ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

やっと面白いアダルトVR作品に出会えた? 『【VR長尺】当然、勝手にAV化!イケメンの友達がほろ酔い状態の女の子を僕の部屋に連れて来た!女に無縁の僕にはそれだけで大興奮なのに超過激でHな王様ゲームが始まっちゃって…VR編』(お夜食カンパニー)

 基本的に僕はアダルトVRには否定的な立場を取っています。「これからのアダルトはVRだ!」なんて興奮気味に語る人もいますが、僕はあまり賛同できません。
 どう考えても、それほど普及するとは思えないからです。その理由を上げていくと、キリがないほど並べられるのですが、一番ネックになると思われるのが、いちいちVRゴーグルを装着して見ないといけない点でしょう。

 AV、というかズリネタの現在までの歴史を見ていくと、常に主流はより手軽に楽しめるフォーマットへと移り変わっています。映画館で見る成人映画から、自宅で見られるAVへ。そしてさらに手のひらで見られるケータイ、そしてスマホ動画へ。いくら高画質でも、「こっそり」見られないものは普及しません。大画面で見ないと意味のないブルーレイがAVではさっぱり普及していないのが、その証拠です。

 そういう意味では、ゴーグルをつけないと見られないVRはハードルがかなり高い。AVがオナニーのためにあるコンテンツだとするならば、ゴーグルをつけたままでオナニーするというのは、完全に誰も入ってこないことが保証された個室の中でもない限り、なかなか出来ないことです。家族と同居している人には危険すぎる。留守中だからと思ってゴーグルつけて楽しんでいる時に、不意に家人が帰ってきたとしたら……。視覚聴覚を遮断されている身では、物音に気づくことすらできないのです。その悲劇の光景は、想像するだけでも恐ろしい。

 そして内容的にもアダルト、というか現在のAVのコンテンツはあまりVRと相性がよくないように思えるのです。
 まず現時点では、撮影方法の関係で、ユーザー(主観者)が受け身にならざるを得ないんですよね。具体的に言うと、正常位のセックスを撮るのが難しい。VRに向いているのは、相手が動いてくれる騎乗位や、女性からの愛撫なのです。カメラが動くと非常に見づらい映像になってしまうからです。
 なので、現在のアダルトVRの主流は、痴女物とフェチ物になっています。いや、その辺のジャンルとVRは非常に相性はいいとは思うんですよね。

 僕もアダルトVRの作品は、結構見ていますし、イベントなどでのデモンストレーションも体験しているんですが、面白いなと思ったものは、痴女物(特に複数痴女物)やフェチ物です。女性がこちらに何かしてくる、というプレイは非常に臨場感があって興奮します。
 しかし、そうなるとアダルトの中でも制限されたジャンルしかVRは活かせないということになります。なにしろ王道中の王道である正常位セックスがダメというのは、キツイ。
 Mっ気のある男性やフェチ趣味の男性しか、VRは楽しめない。となると、アダルトVRが普及すると、男性のマグロ化が進行するという恐れも?(笑)

 とはいいつつも、基本的に新しい物好きではあるので、常にチェックはしているのです、VR。アダルトVRエキスポにも足を運びましたし、VR手コキ風俗も体験取材しました。VR動画もちょくちょく購入しています。
 でも、なかなか本気で「これは面白い!」と言えるような作品にはめぐりあえませんでした。せいぜい期待値込みで評価、というレベルです。
 ところが初めて「おお、これはいい! これこそVRならではのアダルト!」と思える作品に出会いました。えー、ストレートに言うと、初めてVRでオナニーしちゃいました(笑)。
【VR長尺】当然、勝手にAV化!イケメンの友達がほろ酔い状態の女の子を僕の部屋に連れて来た!女に無縁の僕にはそれだけで大興奮なのに超過激でHな王様ゲームが始まっちゃって…VR編

 その作品が『【VR長尺】当然、勝手にAV化!イケメンの友達がほろ酔い状態の女の子を僕の部屋に連れて来た!女に無縁の僕にはそれだけで大興奮なのに超過激でHな王様ゲームが始まっちゃって…VR編』です。タイトル、長すぎですが、ここのメーカーの作品はみんなこんな感じのタイトルです。

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「日本初のニューハーフAV」出演者からのお手紙

 毎度ながら、すっかり更新サボっちゃっててすいませんです。

 先日、美郷りらさんという方からお手紙をいただきました。なんと以前に書いた「日本初のニューハーフAVを発見する」で紹介した「華麗なるゲイの世界を彩るドラマ リラ」の主演の「リラ」さんなのです。
 自分の名前を検索していて、偶然あのエントリーを発見したとのことです。

rioysd.hateblo.jp

 お手紙によると、りらさんは、あのビデオをAVではなく、あくまでもイメージビデオだということで話を受けたとのこと。確かにメインはショーのシーンですし、カラミも擬似であることがわかる、今でいうMUTEKIみたいな感じですもんね。
 りらさんの記憶によれば、撮影したのは1982年とのこと。となるとあの作品が発売されたのは1982年、もしくは1983年というところでしょう。いずれにせよ日本初のニューハーフAVであることは間違いないようです(あれがイメージビデオなのか、AVなのかはさておいて)。

 拙著『痴女の誕生』でも書きましたが、当時はちょっとしたニューハーフブームで、テレビや週刊誌などでもさかんにニューハーフが取り上げられていました。りらさんも、人気ニューハーフとして(当初はソフトゲイと言われていたとか)多くのテレビ番組や雑誌などに登場したそうです。サザン休止中の桑田佳祐のバックで踊ったこともあったとか!

 そして、「日本初のニューハーフAVを発見する」でも書いた下着のモッコリですが、あれはスタッフがハンカチを畳んで下着の中に入れて膨らませたとのこと。りらさんは、その時はタマ無しサオありの状態だったそうですが、ふくらみが足りないと監督が判断したんでしょうね。

 こうやって当事者にお話を伺えるというのは、僕のようなアダルトメディア研究者にとっては、大変うれしいことなんですよね。先日も伝説の編集者、櫻木徹郎さんに貴重な話をたくさん聞くチャンスがあり、勉強になりました。

 80年代のAV、エロ本の現場の話、もっと聞きたいなぁ……。

 

アダルトVRが成功するためには

 デラべっぴんRから、「この間のジャパン・アダルト・エキスポ(JAE)でアダルトVR試用したんでしょ。それについて書いてよ」と言われたんですが、悩みました。その前にも「アダルトVRエキスポ」も見に行ったり、他でもちょこちょこ試してはいるんですが、正直な感想を書くと、やっぱり辛辣な原稿にならざろう得ない。でも、ま、正直に書いちゃいました(笑)。

dxbeppin-r.com

 僕個人としては、アダルト系ライターとして独立した約20年前(1994年)に得意としていたジャンルは当時盛り上がっていたアダルトCD-ROMやアダルト系ネットだったこともあって、アダルトのニューメディア展開に関しては、ずっと興味を持って見てきました。
 そうすると、まぁ、死屍累々な歴史なわけですよ。「ニューメディアを牽引するのはエロの力!」なんて、毎回叫ばれているんですが、実際にはそんなことは全くないわけです。エロの為にそのプラットフォームが普及するわけじゃなくて、既に普及したプラットフォームでエロが拡散するにすぎない。エロのために、いち早くそのハードを買うなんて人は、そんなに多くない。
 そして誤解されてるんですけど、エロに対して、人は結構保守的です。新しい(面倒くさい)試みは、なかなか受け入れられない。インタラクティブ性を売りにしていたアダルトCD-ROMが結局、ただムービーを詰め込んだだけの商品になっていった過程や、DVDが当初マルチアングルやマルチストーリーを売りにしていた事実なんて、みんなすっかり忘れてる。
 そんな歴史を見ていると、アダルトVRがそう簡単に普及するとは思えない。
 ゲームなどで、VR環境がかなり普及した状況になったら、そこでアダルトが広まるということは十分考えられるけれど、アダルトが普及の牽引力になるとは思えない。
 CG系なら可能性はあると思うんですよ。VRで出来ることも広がるし、ユーザーとの親和性も高い。
 ただ、少なくとも現時点での実写アダルトVRは、単なる3DAVにしか過ぎなくて、これが魅力あるコンテンツだとは、とても思えない。作っている側は、本気でこれが「素晴らしい新次元の性体験!」と思っているのでしょうか。3DAVの時も、そう思ったけど(笑)。
 少なくとも現時点の完成度で出すべきではなかった。これで「アダルトVRって、こんなもんかー」と思われたら、もうユーザーには見離されてしまう。

 それでも実写系アダルトVRに可能性を見出すとすれば、デラべっぴんRの原稿にもちょっと書いたんですが、風俗店的な展開だと思うんですよね。実際に現在発売されている実写アダルトVRのコンテンツは、ほとんどが女性に愛撫される痴女物。これは現状のVR撮影の制約上、こうなってしまっているんですが、まぁ、相性はいい。
 で、考えました。これならお金を払ってもいいかもしれないアダルトVR。
 少し前に新宿に出来た風俗店で「闇鍋会」というのがあるんですよ。
yaminabekai.com

お客はアイマスクをして、ベッドに拘束されてサービスを受ける。風俗嬢の顔は最後まで一切見ることが出来ないという店です。女のコとしては顔バレが一切ナシで働けるメリットがあるからか、普通の風俗店よりも料金は安めになっています。
 こういうスタイルとVRを組み合わせる。そうすると、人気AV女優とプレイをしている気分で、風俗嬢のサービスを受けることが出来る(風俗嬢は出来るだけ、映像とシンクロするようにサービスする)。女のコは顔バレの心配もないし、多少ルックスに問題があっても大丈夫だったりする。低価格で、憧れのあの子とエッチが出来るんですよ! それもリアルに!
 どうですか、このアイデア

 いや、ま、こういう方向しか成功する手は思いつかないんですよね、アダルトVR……。

戸田真琴デビュー作と、処女でAVに出演するということ

 戸田真琴をインタビューしたのは5月のこと。まだデビュー作のサンプルもあがっておらず、「処女でAVデビュー」という以外、前情報がない状態での取材だったが、大変可愛らしく、表情も豊かで、しかも頭の回転が早くて話も面白い女の子なので、いっぺんで好意を持った。特に映画が好きだという話題で、好きな監督として「ジム・ジャームッシュゴダール」なんて名前があがったところで、心を打ち抜かれた。いや、今でこそ映画をほとんど見なくなった僕だが、10代の頃はシティロード片手に名画座に通い、この辺りの映画をずいぶん見倒したのだ。彼女の所属するSODクリエイトのレーベル名「青春時代」そのままに、甘酸っぱい思い出も蘇ったりして。しかしサブカル好きの今どきの女の子だと、ジム・ジャームッシュゴダールってのはなかなか出てこない名前じゃないだろうか。もうそこでグッと来る。とにかく、もっと色々なことを話したいと思わせてくれる魅力的な女の子だった。

 その後も、TwitterやBlogなどもチェックして、書き込まれる誠実な文章と愛らしい自撮り画像に、すっかりハマり、「個人的に今一番可愛いAV女優」としてプッシュしていた。

 そして昨日、満を持してデビュー作『「私、Hがしてみたいんです」 戸田真琴 19歳 処女 SOD専属AVデビュー』 が発売され、僕の元にもサンプルDVDが届いた。期待に胸を膨らませて再生。いや、実はAV本編を見ないで、AV女優として推していたことに若干の罪悪感を感じていたということもあったのだ。いくら可愛くても、それだけじゃAV女優としての評価は出来ないのだから。なにしろこの時点では、裸もろくに見てないのだ。

 再生して、少し慌てた。

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日本初のニューハーフAVを発見する

 拙著「痴女の誕生」の第五章「男の娘の時代」で、日本最初のシーメール(ニューハーフ)AVは1986年に映研から発売された「シーメール ちえみ」だと書きました。これは藤木TDCさんの著書「アダルトビデオ最尖端」(コアマガジン 現在は「ニッポンAV最尖端」として文春文庫より発売)を参照したのですが、先日これより前に作られたシーメールAVを発見してしまいました。

 4月26日に神保町の東京堂書店さんで、とみさわ昭仁さん、柳下毅一郎さんと三人での新刊発売記念イベントに出演したのですが、会場に向かう前にちょっと古本屋を回っていたら、かなり古そうなVHSのAVが売られているのを発見したんですね。その中に「華麗なるゲイの世界を彩るドラマ リラ」「華麗なるゲイの世界を彩るドラマ エミ」という2本があったんですね。
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クリアハードケースのAVというと正に黎明期の80年代前半の作品のはず。メーカーは「シーメール ちえみ」を出した映研。手に取ってみると、タイトルこそゲイですが、パッケージに写っているのは明らかに女性のようなルックス。あ、これはニューハーフ物だな、とわかりました。「エミ」の方のパッケージ表面には「ニューハーフ(ゲイ)の世界に悶える」というキャッチコピーもあります。80年代前半のこの時期には、まだゲイもニューハーフも混同されていたということでしょう。そして何気なく「エミ」のパッケージを見ていると、「ビデ倫No.84226」の表記が。

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【今月の自腹で買ったAV】花と狼 川上ゆう(アタッカーズ)

https://instagram.com/p/2h-xP8jW-G/

 団鬼六原作の映像作品には、いつも不満でした。映画やVシネマは数多く作られ、そのいくつかはヒットしていますが、どれも原作とはかけ離れたアレンジがなされたものばかり。杉本彩版の「花と蛇」なんて、登場人物の名前以外何一つ原作と関係ないじゃないですか!
 なので、団鬼六ファンとしては、いつも映像作品を見ては落胆するという繰り返しでした。
 しかし、アタッカーズで「花と狼」をAV化すると聞いた時は、「おおっ?」と思いましたね。何しろ主演が川上ゆうだというじゃありませんか。以前から僕は団鬼六作品のヒロインを演じるなら川上ゆうしかありえないのではないかと思っていたんですね。
 しかも作品が「花と狼」。実は、僕が一番最初に読んだ団鬼六作品が「花と狼」の桃園書房から発売された単行本なのです。これを古本屋で立ち読みした時には、痺れるようなショックを受けましたね。これは短篇集で、僕が一番好きなのは美人教師と可憐な女子生徒がズベ公たちにリンチされる「肉の復讐」ですが、もちろん表題作も大好きでした。

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【今月の自腹で買ったAV】AVデビューで即引退。剃毛美少女 深田久美(宇宙企画)

https://instagram.com/p/1MqoDDjW7K/
 今、9年ぶりの書き下ろし単行本をコツコツと執筆中なのですが、その中で宇宙企画の黄金期について触れました。80年代後半のAV業界において、宇宙企画というのは絶対的な王者でした。当時の僕は宇宙企画のエースであったさいとうまこと監督のノスタルジックでリリカルな世界に夢中でした。あの頃の宇宙企画が描き出した美少女像への憧れは今でも僕の心の中に強く残っています。
 しかし90年代以降、宇宙企画は迷走してしまいます。時代に合った新しい美少女像を提示できなかったのです。
 紆余曲折の末に現在の宇宙企画は、大手メーカーであるケイ・エム・プロデュースのレーベル名として残っています。それでも当初は、美少女系単体物がメインだったのですが、やがて企画単体物が増え、そして昨年あたりから、ちょっとダークなロリ系の作品が中心になっていました。
「『わたし赤ちゃん出来ても良いよ…』ママには内緒で田舎から遊びに来た地味子な姪っ子しおん」「週末限定中出しOK従順美少女デリバリー りょうか」「16歳離れた妹と子作り温泉旅行 陽木かれん」なんてタイトルから、内容は想像できるでしょう。
 ああ、おれの愛した宇宙企画を、「青空に星いっぱい 秋元ともみ」「ぼくの太陽 かわいさとみ」の世界を返してくれ! と、言いたい気持ちもありますが、ま、実はこの辺の世界も嫌いではないんです(笑)。

 というわけで、今月自腹で購入したのは、その最新型宇宙企画「AVデビューで即引退。剃毛美少女 深田久美」です。パッケージには、「たった一度の幻のAV作品」「この娘が本作品以外に出る事は絶対にありません!!」というキャッチが踊っています。一応、作品内の設定としては、素人の女の子を口車にのせてAVに出演させてしまったという感じなんですが、実際は撮影終了後に何かあって引退しちゃったということだったりするんでしょうかね。

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