ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

ジェームス・チャンス&コントーションズ@代官山ユニット

 高校生の時に「SAX MANIAC」を聴いて衝撃を受けて約20年。まさかジェームス・チャンスのステージを東京で見ることができるとは思いませんでしたよ。世の中、何が起きるかわからないもんだなぁ。3デイズはすべて完売。僕は聞き始めた頃は全く情報がなく、伝説のコンピ「NO NEWYORK」について書かれた記事でもアート・リンゼイのDNAとリディア・ランチのティーンエイジ・ジーザスの事ばかり書いてあったのになぁ。
 高校生時代の僕のフェイバリットアーチストの一人でしたからね、ジェームス・チャンス*1。もう律儀に開場と同時にユニット入りしたものの、緊張して落ち着かなくてフロアをウロウロしてました。ビールもお代わりしちゃいましたが、一杯700円かよ。高ぇ。さすがは代官山価格。
 フロントアクトは、RECK+大友良英中村達也のトリオ。新生フリクションですよ。曲も全部、フリクションだったし。フリクション史上、もっともヘヴィでラウドなサウンド。でも、まだ練習不足なのか三人の音がガッチリかみ合ってない感じはしましたね。その辺で、まだフリクションの名前を使わなかったと思われます。ところどころ鳥肌が立つようなすごいサウンドになるんですけどね。ノイズ流しっぱなしといった大友良英のギタープレイは、フリクションにマッチしているかは、ちょっと微妙かも。上手くかみ合ってくると面白くなるかもしれませんが。
 さて、そしていよいよジェームス・チャンス&コントーションズの登場ですよ。メンバーは、ジョディ・ハリス(G)、パット・プレイス(G)、ドン・クリステンセン(Dr)に、死んでしまった(んだよね?)ジョージ・スコットの代わりに若いベーシスト、そしてジェームス・チャンス(Vo,Sax,key)という5人編成。キーボードのアデル・ベルタイは不参加(生きてるのか?)。
 今年52歳というチャンスは、リーゼントにスーツで決めておりまして、見苦しく老けた感はなくてホッとしました。しかし、なんというかシャイなおじさんという印象で、終始下を向きっぱなし。歌う時もほとんど客席を見ません。往年のギラギラしたムードは皆無です。それでも、サックスを吹くと、「ああっ、あの音だ」。そしてシャウトすると「ああっ、あの声だ」と長年のファンとしては感動しちゃいますね。声とサックスの音色は衰えてないというか、全然変わっていなくて、それだけで嬉しかったですよ。
 ただねぇ、やっぱりダメでしたよ。バンドとしてのグルーヴ感は皆無だし、なんつーか覇気がないんですよね。若いベーシストの音だけ目立っちゃってて、楽器のバランスも最悪。おそらく、この日のお客さんは「NO NEWYORK」のコントーションズを期待してたんでしょうけど、あのつんのめったようなひしゃげたビートではなく、どちらかというとジェームス・ホワイト&ザ・ブラックスのディスコ調のリズムがメイン。しかもコーラスもなく、キーボードもチャンスが兼任なので、あのいかがわしい華やかさもありません。うーん、これは厳しい。まぁ、長年のファンとしては変わっていない声とサックスを聴けただけで嬉しかったんですけどね。
 ただ、前日も見た人によれば、「今日のが5点だとすれば昨日は200点。全然違いますよ」という話なんで、たまたま出来が悪かっただけなのかもしれません。でも、あれがそんなに変わるとは、ちょっと信じられないなー。
 昔好きだったバンドのライブを見るのって、やっぱ怖いもんです。今年は諸々の都合でフジロック行くのあきらめたんですが、ギャング・オブ・フォー見れなくて、よかったかも。
 

*1:僕はジェームス・ホワイト&ザ・ブラックス名義の「SAX MANIAC」から聴いたので、ジェームス・ホワイトと呼ぶ方がしっくり来ます。

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