ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

WIRE@代官山UNIT

 代官山UNITって、あんまり好きじゃない小屋なのでどうしようかなぁと直前まで悩んでいたんですけど、やっぱりたまらなくなって行って来ました、WIRE来日公演。

 やっぱりよかったわぁ。WIREはいつだって裏切らない。まず何がよかったかって、そのルックス! 去年の来日よりもグッと老けこんで、もう完全にお爺ちゃん! 年季の入った老職人が作業に没頭しているかのように終始への字口で(でも結構楽しそう)ゴリゴリとベースを弾きまくるグレアム・ルイス、瞑想するお坊さんのように目をつぶり、背筋を伸ばしてビートを叩きだすロバート・グレイ、そして後頭部がちょっとヤバイ感じになってきたコリン・ニューマン。さらにサポートはオルタナ大好きな孫という感じの若い長髪のギタリスト。見ていてジジメタルジャケットのニューウェーブ版だなーと思いました。「おらあニューウェーブしかできねぇからよう」なんてセリフが聞こえてきそうです。

 しかし、まぁ、ニューウェーブ一筋40年。いい感じに枯れて、円熟のサウンド。ニューウェーブとは破壊だ、若さだ、という概念は間違ってたんだなと思いました。というか、WIRE、昔より今の方がサウンドもルックスもよくない?

 爆音ノイズギターと延々と反復するビート。うっとりしました。一曲30分くらい延々と反復してて欲しいなぁと思ってしまいました。おれ、ライブを見ていて一番快感を覚えるのはWIREかもしれない。

 最近のインタビューで、当時の周囲のバンドの再結成について聞かれていて、「我々は現役だ。一緒にするな」みたいに答えてたけど、確かにWIREは全然違う。まだまだ現在進行形。ニューウェーブの正しい年のとり方を教えてくれている。枯れたからといって、ブルースとかアコースティックに行かなくてもいい。枯れた爆音という道だってあるのだ。ニューウェーブ中年としては、大先輩に正しい年の取り方を見せてもらったような気がします。

 あんな爺になりてぇ!

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