新刊『エロメディア大全』(三才ブックス)が発売されました。
エロメディア大全
本書は生まれては消えていった数々のエロメディアやエロのジャンル、そして伝説のエロ雑誌などについて解説したもので、自分としては、この一冊で「日本のエロメディアの歴史がわかる!」「エロメディアの教科書」、というか「入門書」、というつもりで書きましたので、今までの僕の著書よりも、若干読みやすくなってるんじゃないかなと。
まぁ、いつもの「だ」「である」調じゃなくて「です」「ます」調で書いてるだけですけど。
考えてみたら「です」「ます」調で書いた本は、初めてかもしれないですね。
「ラジオライフ」誌に2020年から連載している「安田理央のエロメディア全史」をベースにした本で、他にも色々な雑誌に書いた原稿をまとめたものなんですが、大幅に加筆、再構成しているので、結局書き下ろしと変わらないくらいの手間がかかっちゃいましたね。
大きくわけて3部構成になっておりまして、
まず第1章が「エロメディア大百科」。
50年代に全盛期を迎えたグラマー雑誌から、現在勢いを増している同人AVに至る数々のエロメディアを取り上げています。
[紙メディア編]
グラマー雑誌/SM雑誌/少年向けエッチ漫画/エロ漫画の誕生/エロ新書判/金髪雑誌/ビニ本/自販機本/裏本/風俗誌/投稿写真誌/AV雑誌/レディースコミック/写真文庫/官能小説文庫/エロ漫画冬の時代/マニア誌/女性向けエロ本/類似誌/付録戦争
[映像・音声メディア編]
ブルーフィルム/成人映画/エロカセット/アダルトビデオ/裏ビデオ/ブラックパック/アダルトアニメ/お色気テレビ番組/ダイヤモンド映像/アダルトCD-ROM/インディーズAV/ヘアビデオ/盗撮AV/同人AV/消えたメディア/インターネット黎明期
写真文庫とかエロカセット、ブラックパックやアダルトCD-ROMといった、あまり語られることのないものにも触れてるあたりにも注目して欲しいですね。
「ああ、あんなのあったな」と思ったり、「そんなものがあったのか」と驚いてもらえると嬉しいです。
第2章は「エロジャンル大辞典」。これは様々なエロのジャンルの解説ですね。
熟女/巨乳/尻/素人/ブルセラ/童貞・筆おろし/痴女/ニューハーフ・男の娘
それぞれのジャンルの成り立ちや変遷などのついて説明しています。熟女や巨乳が意外に新しいジャンルであるとか、ブルセラの語源とか、意外に知られていないのではないかと思います。
そして第3章は「エロ雑誌列伝」。これは2019年に出した『日本エロ本全史』でも紹介している18誌について、より詳しく解説したパートです。『エロ本全史』では書ききれなかった情報などを細かく書いてます。
取り上げたのは
世界裸か画報/映画の友/バチェラー/ウィークエンド・スーパー/Jam/写真時代/オレンジ通信/ザ・ベストマガジン/ザ・ベストマガジンスペシャル/ペントハウス/ベッピン/ビージーン/ボディプレス/デラべっぴん/ザ・テンメイ/フィンガープレス/ララダス/おとこGON
寂しいのは、この18誌の中で、今でも残っているのは「バチェラー」1誌ということですね。というか、まだ「バチェラー」が残ってることがすごいんですけどね。創刊47周年ですよ。すごい。
というわけで、今回もまた400ページと分厚くなってしまいました。情報量はかなり詰め込んだつもりです。
まぁ、構成的に僕のこれまでの著書と内容がダブってしまっている部分もあるんですが、ある意味で、これが入り口になって、もっと詳しく知りたい人は『痴女の誕生』や『巨乳の誕生』『ヘアヌードの誕生』『日本エロ本全史』や『日本AV全史』なども読んでもらえると嬉しいです。
あとがきに、こんなことを書きました。
どんなものにも歴史はあり、その変遷は文化である。それがたとえ「エロ」と呼ばれるものであっても。
文化である以上は、その歴史は書き残されていくべきだと思うのです。
www.youtube.com
と、いうようなことを話した動画を作ってみました。いや、Adobe CCを契約したのでPremiere Proの練習として作ってみたのですが。
トーク仕事はよくやってるんですが、一人でしゃべるのって苦手だなー。
しかしPremiere Proの文字起こしテロップ制作機能、すごいですね。
9月16日(月)に ジュンク堂書店 池袋本店で刊行記念トーク&サイン会を行います。ゲストに架乃ゆらさんを迎えて、エロメディアの変遷について語りたいと思います。
『エロメディア大全』 刊行記念トーク&サイン会 ~あの頃のエロ
安田 理央(ライター・アダルトメディア研究家)
架乃 ゆら(女優・YouTuber・コラムニスト)
17:20開場 18:00開演
会場:ジュンク堂書店 池袋本店 9F イベントスペース
★入場料は2000円。イベント当日受付でお支払いください。
03-5956-6111(10:00-22:00)にてご予約を承ります。定員に達しましたら受付は終了とさせていただきます。
架乃ゆらさんとは、以前にも『アダルトメディア年鑑2024』について対談をしています。今回もディープな対談が出来ると思います。ぜひ遊びに来て下さい!
dxbeppin-r.com