それでは70年代エロ本と、この名も無き情念のオナニストの素晴らしいコラボをご覧下さい。
雑誌の切り抜きなんかも挟んであります。山口智子の水着グラビアでも容赦ありません。
これは週刊プレイボーイとじ込みのAV女優カタログですね。なぜわかるかというと、実は僕もこれを切り抜いて保存していたからです(笑)。
洋物もあります。これはいい表紙。
まだヘア解禁前ですから、輸入の際にしっかりと塗りつぶされてます。でも、この方はそこに怒ったりはしてないみたいですね。
ああ、この頃のエロ本というのは、本当に必要とされていたし、愛されていたんだなぁ。
追記:この方のアーカイブサイトを作りました。イラストともども大きいサイズで見ることが出来ます。
http://mrssworks.tumblr.com/