瀬戸内たこめし弁当(1080円/兵庫県/A-0)
ここ10年ほど、駅弁大会仲間とロマンスカーに乗って京王駅弁大会で購入した駅弁で飲む通称「ロマ弁」というイベントをやっております。この時に、どんな駅弁を選ぶのかは毎年悩ましい問題です。やはりイベントですからね。それなりにこだわった駅弁を選びたい。万が一ハズレの駅弁を選んでしまうと、同行の仲間からいつまでも言われることになるのです(駅弁名は伏せますが、これまでにもいくつかそんな駅弁がありました)。
でも、実は今年は悩むことなく買うべき駅弁は決まっていました。瀬戸内たこめし弁当とえび千両ちらしです。その理由は後ほど(笑)。
さて、真っ赤なタコとさつま芋とカボチャが描かれたインパクトのあるパッケージが気になっていた瀬戸内たこめし弁当。女性の好物と言われる「芋たこなんきん」がキャッチコピーとして書かれているように、メインの煮タコに加えてさつま芋とカボチャの煮物も入っています。タコは、やや薄めですがシコシコとした歯ごたえが楽しめます。そして、さつま芋とカボチャもホクホクとして甘く……、なんですが、僕はどうも甘いものが苦手なので、ちょっと引っかかっちゃいましたね。ビールのつまみにしていたから、余計にそう感じました。さつま芋とカボチャの間に挟まれた大根の風呂吹きの方が好みだったりして。まぁ、そういう意味ではさつま芋とカボチャが好きな人にはオススメですね。
しかし、女性って本当に「芋たこなんきん」が好きなんでしょうか?
日本海ハタハタすめし(1050円/秋田県/A-0)
天候のせいもあるのか、会場は比較的空いている印象です。10時半くらいに入場して、輸送列もカーブ無し。すぐにブースに入れました。
さて、輸送の常連ではあるのですが、いまひとつ地味な印象で手を出したことがなかった秋田駅の「日本海ハタハタすめし」。でも、実は「オリジナル駅弁コンクールグランプリ受賞作品」という名弁なのです。このコンクールのことはよく知りませんが(笑)。
特製醤油ダレに48時間漬け込んで焼き上げた秋田名物ハタハタが3匹、酢飯の上に乗っています。さらに錦糸玉子やフキ煮、レンコン酢漬け、とんぶり、紅しょうが、そしてしそアンズも一緒に乗せられていて、一口食べるごとに味が変わって実に楽しい。おかずの野菜巻煮、ゼンマイ煮も薄味で美味しいです。
ヘルシー系の食材をコンパクトにギュっと濃縮したような駅弁ですね。
ちなみには現地秋田駅では、完全予約制になっているとか。現地でもなかなか買えない駅弁を手軽にゲットできるのは駅弁大会ならでは!
いくら数の子弁当(980円/北海道/C-3)
はい、後半戦スタートです。せっかくなので、後半から出展の駅弁を攻めたいと思って、前から目をつけていた「いくら数の子弁当」を。
チラシで見て、そのインパクトのある弁面と980円という安さで、大人気間違いないだろう、と行列を覚悟してたんですが、全く並んでなくてすぐに買えて、ちょっと拍子抜け。でも、これは絶対これから人気あがりますよ。
その名の通りに、いくらと数の子がご飯を覆い尽くすシンプルかつ迫力あるルックス! 半分はいくらの醤油漬け、もう半分は数の子まるまるひと腹とバラ子。付け合せはシバ漬けのみという潔さ。ご飯はほんのり醤油味がつけられているようです。
いくらうめえ、数の子うめえ、もうそれだけで他に言葉はいらないでしょう。魚卵好きの人には、たまらない。そして痛風持ちの人にもたまらない(笑)。
これで980円というんだからすごくないですか?
これから絶対に行列が出来る駅弁だと思いますね。今のうちにゲットしておくべし!
玉屋の奥久慈しゃも弁当(1000円/茨城県/C-3)
今年も早くも前半戦最終日。「磯の宝弁当」「ながさき鯨カツ弁当」など、今日までの出展の駅弁の中で悩みに悩んでセレクトしたのが、「玉屋の奥久慈しゃも弁当」。やはり初登場弁は試しておきたくなるもんです。
11時過ぎに行って、ちょい行列。初出展ということもあって、手際があまりよくなくて、行列ができちゃうパターンですね。
10分ほど並んで、なんとかゲットし、屋上でいただきました。
ご飯の上に甘辛く煮たシャモが6切れと、炒り卵とささがきゴボウ、そして付け合せはフキ煮、大根醤油漬け、シバ漬けという布陣。シャモ肉は、本来はモモ3枚、ムネ3枚なのですが、仕入れの関係でモモが少なくなっていると告知が出てました。僕のはモモ2枚、ムネ4枚でしたね。
シャモはしっかりとした歯応えと味。文句なしの美味しさですね。そしてご飯の量が多い! 普通の駅弁のペース配分で食べてるとおかずが足りなくなりますね(笑)。いや、もちろんおかずが少ないというわけではないですが。シャモ肉の配分に気をつけつつ、お漬物の力も借りて、いい塩梅で完食! シャモ肉自体もボリュームがあるので、食べ終わるとお腹にずっしり来ます。駅弁でこういう感想を持つのって、結構珍しい。これで千円。コストパフォーマンス的にもよい駅弁ですね。
さて明日からは後半戦。気合入れていきましょう!
あ、今日は午後5時閉場なので気をつけて下さいね。
くまもとランチBOX(1200円/熊本県/A-0)
黄色い紙ケースには「FOR KUMAMOTO PROJECT」のハートを抱きしめるくまモンのイラスト、そして黒光りするプラスチックの容器にはくまモンの顔がプリントされています。フタを開けると、鶏の照り焼きがゴロリ。その下には牛肉そぼろと錦糸玉子、きんぷらごぼうが敷き詰められています。写真を見ると本来は福岡のかしわめしのように、斜めにグラデーションに並べられているはずなんですが、輸送の途中で揺れてしまったのかグチャグチャになっちゃってましたね(笑)。
鶏は「大阿蘇どり」、牛は「くまもとあか牛」と「熊本県産黒毛和牛」、そしてご飯は「森のくまさん」使用と、熊本県産の食材にこだわった駅弁となっております。ま、実は製造元の松栄軒は鹿児島の会社なんですけどね(笑)。
それはともかく、しっかりと甘辛く味付けられた牛肉と、食べごたえのある鶏肉がたっぷりで、ご飯が進む、進む。今年は平成29年にちなんで、肉弁がフィーチャーされてる今大会ですが、意外な伏兵肉弁がここにもいた、という感じですね。
くまモンの弁当箱も使いでがありそう。
あなごめし弁当(1944円/広島県/D-1)
京王駅弁大会には毎回何種類ものあなご弁当が参戦しますが、一番人気はなんといってもこの宮島口駅の「あなごめし弁当」です。午後二時販売で整理券制なのですが、整理券をもらうのにもいつも朝一に大行列。僕はどうも整理券弁当は苦手だし、2千円と高価なこともあって、敬遠しがちなんですよね。食べれば美味しいことはわかってはいるのですが。
でも、今年は久しぶりに行ってみました。しっかりと朝一で並んで整理券をゲットし、再出撃で午後三時に入手。
宮島の観光案内も書かれたクラシカルな掛紙が嬉しいですね。昭和11年4月11日に使用された掛紙を復刻しているようです。
そして経木のフタを開けると、ずらりと並んだあなごの蒲焼き。たくあん、奈良漬、甘酢生姜の漬物以外は、穴子とご飯だけというシンプルさ。それでも、全く物足りなさを感じさせないのは、さすがですね。
香ばしさといい、あなご自体の美味さといい、ちょっとランクが上という印象。10切れに切られているのも、食べやすくて駅弁にはぴったりです。
入手に苦労しても、ちょっと高くても、不満が残ることのない名弁ですね。