ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

1986年の繁華街マップ

『日本エロ本全史』を出してからも、ずっとエロ本収拾は続けているわけなんですが、創刊号だけでも、もう30冊以上コレクションが増えております。しかも、そのうち15冊くらいは、日本エロ本史においても重要な雑誌なんですよ。
 ああ、早く『日本エロ本全史』の増補改訂版出してぇ!(笑)。

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ナイトマガジン創刊号 1986年6月号(ナイトタイムス社)

 というわけで、先日、『ナイトマガジン』の創刊号を入手しました。『ナイトマガジン』と言ってもピンと来ないかもしれませんが、これは『ナイタイマガジン』の創刊時の誌名なんですね。
 もともとは1981年に創刊された風俗新聞『歌舞伎町タイムス』の月刊誌版として『ナイトマガジン』が1986年に誕生し、それが『ナイタイマガジン』となり、2009年まで風俗情報誌の代表的存在として刊行されていたのです。
 ちなみに『ナイトマガジン』創刊の1986年には、『シティプレス』も創刊されています。二大風俗情報誌が同じ年に創刊されていると思うと、この1986年という年は風俗業界にとってもターニングポイントだと言えそうですねぇ。
 といっても、今の風俗嬢のほとんどが『ナイタイ』も『シティプレス』も知らないんだろうけど(笑)。

 さて、その『ナイトマガジン』創刊号に、当時の風俗街のイラストマップが掲載されてるんですよ。風俗店だけじゃなくて、飲食店なども描かれています。これがもう、懐かしいのなんの。銀行なんてみんな名前変わってますし、映画館もほとんど残ってない。それでも、意外に飲食店は老舗として残ってる店が結構あったりして、眺めているだけでも楽しくなります。
 せっかくなので、ちょっとお見せしたいなと思いまして……。

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続おやじびでお 第9話 平成風俗の栄華と衰退の巻

 90年代の約10年間に「平成風俗ブーム」がありました。それまでのソープ、ファッションヘルス、ピンサロとは違った新しい風俗。具体的にはイメージクラブや性感マッサージ(美療系)、性感ヘルス*1といった業種の店が爆発的に増えたんですね。

 そのきっかけとなったのが1991年にオープンした池袋「R」*2という店でした。言葉責めや前立腺マッサージなどSMクラブから派生したサービスを売りにしていて、女の子は脱がないし、触らせない。でも、従来の風俗とは比べ物にならないような快感を味わせてくれると大評判になりました。
 同店のエースが南智子さんという人で、彼女は代々木忠監督の「性感Xテクニック」シリーズ*3に出演し、その凄まじいテクニックを披露したんですね。彼女の手にかかると、男優が女の子のようにヒィヒィ言わされてしまうのです。彼女をはじめとする性感マッサージ嬢たちのプレイが、その後AV業界を席巻する「痴女」像に大きな影響を与えるわけですね。
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 そんな過激で先鋭的なプレイの「R」ですが、やがて姉妹店として「S」という店を出します。こちらはグッと普通の風俗に近いサービスなのですが、女の子が若くて可愛くて、それでいて、生フェラにアナル舐め、素股といったハードなプレイを格安料金で楽しませてくれるとあって大人気に。「S」のある雑居ビルの階段には行列が出来ていました。

*1:性感とはついているものの、サービス的にはファッションヘルスとあまり変わらない。当時は風営法の許可をとっているのがファッションヘルス、無許可店が性感ヘルスという区分だった。

*2:この「R」のグループが次々と店を出し、平成風俗ブームを牽引したが、1995年に国税局の調査が入ったことから崩壊してしまう。当時グループの年商は20億円以上だったとか。

*3:アテナ映像。10作以上撮られた人気シリーズ。南智子は、のちに作家となり漫画原作なども手がけた。

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8年前の記事に追記してみました

 先日、前Blogの「安田理央の恥ずかしいBlog」の全コンテンツをこっちの新Blogに移動させました。と、なると「ダリブロ」自体は3月17日にスタートして、まだ一ヶ月も経ってないのですが、コンテンツとしては2004年4月からの9年分を有していることになるのですね。
 そしてアクセス解析を見てみると、最新更新分を除けば、一番アクセスされているのが2005年1月6日に書いた「10万円ソープに行ってまいりました」というエントリー。8年も前の記事なのに、ずーっと人気あるんですよね。みんな好きなんだなぁ(笑)。
 これを書いた時には、

 ここでは以降の細かいサービス描写は省略しますね。その辺は「ヴァッカ」(バウハウス刊)で連載中のコラム「風俗自腹主義」で書く予定です。興味のある方はご覧下さいませ(笑)。

 とサービス描写を省略してたんですが、もうその「ヴァッカ」の記事を読むことも出来ないわけなので、今回こっそりとその原稿からサービス描写を追加しておきました。

 あ、ちなみにこの「ヴァッカ」で連載していたコラムは「自腹でゴー! 東京風俗日記」としてKindleなどの電子書籍にまとめられておりますので、興味がある方はぜひお読み下さいませ。

 この頃は僕もバリバリの風俗ライターとして取材しまくり、遊びまくりでした。しかし、この年の終わりには、風俗ライターの看板を下ろしています。この2年前から風俗店の摘発が激化し、都内の風俗店はほぼ壊滅。90年代から続いた平成風俗ブームは終焉を迎え、風俗関係の仕事も激減していたんですね。僕もすっかり風俗に魅力を感じなくなり、これ以降はプライベートでも、すっかり足を運ぶことがなくなってしまいました。いや、あんなに公私共に風俗漬けだったのに、自分でもびっくりしましたね。

 そして、この記事で行った10万円ソープ「D」も数年前に激安ソープにリニューアルしたそうですし、「風俗自腹主義」を連載していた雑誌「ヴァッカ」も、とっくに休刊しています。
 8年間という時の流れを思うと、なんかしみじみしちゃいますねぇ。

ソープランドのサイトでコラム新連載

川崎南町の高級ソープランド「シェルウエスト」のサイトで、コラムの連載をすることになりました。
タイトルは「安田理央の〜南町で逢いましょう〜」(笑)。吉原、堀之内などに比べるとソープ街としては、ややマイナーな感のある南町の面白さについて書いていこうと思っております。「ネタはソープに関係なくてもいいですよ!」なんて言われてますので、飲み屋とかについても書いちゃってます。つーか、第一回なんてシェルウエストについて全然触れてないや(笑)。


安田理央の〜南町で逢いましょう〜」http://www.kawasaki-soapland-shellwest.jp/column/index.html

ゲームと風俗とのコラボ、SMクラブ『夜勤病棟』

奴隷ナース・リアル調教SMクラブ『夜勤病棟』へようこそ。
当クラブはアダルトゲーム「夜勤病棟シリーズ」を制作する(株)ミンクとの間に正式な
提携契約を締結し、そのイメージを再現する、リアルな奴隷ナース調教SMクラブとして
発足いたしました。ゲーム界と風俗界とのコラボレートは、日本で初めての試みです。

実写AVとのコラボはありましたが、リアル風俗とのコラボは凄いなぁ。まぁオタクイメクラの老舗「聖コス」のような例もありましたが、メーカーと正式に提携するというのは、ちょっと思いつかなかった。
ただ、今は風営法上、ラブホテルへのデリバリーに限られちゃうから、プレイルームでアニメの舞台を完全再現ってのが不可能なのが、ちょっと残念ですよね。

あとは女の子たちが、どこまで『夜勤病棟』を理解してるかがキモでしょうね。お客さんはみんな比良坂先生になりきってるのか。

渋谷イメージSMクラブ『夜勤病棟』


ところで『夜勤病棟』ってパチスロにもなってるのね。すげえ、マルチな展開してるんだなぁ。

エロは不滅ではない

歌舞伎町から、こんな光景は消えた
 先日、歌舞伎町の風俗店店長からAVモデルのプロダクション社長になった方にインタビューしました。2004年の歌舞伎町一斉摘発を機に転職したということなんですが、僕も元風俗ライターとして、あの一連の出来事は忘れられません。
 それまでも、風俗店の摘発は日常茶飯事でした。性感ヘルス、イメクラといった、いわゆる平成風俗は、ほとんどが風営法無届けの「違法店」でしたから、常に摘発の可能性があったのです。とはいっても、摘発されても、もうその日の夕方には店名を変えて表向きの店長を変えて営業再開していたりして、まぁ、見せしめのようなものだったわけです。お上の方も必要悪だと思っているというのが、僕らの認識でした。だって、実際に風俗を潰しちゃったら色々と弊害も出てくるじゃないですか。男の性欲ってのは、どこかで発散しないといけないわけだし、その辺はお上の方も心得ていて、未成年使うとかクスリ使うとか本番させるとか、そういうあからさまにマズいことをしなければ、それほど目くじら立てずに共存共栄していくつもりなのです…。なんてことを思ってたわけですよ、2004年までは。
 ところが2004年の摘発はそういう甘いものじゃありませんでした。一度摘発された店は、再度開けようとするとまた踏み込まれました。徹底的に潰されました。池袋、新宿、渋谷、都内の無許可店は次々と潰され、そして翌年には西川口など近郊の風俗街にも摘発の嵐は吹き荒れました。気がつけば、あれほどたくさんあった性感ヘルスやイメクラは、街から姿を消してしまったのです。残ったのは新風営法施行以前から営業していたソープランドファッションヘルスといった許可店と、風営法許可の下りるデリヘル、ホテヘルのみ。現在は、デリヘルが風俗のメインということになっているのですが、いちいちラブホテルに入らなくてはいけないデリヘルは客に取っては面倒くさいし料金もかかるしと敷居が高く、自然と足が遠のいているようです。かといって、その分、ソープやヘルスに客が押し寄せているかというと、そうでもない。あのたくさんいた風俗客はどこへ行ってしまったのでしょうか?
 風俗が無くなったら、みんな地下に潜ってしまい援交や違法な裏風俗がはびこる、なんて話もありましたが、実際にはそこまでして遊びたいという人は少ないようです。気軽に遊べたからあれだけ平成風俗が流行ったのでしょうね。じゃあ、その性欲は、今はどこへ向けられているのでしょう。
 ま、実際のところ、我慢すれば我慢できちゃうということなんでしょうね。どうしても我慢できなかったらソープでもデリヘルでも裏風俗でもあるし。ただ、以前のように、頻繁に足を運ぶということが無くなっただけで。
 僕自身で考えてみれば、2003年に「風俗ライター止めました」宣言をして以来、めっきり風俗への興味が失せてしまい、仕事でさんざん行って更に自腹でもガンガン行くというほど通っていたのに、今はもうほとんど行かなくなってしまいました。以前は風俗が無くなったら生きていけないと本気で思っていたけれど、別に行かなくても大丈夫だなぁなんて気づいたり(笑)。まぁ、たまに行ければいいかなというぐらいの気分です。無ければ無いで何とかなる。自分でも、この心境の変化にはビックリしましたね。
 プロダクション社長とは、「お上が本気になった時の怖さ」について話しました。社長は「一夜にして、ひとつの業界が無くなってしまったことに驚いた」と言っていましたね。何しろ、あれだけ栄華を誇った歌舞伎町の新風俗があっという間に消えてしまったのですから。お上が本気になって潰そうと考えたら、本当に無くなっちゃうのです。そして世論だって表だっては味方になってくれません。エロって、そういう立場なんですよね。
 そしてあの悪夢がトラウマとなっているという社長は、新天地のAV業界でも、また同じ目に合うんじゃないかという思いが拭えないそうです。AVやエロ雑誌が、徹底的に潰される、そんな日が来るんじゃないかと考えてしまうそうです。
 今年、ビデ倫がヘア解禁をしてからの新基準モザイクは、びっくりするほど細かく薄くなっています。数年前に流行した半違法の薄消しAVかと思うほど、よく見えています。と、なれば、これに対抗する形でメディ倫などの新基準団体も、消しを薄くしていく可能性もあります。もしも薄消し合戦がエスカレートしていったら、そのゴールは摘発ということになるでしょう。はっきり言って、今のセルAVの修正でも以前の基準で考えたら完全にアウトですからね。本気でお上が動いたら、今のエロ業界は、あっという間に吹っ飛びます。
 エロは必要悪、エロメディアが無くなったら、性欲のやり場を失って性犯罪が増えてしまう。男に性欲がある以上、エロメディアは不滅! と、いう意見も、あの風俗業界の崩壊を目の当たりにした僕らには空しく聞こえてしまうのですよ。
 エロは、いつだって砂上の楼閣なのです。

ススキノ「プッシーキャット」閉店!

 札幌に行くという知人がいたので、ならば「プッシーキャット」に行くべきでしょう! と教えてあげようとサイトをみたら、なんと閉店するとの告知が!

23年間営業してまいりました、プッシーキャットファイナル公演 3月3日から4月8日まで 毎日お別れパーティー開催致します。
この営業をもちまして、お店の営業に幕を下ろすことになりますが
最後まで応援よろしくお願いします。

えええええええ!
いやね、僕は2003年に日本一周風俗の旅をしたんですが、その時に一番印象深いといいますか、感動したお店がこのススキノの「プッシーキャット」だったんですね。基本的にはエッチなショーと個室ヘルスの複合店で、大音量の音楽と能天気なアナウンスにのって脱ぎまくり踊りまくる女の子たちを楽しみ、そしてその後は個室で抜いてもらうというシステム。ショーを見るだけでもOK。いや、このショーが実に素晴らしかったんですね。
拙著「日本縦断フーゾクの旅」(二見書房刊)から、引用してみましょう。

「手は気をつけで、女の子には触らないようにお願いいたします。動かしていいのはおちんこだけ、おちんこだけ。はーい、ソレ、ソレ、ソレソレソレソレッ」
掛け声にあわせて、女の子が上下左右に腰を振る。ステージに丸太のようにズラリと並んで仰向けになっている客たちは、嬉しそうに頭上を見上げている。
 ああ、バカだ。男はバカだ。アナウンスは、やたらめったらに「おちんこ」「おまんちょ」を繰り返し店内のバカ濃度を上げていく。この店のムードに流されて、どんどんスケベバカになっていく自分がわかる。僕もステージで仰向けになり、頭上でパカパカと開く女陰を眺める。なんだか嬉しくてたまらない。

もうね、誰でも単なるバカでエッチな男になれる空間なんですよ! あれは感動したなぁ。

調べてみると、どうやら今年の一月に摘発されていたらしいんですね。

札幌・ステージ上でわいせつ行為、8人を逮捕 /北海道

 札幌中央署は23日、札幌市中央区南8西5、風俗店「プッシーキャット」従業員、
門間秀正容疑者(31)ら従業員8人(男3人、女5人)を公然わいせつの疑いで
現行犯逮捕した。調べでは、8容疑者は共謀して、同日午後5時半ごろ、同区
南6西5の同店内のステージ上で、この女性従業員5人が客に陰部を見せるなど
わいせつな行為をした疑い。同店では同様のショーを1日に10回以上開いていた。
当時、店内には約40人の客がいたという。同署は経営者や店長からも事情を聴く
方針。

毎日新聞 2006年1月24日

それを受けての閉店ということですね。
ああ、あれは世界に誇れるエンターテイメントだと思うんだけどなぁ。もう、あの素晴らしい空間を体験することが出来ないなんて、残念ですよ。
マジに4月8日の閉店までに札幌まで行こうかと考えたくらい(でも、今は、ショーの内容がずいぶんおとなしくなってるらしいので、止めましたが)。

ちなみにこの「プッシーキャット」の素晴らしいショーの様子は前述の拙著「日本縦断フーゾクの旅」、そして僕が監督したAV「月刊日本全国オススメ風俗MAP 北海道編」 に収録されているので、興味がある方はぜひ!

いや、それにしても、本当に残念ですよ!

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