三味牛肉どまん中(1300円/山形県/B-3)
京王駅弁大会でも毎回安定して売上上位を占め、もはや駅弁界の王者の風格も漂う牛肉どまん中。だって、美味いんですもん。毎回食べる度に「あー、これだよなー」と再確認する旨さ。
ただ、数年前から牛肉どまん中には、通常の醤油味に加えて、しお味やみそ味、さらにはカレー味なんてバリエーションが登場していて、それらのハーフ&ハーフなんてのも出てるんですよ。それどころか海鮮丼やうなぎ丼、牛タン丼のハーフ&ハーフもあるらしい。東京駅なんかではそっちも買えるのに、京王駅弁大会では、ずっと醤油味のみ。
駅弁は京王駅弁大会で買うものという信念の僕としては、京王でのどまん中バリエーションの登場を心待ちにしていたのです。ただ、実演という形態上難しいのかな、と諦めていたのも正直なところですが。
ところが今年は、通常版に加えて「三味牛肉どまん中」なんて新製品が登場したじゃありませんか! ハーフ&ハーフどころじゃなく、一個で醤油、しお、みその三味が楽しめるというのですよ。
大きさは通常版と同じですが、十字に区切られて四等分され、そのひとつひとつのマスに醤油味、しお味、みそ味、そして通常版と同じくかまぼこや玉子焼き、煮物などが入っています。
さて、こういう時は味の薄いものから濃いものへ食べていくのが鉄則ですね。まずはしお味から。うん、あっさりとした味付けの分、牛肉そのものの味がよくわかりますね。というか、こんなに美味しい肉だったのかーと改めて思うくらい。
そして醤油味。これはもう安定の旨さ。甘辛さのバランスも絶妙なんですよね。
最後はみそ味。ちょっとピリ辛ですね。これはビールに合いそうだな。
というわけで三味。ひとつの味は三分の一の量なわけで、三口ほど食べるともう終わっちゃうんですよね。なので、主食というよりも、おかず感がある感じ。タレのしみたご飯がすでにおかずっぽいですしね。
それぞれ、もうちょっと食べたいなーという気持ちが残るのも正直なところ。満足感を得るには、やっぱりひと味、せいぜいハーフ&ハーフくらいの量が必要なのかな、とも思いました。でも、これ、酒のつまみ弁としては最強な感じがします。ちょっとづつ、色んな味を楽しみつつ、ビールをゴクリ。日本酒でもよさそう。あー、飲みたい!
そして、他の味も美味しいけど、やっぱり醤油だよなーという結論に落ち着きそう(笑)。
ぶりかまめし 吹雪(1200円/富山県/B-4)
初めて京王駅弁大会に行く人に一弁勧めるという時は、僕はいつも富山の「ぶりかまめし」にしています。柔らかく煮こまれたぶりかまの味わいとボリューム、そしてそれを受け止めるワサビ酢飯の美味しさ。誰にでも満足してもらえる駅弁だと思うのですよ。魚介好きはもちろん、肉好きの人だって、この食べごたえは十分に満足してもらえます。
というわけで、毎年リピート必須なぶりかまめしですが、今年はなんと新作が登場。その名も「ぶりかまめし吹雪」。
なんと蟹が加えられているというじゃないですか。さらに薄切り蕪の酢漬けもプラス。それで「吹雪」というわけですか
駅弁大会のブースでは、通常のぶりかまめしは実演なのですが、こちらの吹雪は輸送ということで、少し出遅れると売り切れてしまったりします。なので、終了日一日前というギリギリになってようやく入手しました。
さて、ぶりかまめし吹雪。どーんとボリュームあるぶりかまがご飯の上を覆い尽くしているのは通常どおり。しかし、通常版の白えびとワカメ、ガリのかわりに、に薄切り蕪の酢漬けと、そしてほぐした蟹の身がご飯の上にまぶされています。ご飯はワサビ酢飯ではなくて、通常の酢飯になっていますね。
柔らかなぶりかまの食感と蕪のサクサクとした歯ごたえの対比がなんともいいですね。。蕪の歯ごたえで、雪の上を歩く時の感覚を表現しているとか。というと、これはむしろ蟹よりも蕪が重要なのかもしれない。実際、蟹はいまひとつ存在感がないかも。いや、もう、蟹ってだけで嬉しいもんなんですけどね。
これはもう好みの問題になっちゃうと思うんですけど、個人的にはぶりかまの甘辛い味をさっぱりさせてくれるワサビご飯の方が合うような気がするので、通常版に軍配があがるかなぁ。蕪のサクサク感も捨てがたいんですが。
いずれにせよ、こちらの吹雪も、誰にオススメしても間違いない名弁だと思いますね。