ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

みさきまぐろきっぷ、恐るべし

「みさきまぐろきっぷ」を知ってますか? 京急電鉄が発売しているセットきっぷなのですが、京急線往復とバス乗車券+食事券+レジャー施設利用券(もしくはお土産券)の三枚組で、品川からだと3060円という大変オトクな価格になっているんですね。三崎港には、何回か遊びに行っているので、このきっぷの存在は知っていたんですが、利用するのは初めて。
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 先週の土曜日の朝、妻が突然「まぐろきっぷ、行こうよ」と言い出したんですね。そう言えば、この夏は色々忙しくて家族で夏らしいこと、全然しなかったからなぁ。でも、娘にも息子にも「あたしはいいや」「おれはいいや」と断られました。子供も大きくなると、遊んでもらえなくなるんですよ!

 というわけで、夫婦二人旅(日帰り)です。唐突に思いついたので出発は10時過ぎと遅くなってしまいましたが、まぁ、2時間と少しで行けるようなので、むしろちょうどよいかな。大江戸線と都営浅草線を乗り継いで品川へ到着。品川駅で「みさきまぐろきっぷ」を購入します。
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 そこから京急本線快特三崎口行きで、三崎口駅まで一時間7分。この間に、もらった「みさきまぐろきっぷ」のパンフレットを眺めて色々と検討しなければなりません。まずは何を食べるか。なにしろ候補は30店舗もあるのです。この「まぐろきっぷ」で食べられるセットは、どの店もまぐろ中心のメニューであることは変わりませんが、それが寿司なのか丼なのか刺身なのか。さらにはサイドメニューもチェックしなければいけません。パンフレットを眺めつつ、二人でスマホで体験した人のブログなども調べて、激しく意見を戦わせます。

「この廻転寿司・海鮮は、まぐろ類6貫に地魚等6貫の計12貫のお寿司にビールまでつくぞ!」
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「丼だったら、まるつねってお店がすごいわよ。中トロ、ビンチョウに赤身に、まぐろの卵と胃袋、さらに地魚二種に、サザエまで乗ってるちらしよ!」
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「いやいや、まぐろ食堂・七兵衛丸の、大トロ・中トロ・赤身に地魚4種、さらに海老の海鮮丼には敵うまい」
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城ヶ島・港屋のまぐろづけ丼に巨大なカマ照り焼きというのも捨てがたいわね。しかも味噌汁はわたりがによ!」
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 どれも美味しそうなのです。実際に食べた人たちのブログを読んでも、いずれもボリュームもかなりのもののようです。
 そしてレジャーの方も選ばなければなりません。日帰り温泉(3ヶ所)、油壺マリンパーク、レンタサイクル、水中観光船、ガラス工芸体験など、こちらもどれをとって楽しそう。おみやげという選択肢だってあります。


 二人で悩みに悩んで決めたコースは、三崎口駅からバスで城ヶ島へ渡り、そこでボリュームがすごいと噂の中村屋のまぐろてんこもり丼を食べ、城ヶ島の海岸を散策し、小学校分校校舎を利用した海の資料館を見て、バスで三崎港へ。そこで水中観光船に乗り、三崎下町を巡って、産直センターうらりマルシェでお土産を買って帰宅。なんという完璧なプランでしょうか。
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 超かわいいカワウソと遊べる油壺マリンパークや温泉にも惹かれたのですが、これはまた次回ということで。
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 プランに悩んでいるとあっと言う間に三崎口駅に到着です。ここからバスに乗って城ヶ島へ。城ヶ島三浦半島の最南端の小さな島で城ヶ島大橋によってつながっています。三崎口駅からは30分ちょっと。
 城ヶ島は、のんびりとした島で「あー、昭和の海の町だなー」という雰囲気。お土産屋さんの並ぶ通りなどもあるのですが、あまりがっついた感じがないのがいいですね。バスの停留所から海岸へ向かう道なりに、目指す中村屋はあります。ありましたが……。

「うわ、すごい行列!」

もう午後1時を過ぎているのに、店の前には大行列が。この店を選んだ理由は、ボリュームのあるまぐろてんこもり丼に惹かれたのはもちろんですが、メインの三崎港から離れた城ヶ島の店なので、空いているのではないかと予測したこともあったのです。
 実は京急の「みさきまぐろきっぷ」のサイトには、各店舗の混雑状況がチェックできるページがあり大変便利なのですが、中村屋は「?」マークになっていたんですね。ううむ、これは忙しくて情報を更新するヒマがなかった、と読み取るべきだったのか。

 もうお腹も空きまくっていたので、この行列に並ぶ気はありません。空腹で死んでしまいます。城ヶ崎エリアでは他に店は4軒(うち一軒は休業中)。そこで次点として考えていた「レストラン磯香瀬(いそかぜ)」に向かいます。
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 磯香瀬は、相模湾に面した城ヶ島京急ホテルのレストランで客席からも海がよく見えます。ホテルのレストランといっても、水とお茶はセルフサービスというカジュアルなお店ですね。
 さて、まぐろきっぷ用のメニューです。熟成タレに付けたマグロ赤身と中トロ(かな?)、山盛りのすき身が乗ったマグロ丼と、まぐろカツ、肉の代わりにマグロのトロを入れて蒸し上げたまぐろとろまん、まぐろ角煮に、味噌汁というラインナップ。マグロ丼のマグロが美味しい。量もたっぷり。マグロが多すぎてご飯が足りないと思ったほど。マグロカツも、とろまんも食べごたえあり。とろまんに関しては、デザート的に食べようと後回しにしたのは失敗でしたね。あれは来てすぐに熱々のうちに食べるべきだった!
https://www.instagram.com/p/BYz1MYKD4m7/


 これ、普通に食べたらいくらくらいなんだろう。千円は楽にオーバーすると思いますが。満足した気分で、そこからすぐの海岸へと降りていきます。
 溶岩によって作られたと思われる複雑に入り組んだ磯場には、多くの水たまりが出来ていて小魚やカニ、海老、貝、ヤドカリなどがたくさんいます。子供たちが大喜びで遊んでおります。あー、うちの子たちも小さい時だったら、すごい喜んだだろうなぁ。あとは孫を連れて来られることを期待するか(笑)。

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 しかし、どこまでも続く奇怪な景観は、まるで異星のようでもあります。ここ見られただけでも、来た甲斐はあったな。
https://www.instagram.com/p/BYz1bXtjNAW/

 さて、次は「海の資料館」を目指します。城ヶ島の中央あたり。かつて三崎小学校城ヶ島分校だった校舎を利用した資料館とのこと。古い校舎というのに惹かれて行ってみたのですが、あれ、入れない…。
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横の看板を見ると、「開館は木曜・日曜」のみ! いや、実はパンフレットで見ていたんですけど、「閉館は木曜・日曜」だとばかり思ってました。まさか二日間しかやってないとは……。前でがっくりしていると隣の城ヶ島漁村センターからおじさんが出てきて、色々と解説してくれました。この分校は昭和6年から昭和45年まで開校していたとのこと。かなり貴重な建築物ということで、市の有形重要文化財として指定されているそうです。うーん、中を見たかった。今度は日曜に来ますとおじさんに告げて、バス停へ戻り、三崎港へ。

 レジャー施設利用券は悩んだ末に水中観光船にじいろさかな号を選んだわけですが、受付に行くとこれから乗れる16時の回は満席とのこと。うわ、遅かったか! で、この16時の回が最終だったのですが、急遽16時40分に臨時便を出すことになったそうなので、こちらに申し込みました。あぶない、あぶない。


 では1時間ほど時間が空きましたので、先に三崎下町を散策することにしましょう。三崎港周辺の町並みは、古い店と最近出来た小洒落た店が混在していて、なかなかいいムードなんですよね。
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で、古い蔵造りの商家をそのまま使った三崎昭和館を覗きます。が、もう閉館支度しているじゃありませんか。え、まだ4時前なのに? それでも入れてもらえることになったので、サクっと拝観。昭和の生活の品々が展示されていて、楽しいです。そして入場無料!
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 その後は、海南神社にお参りし、樹齢800年という大銀杏に圧倒され、神社前のカフェ、海南テラスで一休み。毎朝、神主さんがお祈りした水で作るというご神水アイスコーヒーをいただきました。
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 さて、水中観光船にじいろさかな号に乗船。
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児童合唱団によるにじいろさなか号のテーマが高らかに流れていて、なんとも言えないムードが高まります。にじいろさかな号は、10分ほど航行して展望ポイントまで向かうのですが、実はその間が個人的には一番の見どころだったりします。船が出ると、カモメがわらわらと寄ってくるんですね。実は船員さんがエサを撒いているのでそれ目当てに並んで飛んで来るのですが、これが実に楽しい。エサ(かっぱえびせん?)は50円で購入できるんですが、カモメが上手くキャッチできるように投げるのはなかなか難しいですね。あとトンビもかなり来ます。海から見る港や城ヶ島の景色なども見どころなんですが、カモメに夢中で全く見てませんでした(笑)。
https://www.instagram.com/p/BY0LEj1DpMb/


三崎港 にじいろさかな号についてくるカモメたち

 さて、展望ポイントへ到着すると、船内の展望室へ。ガラス越しに海中の様子を見ることができるわけです。長年餌付けしているので、船が来ると魚が寄ってくるんですね。メジナクサフグ、あとはクラゲなど。美しく楽しい景色なんですが、じっと見てるとちょっと酔いますね。
 適度なところで、再び甲板へ。船員さんがエサを撒いていて、魚が群がってくるのが海面からもよく見えます。エサ捲き体験もできるのは嬉しいポイント。
 そして、帰りの航行でもカモメを堪能したしました(笑)。

 さて、港に帰り着き、「産直センターうらりマルシェ」でお土産を購入しようかと思ったら、

ええっ!? 営業時間17時までなのっ!!!

 以前に来た時は、この巨大市場のような「うらり」がすごく楽しくて、ぜひ妻にも見せたいと思い、今回の目的のひとつでもあったんですが……既に時遅し。観光地なのに、オンシーズンなのに、土曜日なのに……。やはり漁師町の夜は早いのか…。そういや三崎昭和館も16時閉館だったしな…。
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※これは4年前に来た時の写真。真ん中でまぐろコロッケを食べているのは柳下毅一郎さん。

 しかし子供たちへのお土産を買っていかないわけにはいかない! というわけで、うらりの近くにあった「湊魚問屋」で、まぐろエラ肉ユッケ、頬肉バター焼き、ネギトロなどを購入。帰宅してみんなで夕飯に食べましたが、子供たちにも大好評でした。
 三崎の夜は、早いのだな、ということで帰路につきます。三崎口駅行きのバスより先に、三浦海岸駅行きバスが来たので、こちらに乗ります。まぐろきっぷは途中の駅から乗るのもOKなので。


 というわけで、三浦海岸駅から品川駅、そして帰宅。
 コレだけ遊びまくって、3060円。あと現地で使ったのは、海南テラスでのアイスコーヒー代と湊魚問屋でのお土産代、それから自動販売機でお茶を買ったくらいのものですよ。
 品川・三崎口間が往復で1860円、三崎口駅から城ヶ島までのバス代が400円。城ヶ島から三崎港までのバスが240円。にじいろさかな号が1200円。三崎港から三浦海岸までのバスが330円。この時点ですでに4030円。昼ごはんは明らかに1000円以上だと思うので、少なくとも2000円はお得、ということになります。恐るべしみさきまぐろきっぷのコストパフォーマンス!

 まぁ、自宅から品川まで都営線で行ったので往復920円かかったのを都営まるごときっぷ(一日乗車券)を使えば700円になって、更にお得だった! というような反省点もありました。次回に活かしたいと思います。今回のように朝に思い立って出かける、なんてのも可能な距離ですしね、三崎。まぁ、夜が早いのでもっと早めに出た方がよかったですが(笑)。


 いや、これはマジにまた行きますよ。みうらまぐろきっぷ最高! 

 次回行くとしたら、少し早めに出て、三崎口駅からバスで三崎港、「まるつね」でまぐろと地魚のちらし食べて、バスで油壺マリンパーク行って、また三崎港にもどって、うらりマルシェで買い物して…、とプランを考えるのがまた楽しいんですよね。

 さらに最近は「よこすか満喫きっぷ」とか「葉山女子旅きっぷ」なんてのも出来たみたいですね。ううむ、個人的には西武線至上主義なのですが、京急やるな!
www.keikyu.co.jp

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