海苔のりべん(950円/福島県/B-5)
会期中は毎日通う僕ですが、土日は激混みなので休むことにしてます。だって、まるで満員電車の車内みたいな阿鼻叫喚状態なんですもの。
とかいいつつも、ついつい覗きに行ってししまうのが駅弁大会者の性。もう混雑のピークは過ぎてる時間だからね、と自分で言い訳しつつ2時半頃に会場イン。
うーん、やっぱりそれでも混んでます。そして輸送コーナーでは、狙ってた駅弁は壊滅状態。さて、どうしよう。じゃあ、ここは実演で前半のみ(17日まで)の駅弁に行ってみますか。
というわけで、選んだのが、福島県は東北本線・郡山駅の「海苔のりべん」。2016年大会に初登場して、その年の僕のランキング2位にランクインした名弁です。
もう名前が「海苔のりべん」、そして内容も、そのまんまののり弁です。おかずも塩ジャケ、玉子焼き、煮物、かまぼこ。え、これで950円?! と思いますよね。ええ、僕だって、そう思いますよ。未だに買うのを躊躇する時があります。
でも食べ終わった時には、「ああ、やっぱりこれ食べてよかったぁ」という気持ちになるんですよね。なぜなら、すごく美味いから!
とにかく、のり弁パートが美味いんですよ。海苔は二段、そしてオカカと昆布の佃煮と梅干し、それとご飯。なんの変哲もないのり弁なのに、これが美味しい。ああ、日本人に生まれてよかった!と感謝したくなる美味さ。海苔とオカカと昆布と梅干しで食べるご飯って、なんて美味しいんだろう。
おかずも地味ながら強力なんですよ。特に塩ジャケ。脂が乗っててたまらない。これでご飯を食べる幸せよ。
ほか弁とかで300円代で販売してるのり弁も、美味いじゃないですか。でも、あれを本気で金をかけて作ったらこうなるという駅弁なんですよ、これは。酔狂な試みですよね。ある意味、野暮かもしれない。そんなのは、のり弁じゃないかもしれない。
でも、美味い。逆らえないほど美味い。弁当ってこれでいいんじゃないかと思ってしまうんですよね。豪華なオカズとか、アイディアとかいらない。基本に忠実であれば美味しいんですよ!
というのは、駅弁自体を否定することになってしまう危険な思想ですね。うん、ある意味で危険な駅弁だと思いますよ、これは。超保守派です。だからこそ力強い説得力を持ってるんですよ。ううむ、恐ろしいぞ、海苔のりべん。