牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当(1480円/兵庫県/B-6)
最終日、前夜の大雪で交通事情により輸送のかなりの駅弁が届かないという事態に。客足も鈍く、午前中でも全く並ばずに輸送ブースに入れるのですが、そこはスカスカという、まるで午後5時くらいのような状況でした。まぁ、逆に空いているから狙い目であるとも言えますが。
さて、輸送なそんな状況なので、実演から選んだのが兵庫県は山陽本線・姫路駅の「牛と穴子の重ね重ねありがとう弁当」です。なにがありがとうなのかと言えば、製造元の「まねき食品」さんが今年で創業130周年ということで感謝の気持ちを込めて作られた駅弁なんだそうです。そして重ねは何かといえば、具材がご飯の上と中に二重に敷き詰められているということ。
つまり、半分はご飯の上に牛焼肉、中に牛肉煮。もう半分はご飯の上に焼穴子、中に煮穴子。重ねがダブルで重ね重ねというわけです。
どちらも駅弁では主役を張れる食材の共演作。これがどちらも美味しいんですよ。牛肉も穴子も甘辛いという意味では近い傾向の味付けなんですが、それでも当然、味わいは違うわけですよ。穴子食えば「穴子、うめえ」と思い、肉食えば、「あー、やっぱり肉だなぁ」と思う。そしてご飯の中の煮具材が、また美味しいんですよ。ご飯と絶妙にマッチします。牛も穴子もどちらも手を抜かずにきっちりと食べさせてくれるんですよ。肉か穴子か、迷ったらこれ。満足感ありますね。
あと、ここだけの話ですが、やっぱりレンジでチンすると、美味さは倍増します(笑)。
プレミアム焼肉弁当(1620円/山形県/A-0)
そういえば、書き忘れていましたが、一昨日の「牡蠣まつり」で、ビンゴを達成してたんですよね。ビンゴというのは、つまり、チラシの列を制覇すること。
このチラシビンゴ、去年からやってる遊びなんですが、なかなか楽しいんですよ。入手の困難さなどから買う順番を考えたり、戦略的な思考が必要になってくる。普段だったら買わないような駅弁との意外な出会いもあったりして、駅弁大会の楽しさがグッと広がるんです。
しかしビンゴを達成してしまうと、次は何を買っていいのかわからなくなる(笑)。いや、ビンゴ中は買いたい駅弁を後回しにしていたわけだから、その駅弁を買えばいいんですけど、なんか、こう張りがなかったりして。
でもなんとなく今日は「肉」の気分だったんですよね。そして寒いから実演で行きたい。となると、久しぶりに「牛肉どまん中」にしようかな。うん、今の気分は「どまん中」だ。
と心に決めて、会場に向かったんですが、天候のせいか今日はお客の数が少なめ。そして、今大会はやたら長かった輸送の行列が皆無! 並ばずに輸送ブースに入れる。しかも、ほとんど売り切れてない。
そうなると、ついフラフラと輸送ブースに足が向いちゃうわけですよ。「牛肉どまん中」に決めてたはずなのに(笑)。
でも、まぁ、「肉」だよな、「肉弁」。輸送にも肉弁はたくさんあるわけですが、その中から僕が選んだのは、山形県は奥羽本線・米沢駅の「プレミアム焼肉弁当」です!
何がプレミアムなのかというと、なんと肉が六種類! 二段式の箱の上の段に、赤身肉、サイコロ、カルビ、カルビ(西京風味噌)、タン、ハラミが二枚ずつ。下の段には、ご飯と漬物、ゆで卵、ナムル。そしてステーキソースとおろしポン酢。
そして、この肉が大変美味しかったのですね。冷えているのに柔らかい。それぞれ塩・コショウで味付けされていて、そのまま食べてもいいし、ステーキソースやおろしポン酢をつけてもいい。それぞれの味の違いを比べながら食べるのが楽しいんですよ。もう焼肉屋さん気分です。
冷たくても美味しかったんですが、でもやっぱり温めた方が美味いよね、ということで一枚づつ残して、電子レンジでチン。そうすると、もうたまらない美味さでしたよ。牛肉6種類食べ比べという贅沢さにうっとりしてしまいました。
まさにプレミアム! 肉好きなら食べないという選択肢はないと思いますよ!
ただひとつ残念だったのが、ステーキソースとおろしポン酢を入れる皿的なものがなかったこと。肉に直にかけるしかないわけですが、それだと味が混ざっちゃう危険性があるんですよね。いや、ま、僕は仕事場で食べたので、別にお皿を用意したんですが。
今大会も肉弁は色々あるんですが、個人的にはこのプレミアム焼肉弁当が一位です!
牡蠣まつり(1380円/兵庫県/A-0)
さて、ロマ弁の第二弁は、「品川名物貝づくし」に続いての貝フルコース、兵庫県は山陽本線・姫路駅の「牡蠣まつり丼」です。チラシの写真を見ると弁当箱の中からはみ出さんばかりに牡蠣がびっしりと詰まってます。
でも、まぁ、こういうものは、実物見るとがっかりするもんですからね、とあまり期待値を上げすぎないようにしてフタを取りました。すると、なんということでしょう。チラシの写真のように大ぶりの牡蠣が整然と並んでいるわけではなく、粒は大小様々なんですが、隙間なくご飯の上を埋め尽くしています。いや、むしろ大きい牡蠣の間を小さい牡蠣が塞いでいるという感じで、びっしり感は写真以上でした。弁当箱自体はコンパクトですが、山盛りになっているので、余計に量が多く感じられます。数えてみたら14個はありました。
蒸し焼きされた牡蠣は味が濃縮されて、噛みしめる度に濃いエキスが口の中にあふれてきます。個人的には、牡蠣は生よりも熱を通した方が美味いと思ってるんですよね。うん、牡蠣出汁で炊いたご飯も美味しいです。椎茸もいいアクセントになってます。
しかし、これは牡蠣が多いです。食べても食べても、牡蠣が減りません。この前に「品川名物貝づくし」を食べているせいもあって、だんだんキツくなってきました。いくらなんでも牡蠣、多すぎるよ!(笑) 他の人に何個か分けても全然減らないという感じです。いや、もちろん嬉しい悲鳴なんですけどね。喜多方ラーメンの坂内のチャーシュー麺みたいですよ! 駅弁でこんな気持ちになったのは、2012年の岩手の「鮭いくら弁当」のいくら以来です。
これもまた、この弁当ひとつで際限なく酒が飲めちゃいますね。危険。
ところでこのロマ弁、子供含めて18人という大所帯なんですが、この日にみんな買ってきた駅弁の中で一番人気が「SL大樹 日光埋蔵金弁当」だったんですね(二位は「高原野菜とカツの弁当」)。なぜかというと、この弁当に付いている石炭シャベル風スプーン(通称:スコップ)が、僕らの間でブームになっていたからなんです。僕も既に食べて所持していたんですが、この日に持ってくるのを忘れてしまったんですね。ラズウェル細木さんなんか、忘れたので取りに帰ったそうです(笑)。え、おれだけ、持ってないのは悔しい。ということで、この日も買っちゃいました、「SL大樹 日光埋蔵金弁当」(笑)。これで、貝を掘って食べたかったんだよね。
お陰でこんな写真にも参加できました。ちなみに吉田戦車さんは持っていたのに、撮影に間に合わず(笑)。
品川名物貝づくし(980円/東京都/A-0)
駅弁大会期間中の週末に恒例となっている「ロマ弁(駅弁とゆくロマンスの旅)」、つまり、京王駅弁大会で駅弁を買ってロマンスカーで食べるという日帰り旅行。これを毎年、駅弁大会仲間でやってるわけですが、この時にどんな駅弁を持っていくかは悩ましいところであります。ここで下手な駅弁を選ぶわけにはいかないですからね。もうチラシを入手した時から、ずっと考えているわけですよ。
今年のロマ弁で僕が選んだのは、「品川名物貝づくし」と「牡蠣まつり」という貝フルコース。必ずお酒を飲むわけなので、そこに合わせて考えました。というか、これは酒必須弁当でしょう。なのでここまで温存してきたんですね。
まずは東京は東海道新幹線の品川駅の「品川名物貝づくし」から行きましょう。フタを開けると、茶飯の上にびっしりと貝。ハマグリ、アサリ、しじみ、貝柱、焼きホタテ。貝づくしの名前に偽りなし。
ちょい濃い目の味付けもお酒のアテにぴったり。そして貝というのは歯ごたえがあって、食いでもあるわけですよ。ずっと噛んでいられる。つまり、すごく長持ちする駅弁なんですよ。つまりは、酒が進む、進む。
半分も食べないうちにビールがひと缶開いて、ワンカップ日本酒に突入。本気出したら、これでワンカップ2~3本は楽勝ですね。そういう意味で、最もコストパフォーマンスの高い駅弁と言えるかもしれません。これで980円なんだもの。いや、本当に今度、これでどれだけ飲めるか、挑戦してみようかな。