ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

映画「けっこう仮面」にも怒って下さい

 僕も書いちゃいましたが映画「デビルマン」
への酷評の嵐は凄かったですね。まぁ、実際、あのレベルのダメ映画なんていくらでもあるわけなんですが、やはり多くの人の心にトラウマを刻み込んだ永井豪の名作ゆえに期待と失望が大きく、あのようなバッシングを招いたのでしょうね。
 しかし、みなさん「デビルマン」ばかりを話題にしてますが、もっと問題にしなければならない作品があるじゃないですか! 「けっこう仮面」シリーズですよ! あの「けっこう仮面」も実写映画化*1されているのですよ! ま、映画といってもアップリンクファクトリーなどで一週間上映するだけなので、実質はオリジナルビデオなわけですけどね。
けっこう仮面」といえば、1974年〜1978年に「月刊少年ジャンプ」で連載され、世の小学生にSM趣味などの特殊な性的嗜好を植えつけまくった問題作であります。ある意味、「デビルマン」と並ぶ永井豪トラウマ作品なのですよ。
 いやね、僕なんかは未だにこの「けっこう仮面」とか「イヤハヤ南友」読んでオナニーしてますから(笑)。高橋真弓ちゃんが力いっぱい股さき機にかけられるとことか、弁天ゆりとテレヤ・シェイの八つざきテストなんか、30年近く使ってる定番ズリネタなのですよ、ホント。最近は某サイトで、同好の士と多数めぐりあいましてですね、30代40代のいいオトナが集まっては「テンタクルウの刑が〜」「冷東麗造子ちゃんサイコー」「ノーパンテニス萌え〜」などと、30年来の思いをぶつけ合っているのです。
 ね、それほど大きな作品なのですよ、「けっこう仮面」とは! それなのにあの映画「けっこう仮面」へのバッシングが全く起きないとは、どういうことなのでしょうか。映画「けっこう仮面」のひどさに比べれば、映画「デビルマン」の駄作ぶりなんて、可愛いものですよ。
 なにしろ、エッチなお仕置きが全くないんです、映画「けっこう」。主役のけっこう仮面以外、ハダカは一切登場しないんですよ! そんなの「けっこう」じゃないですよ! だいたい「けっこう仮面」に限らず、70年代黄金期の永井豪の漫画というのはですね、「エロス」「ナンセンス」「バイオレンス」のせめぎあいが魅力だったわけですよ。しかし、この映画「けっこう」の長嶺高文監督*2は「ナンセンス」にしか興味を持っていないようでキッチュなコメディに徹した作品にしちゃったのです。ギャグがちっとも笑えないとか、そういうことは、ま、置いておきましょう。とにかく「けっこう仮面」を名乗っておいて、「エロス」の面が完全に欠如してるってのはホント、どうかと思いますよ。グラビアアイドルなどを起用してるから、脱ぎはナシってのはしょうがないのかもしれないけど(でも本来なら、脱げる子を出すべきでしょ)、普段の水着グラビアよりも露出度少ないというのは、納得いかねぇでげすよ。
 長嶺監督が82年に撮った「ヘリウッド」は日本映画史きっての怪作らしいのですが、この「けっこう」は怪作ですらない、ただの安くて寒い映画です。オリジナルビデオ映画なんだから低予算は仕方ないというなら、あの「けっこう仮面」を低予算で撮ろうとするな! と言いたいですよ。いや、ま、お金かけても「デビルマン」みたいなことになっちゃうこともありますが(笑)。
 ま、「デビルマン」にも「けっこう仮面」にも共通するのは、制作者側の原作への愛の無さ。
 金も愛もないなら、無理に映画化しなくていいですから!

 それにしてもなー、映画「けっこう仮面」半年で4本リリースってのはなー。従来のファンからはメチャクチャ評判悪いんですが、そこそこ売れてるってことなんですかね。原作ファンがタイトルだけで引き寄せられちゃってるんですかね、僕みたいに(笑)。

 
 

*1:オリジナルビデオとしては90年にジャパンホームビデオでも実写化されています。こちらはそれなりの完成度でした。主演は青木クリス。92、93年に続編も発表

*2:91年に同じく永井豪作品の「まぼろしパンティ」を原作と何の関係もない怪作ビデオにしてしまった前科アリ

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