新刊「痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか」(太田出版)が発売になります
京王駅弁大会以降、ずいぶん更新サボってしまいました。すいません。
久しぶりに本が出ます。タイトルは「痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか」(太田出版)です。
書き下ろしの単行本としては「エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること」(翔泳社)が2006年だから、実に10年ぶりですよ。「エロの敵」は雨宮まみとの共著だから、単独の単行本とすると、2004年の「日本縦断フーゾクの旅」(二見書房)以来ということになりますね。いや、ホントに久しぶりだ。
しかも初のハードカバー本ですよ。鈴木成一さんによる大変クールな装丁。内容もふさわしく、大変マジメな本です。ええ、例え書き出しが、
愛らしい美少女が、自ら性器を押し開き、桃色の粘膜をむき出しにして、男に見せつけ、あどけなくも淫らな声で叫ぶ。
「おまんこ、すごく感じちゃうの」
「おまんこ、ぐちゃぐちゃにして」
左右の足の裏で男のペニスを挟んで上下にしごく、いわゆる足コキプレイをしながら、股間の部分がぱっくり開いたパンティから、性器を剥き出しにして無邪気に叫ぶ。
「くぱぁ~!」
だとしても!
タイトルは「痴女」となっていますが、本書は「美少女」「熟女」「素人」「痴女」「ニューハーフ・女装」の5つのジャンルの誕生と発展の歴史を追うことで、アダルトメディアの中で、女性がどう描かれてきたのかを検証するという内容になっています。
そう書くと、堅苦しいですね。まぁ、ようするに、例えばAVでいうところの「痴女」のスタイルは、誰がどんなふうに作りだし、どう変化してきたか、という話なんです。熟女・人妻にしても、現在はアダルトメディアの中でも最も大きなジャンルとなっているわけですが、80年代までのAVでは、熟女・人妻物というのは、ほとんど存在してなかったんです(でも成人映画など70年代までのアダルトメディアでは割りとメジャーだった)、それが90年代には、ちょっとマニアックなジャンルとして一部で支持され、00年代になって一気に花咲いた。さらに10年代には、細分化と拡大が進んでいった、というように、歴史を追っていくと実に興味深いんですね。
アダルトメディアで描かれる女性像というのは、男性の性的欲求を写しだしたものなので、その女性像の変化を追っていくと、男性の性の好みの変化もわかる、と。
結局、まるまる一年かかってしまいました。19歳でアイドル雑誌の編集部に入ってAV記事を書くようになってから現在まで29年に渡る僕のキャリアを総括するつもりで書きました。巻末には29ページに渡るアダルトメディア年表も付録で付けました。「エロの敵」の時にも付けましたが、グッとバージョンアップしてますよ。
そして高橋源一郎さんに推薦文をいただきました! ちょっと紹介させていただきますね。
アニメやマンガや文学や美術も大切だ。
だが、アダルトヴィデオの歴史を知らなければ
この国の文化はほんとうにはわからない。
そのことを、この本で証明してみせた
安田里央に文化勲章を!
教科書にして学校で教えてもいいよね。
太田出版から3月31日に発売です。定価1600円(税別)。
どうかよろしくお願いします。