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ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

金沢日和(1000円/石川県/D-1)

駅弁大会

https://www.instagram.com/p/BPoQnfrgBZ4/
 最終日。締めの駅弁を何にするのかは、毎年悩ましい問題です。会場へ向かうぎりぎりまで悩んで、大分の「なごり雪」と決めました。輸送の「なごり雪」は入荷数が少ないらしく、早めに行かないとすぐに売り切れ。輸送の列に並んでいる間も気が気ではありませんでした。
「くまもとランチBOX売り切れましたー」
「本日、島根県の駅弁、交通事情のため入荷が遅れてまーす」
という係員のアナウンスにドキドキしながら並びます。よし、まだ「なごり雪」は売り切れてないようだぞ。そして輸送ブースへ入場。一直線に九州コーナーへ向かいます。同じ大分県の名弁「山海三昧」が積まれているのが目に入ります。ではこの横にあるはず。……あるはず……。ない。
血相変えて係員に聞きます。
「な、なごり雪は?」
「あれぇ、さっきまであったんですけどねぇ。売り切れですね」
ガーン。

(ここから文体変わります)

 じゃあ、同じ会社が作ってる「山海三昧」でいいかというと、そうもいかない。いや、「山海三昧」は素晴らしい駅弁だけど、おれはもう「なごり雪」モードだったんだ。いくつかのおかずは共通らしいけど、逆にそれが悔しい。違う駅弁にしよう。悩みながら輸送ブースをぐるぐる。気になる駅弁は、もちろんいっぱいある。でもしっくりこない。おれの今年の駅弁大会を締めくくる駅弁にふさわしいのはどれなんだ。

 三周くらい回って悩んだ末に輸送ブースを出る。実演だ。実演で探そう。おだやかな混雑ぶりの実演ブースを回る。ウニ・カニ系の豪華海産物や、肉がドーンという駅弁の気分ではない。おれがこよなく愛している「ぶりかまめし」でもない。もっと、こう、優しい、癒し系の駅弁が締めにはふさわしいんじゃないだろうか。そういえば、輸送ブースでも、いっそ「菜の花弁当」にしようかと悩んだんだよな。
 そしてたどり着いたのが、D-1輸送ブース。ここは渋い輸送駅弁が並んでいる。おっ、人気の「母恋めし」が並ばずに買えるじゃないか。いや、でも違う。母恋じゃない。過去に買った駅弁じゃない、新しい出会いをおれは求めている気がするのだ。

 そこで目に入ったのが石川県の「金沢日和」だった。チラシでは「1000円弁当特集」として、福島県の「野菜畑の牛めし」と並んで掲載されている。「野菜畑の牛めし」はよかった。前半戦で個人的ベスト1に選んだほどだ。となると、こっちもいいんじゃないか? 大きさは「野菜畑」と同じくコンパクトなスリム型。ボリュームには欠けるが、紅ズワイガニとイクラのちらし寿司、たらのこ旨煮、カキのいしる煮、そしてのどぐろ塩焼きと豪華な布陣。デザード代わりにさつま芋(五郎島金時)の甘露味も。豪華ではあるが、どこか慎ましやかで端正な印象。この辺が金沢の粋なのか。行ってみるか、金沢。1000円という値段もいい。昨日、1998円の佐賀牛ロースステーキ&カルビ弁当なんて贅沢しちゃったしな。

 さっと「金沢日和」を購入して屋上へ。最後は屋上食いで決めよう。寒いが天気はいい。いつものように自販機でホットの十六茶を購入し、植え込みの木製縁に座る。もどかしげに包みをほどき、蓋を開ける。
 おお。
 思わず声が漏れる。いいじゃないの。華やかでありながも落ち着きがある日本の美を体現したような弁面。まずはちらし寿司エリア。イクラと錦糸玉子をまぶした酢飯をぱくり。
 うん、うん。これはいい。イクラうまい。酢飯うまい。続いて、たらのこ旨煮。やさしい旨さ。そしてカキのいしる煮が美味かった。カキの味わいがズンと来る。のどぐろは、まぁ、これ、無理にのどぐろじゃなくてもよかったかな、という感じ(笑)。野菜の煮物もいちいちしっかりしている。充実。ボリュームには欠けるはずなのに、満足感がある。いや、むしろこのコンパクトさがいい。
なごり雪」ちゃんには振られてしまったけど、だからこそ「金沢日和」ちゃんとの新しい出会いがあった。結果オーライ。人生に無駄なんてない。

 これで本年度のおれの京王駅弁大会は終了。ビシっと有終の美を飾れて、よかった。今年もありがとう京王百貨店。また、来年も楽しみにしています。

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