悔しいけど松本和彦はわかってる
今月の「オレンジ通信」の松本和彦インタビューを読みました。カンパニー松尾についてこんなことを言ってました。
(前略)ただ、その凄さはレンタルでしか通用せんわな。ハマジムに関するライターの論争にしても、所詮はゼニを出さない人たちなわけで。タダで観て面白い、つまんないと言ってもねえ。右手にサオを握らない人にとっちゃ、これほど面白いものはないよ。でも客はサオ握ってんだよね。
その通りだと思います。僕らは所詮、サンプルをもらって仕事でAVを見ている立場でしかない。さぁ、オナニーをするぞとサオを握り締めているユーザーとは、どうしても見方が違ってしまっている。
それはAVをカルチャーとして捉える人の意見でしょ。それが全体の何割いる? そう思っている人たちで論争すればいいじゃん。俺にとってAVは大衆芸能みたいなものだからさ。松尾くんがやってるのは暗黒舞踏で日比野正明がやってるのが古典芸能だとしたら、俺はミュージカル。
いや、もう、脱帽ですよ。シンプルで的確。ホント、松本和彦って、何もかも持っていてイヤなヤツだ(笑)。カッコよくて才能もあって頭がよくて口も立つ。当然モテる。あー、もう! そんな松本和彦と、僕と刈田萬蔵がモテについて話し合う(どう考えても一方的にノックアウトされますよ!)んですよ、今週の日曜日。あ、イベント『アダルトビデオは、どこにいくのか?』 *1のワンコーナーなんですけどね。よろしく。
そんな宣伝はさておき、こうして未だに引きずっているわけですよ、もう半年も前に僕がここで書いた「レンタルAVの見た夢」から始まった「HMJM論争」が。実は僕は、あれ以来、激しいスランプなんですわ。90年以降、AVをカルチャーとして評価しようというムーブメントに少なからず関わってきた書き手として。
ぶっちゃけて言うと、自分のやってきたことは、間違ってたんじゃないかなという気になってるんですね。地上の楽園だと言って北朝鮮帰国事業を後押しするような原稿を書いてしまったかのような、というのはいくらなんでも大袈裟すぎですが。AVに限らず、エロは何でもできる、エロは面白い、という幻想が、ここ1〜2年で崩壊しちゃったんです、自分の中で。
エロにエロ以外を期待することは、間違っていたのかもしれない。
この辺のことは、いずれキチンとまとめて書こうと思います。ま、とりあえず、この辺の話題に興味があるひとは「オレンジ通信」の松本和彦インタビューは読んでおいた方がいいかも。
*1:9月4日(日)新宿歌舞伎町ロフト・プラスワン。午後3時開演、夜中まで。1500円(ドリンク別)