ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

誰もいない居酒屋でノンアルコールビールを飲む

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 池袋北口の「D都会」といえば、24時間営業で激安とあって、昼飲みどころか朝飲みの聖地として、池袋周辺の飲兵衛の間では愛されている店です。
 しかし、緊急事態宣言でお上から、「酒類の提供禁止」と言われてしまったら、他の飲み屋同様、さすがの「D都会」も休業するしかないでしょう。

 と思ってたんですが、たまたま前を通ったら、あれ、やってる? 外の看板にはいつもの通りに「昼居酒屋できます24時間営業中」「生ビール4杯券1000円」「酎ハイ3杯券600円(各種)」なんて書いてあります。
 え、通常営業? と階段を降りていけば、「営業案内 緊急宣言により当店は朝9:00~夜8:00までとさせて頂きます。尚、酒類は販売中止とさせて頂きます」
との張り紙が。
 まぁ、そうですよね……。

 覗き込んでみると、営業はしているようですが、お客の姿は見えません。
 でも、酒類以外は通常営業なのかな。ちょっと興味を持って入ってみることにしました。
 店内に入ると、女性の店員さんが少し慌てたように
「アルコールはないんですけど」
「ノンアルコールとおつまみはあるんですよね」
「はい」
「じゃ、いただきます」

店内は他にもう一人男性店員がいるだけで、客の姿は無し。
 このD都会、いつ行っても客がいっぱいなんですよ。早朝に行っても、昼に行っても、深夜に行っても。他に客のいない貸し切り状態なんて初めてですよ。なんか不思議な気分です。

 食券の自動販売機を見ると、ドリンクのところは軒並み「売り切れ」の赤い文字。ようやくノンアルコールビールを探し出します。
 え、350円もするんだ、ノンアルコールビール。生ビールが4杯1000円、酎ハイ3杯600円なのに……。
 そして煮込み350円も頼んで合計700円。なんかD都会にしては、ずいぶん高くついたような気持ちになりますが、まぁ、そこはしょうがないですね。

 二人がけ用のテーブル席に座って、ノンアルコールビールの小瓶をチビチビ飲みながら、煮込みをつまみます。テーブルにはちゃんとアクリル板の仕切りもあります。
 がらんとした無人のD都会店内を眺めながらノンアルコールビールを飲む。貴重といえば貴重な体験ですね。
 さすがにおかわりをする気にはならず、これでおしまいにすることに。
 僕がいる間、他のお客さんは来ませんでした。もしかしたら、僕は初めての客だったのかな。だからあんなに驚かれたのかな。
 ずっと、ノンアルコールビールなんて、と思っていたんですが、こうやって飲み屋の雰囲気の中で飲めば、それなりに気分は味わえます。

 結局のところ、僕らが飲み屋を応援するのって、こういうことしか出来ないのかな、という思いました。
 一人で、黙ってノンアルコールビールを飲み、ちょっとつまんで、サッと出る。もちろん、モヤモヤとした欲求不満は残るんですけど、それで少しでも飲み屋さんの力になるのだったら……。
 まぁ、ほとんどの飲み屋さんは休業してるようですが、その中でも営業してる店を見つけたら、ちょいとノンアルコールビールでもひっかけてみようかな、そんな気持ちになっております。

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