ダリブロ 安田理央Blog

フリーライター安田理央のBlogです。

古本ツアー 所沢編

 とみさわ昭仁柳下毅一郎との三人によるトリオ・ザ・古本の古本ツアー(別名朝飲みツアー)も、はや4回目。第一回の京浜東北線京編、第二回の中央線編(ゲスト:吉田豪)、第三回の東西線編に続いて、今回は所沢編。
なぜ、所沢かと言えば「彩の国古本まつり」が開催中だからです。年に4回開催され、埼玉、東京、千葉の古本屋40軒近くが参加するという大規模な古本市なのです。僕は昨年の秋に初めて行って、その規模の大きさに感動しました。まぁ、トリオ・ザ・古本としては、一度はみんなで行っておかねば、と前から話していたのです。
 
 さて当日。平日の朝11時というのに会場のけやきホールの前には長蛇の列。古本の亡者どもが並んでおります。

はっきりいって年齢層は高いです。シルバー一色といってもいいでしょう。その中に、明らかにカタギでは無い匂いを振りまく二人連れがいました。もちろん、とみさわさんと柳下さんです。
 さて会場。エレベーターを降りて8階ホールに入れば、そこはもう古本のパラダイス。見渡す限り、古本、古本。血がたぎります。三人とも黙って会場各地へと散って行きます。

 とにかく、全てのブースにざっと目を通すだけでも大変なのですよ。パッと見て、興味がありそうな本が目に入ったら、そこをチェックという感じ。ずいぶん見落としてしまってる本もあるんだろうなぁ。
 僕の一番の目当てである古いエロ雑誌は、さすがにあんまり無いのですが、それでもチョコチョコと気になる雑誌が見つかります。
 鼻息荒く、チェックしていたら携帯電話が鳴りました。出てみると、柳下さん。
「今、どこいる?」「真ん中あたり」「あ、いたいた」
ふと見れば、すぐ近くで柳下さんが手招きしています。何かと思って近づくと、どこかでみたことのある長髪の男性が。
喜国雅彦さん」と柳下さんが紹介してくれます。前に何かの飲み会で一緒になったことはあったような気がしますが、ちゃんと会うのは初めてです。喜国さんと言えば、探偵小説などのコレクションで知られ、「本棚探偵」シリーズなどのエッセイも出している古書マニア。この近所に住んでいて、Twitterで僕らが古本まつりに来たことを知って、やってきたというわけです。
 思わぬゲストの登場に喜びつつも、さらに古本漁り続行。うーん、この日はあまりこれといった収穫はなかったんですが、それでも10冊ほど購入しました。場の雰囲気に飲まれて、つい買っちゃうんですよね。

 この近くに喜国さんおすすめの大型古書店があるとのこと。喜国さんの車で連れて行ってもらうことになり、感謝感謝。実際、駅からはかなり遠く、車じゃないとちょっと行けない場所でしたね。
 さて、到着したのが「ほんだらけ所沢店」。

「店内在庫100トン、50万冊!」と書かれている通りに、広い店内一杯に本がぎっしり。在庫をトンで表現する古本屋、初めてみましたよ。分類も丁寧だし、古本屋なのに特集棚なんかもきっちり作ってあったりして、気合が入っていることが伺えます。成人向けコーナーも、同人誌なんかも揃ってたりして充実してました。

 僕はここで雑誌を二冊購入。雨の日サービス(ちょっとでも雨が降ったら、その日一日適用)で一割引というのは嬉しかったですね。

 さあて、ここらでちょっとガソリンを入れないと。昼酒と古本というのが僕らのツアーのテーマなのに、まだ一滴も酒を入れてないんですから。前に新所沢でいい古本屋を見つけたということもありまして、喜国さんに新所沢駅まで送ってもらいました。
 さて、新所沢。この時間で飲めるところはないかなぁと探したところ、駅前に「亀仙人」という手作り餃子が売りの中華料理屋がありました。ここで一服しましょう。
 店名から想像されるキャラがあちこちに描かれているんですが、……無許可だよねぇ。なので自主規制(笑)。

 生ビールで乾杯。自慢の餃子も、棒々鶏も炒め物も、本格中華という感じで大変美味しかったです。あー、平日に昼から飲むビールって、なんでこんなに美味いのでしょうか。みんなが働いていると思うからでしょうか。

 一時間ほど飲み食いしてから、新所沢の古本屋をチェックに出かけます。まずは、東口のやよい書房。パイン通りという小さな商店街を抜けた先にあるはずですが、閉まっていますね。うーん、これは閉店しちゃっているのかなぁ。

 仕方がないので、次の店に向かいます。しかし、蒸し暑い。この日は気温はそれほど高くなかったんですが、湿度がものすごい。もう体がだるいのなんの。ガソリン入れたから、余計に重い。このガソリンは入れれば入れるほど、動きが鈍くなるからなぁ。
 さて、以前も来て、その佇まいが気に入った祥文堂書店本店。店頭のA型看板がまた泣けるんですよね。典型的な古きよき古本屋という感じです。

エロ本も結構充実してますし、詳しくは書けないですが、意外な物まで売ってたりして。
 ここで、また意外がゲストが登場。元たまの石川浩司さんです。なんとこの近所に住んでいるということで、これまたTwitterを見て、この店に来たとのこと。中央線ならまだしも、所沢でこんなことがあるというのが、なんかすごいですね。

 石川さんも一緒に、ドラマ新所沢店、そしてブックオフ新所沢店と大型古書店を回って、西口の祥文堂書西口店へ。

祥文堂の支店ですが、こちらの方は少し大きく明るいお店です。でも、エロ系も充実しています。僕はここでエロ雑誌を三冊購入。

 とりあえずこれにて本日の古本ツアー所沢編は終了。古本まつりを含めて6軒回れたのだから、まずまずですね。地元である石川さんの案内で、新所沢駅近くのいい感じの飲み屋「もつや」に行きました。

おつまみがみんな200〜300円。サバ水煮の缶詰とか、ハム焼きとか、せんべろ飲みにぴったりのお店でありました。ママさんが、セクシーなホットパンツ姿で悩殺してくれますしね!

 僕はちょっと用事があって、ここで失礼したのですが、この後、また喜国さんと奥さんの国樹由香さんも合流して、古本の宴はまだまだ続いたようです。


さーて、今回の戦利品は16冊、合計5927円ナリ。

性の残酷史 編:ウィーン性問題研究所 訳:清水朝雄 1960年(利根書院)
カバーなし。ヨーロッパの奴隷や貧困層の話。これを編集したウィーン性問題研究所はナチスドイツの弾圧によって壊滅させられたとか。


洋酒指南番 著:三沢光之助 1964年(技術出版)
昔の洋酒の本は、なんだか洒落ていて面白くて、つい買ってしまう。サブタイトルは「うろたえるな! バーテン!」 洋酒のウンチク集。


保存版えろちか13 1970年(三崎書房)
性文化誌として有名な「えろちか」の編集版。特集メカニカルセックスには筒井康隆都筑道夫。他に竹中労片岡義男の名前も。あ、蘭光生がSM博物館を連載してたのは「えろちか」だったか(連載時は「猟奇博物館」)。


サスペンスマガジン 1977年1月号(久保書店
頭文字がSMというわけで、推理小説誌に見せかけてSM雑誌なわけですね。ま、実際に最初はミステリー系の小説も掲載していたようですが。表紙はなかなかいいんですけど、中身はちょっと垢抜けないし、他のSM誌に比べても個性が感じられないんですよね。


ランデブーコミック 1978年(みのり書房)
SF&コミック誌「ランデブー」の増刊号。「超人ロック」の聖悠紀特集号ですが、僕の目当てはいたはししゅうほうの「ペイルココーン」総集編。単行本版には収められていない番外編なんかもあって嬉しい。


BOMB! 1982年1月号(学研)
「セーラー服と機関銃」で薬師丸ひろ子特集。この時期の薬師丸ひろ子が嫌いな40代男性なんているわけがない。島田紳助の「パンツの穴」とかタイムリーですな。表紙に大きく出ていた伊藤つかさがモノクロ2ページのインタビュー記事だけというのは納得いかないが。


スーパー写真塾 1984年1月号(白夜書房
創刊二号。スパ写も最初は版型大きかったのね、今もまた大きくなってるけど。13歳の工藤夕貴が可愛い、武田久美子のパンチラがすごい。その他、今はちょっと書くとまずいような写真が満載。業界的には、元ビデオメイトDXの松沢編集長が、新入社員として紹介されているあたりがツボ。日本で三番目くらいにプロレスに詳しいそうです。


スコラ 1987年1月22日号(スコラ)
ヌード大特集ということだけれど、グラビアにはAV的に有名な子はあんまり出てないなー。麻生澪は嬉しいけど。


クイックジャパン15号 17号 1997年(太田出版
竹熊健太郎、但馬オサムの自販機本についての連載「天井桟敷の人々」のため。とりあえずこれで掲載号は全部揃った。


ベストビデオ1997 (三和出版)980円
96年発売のAV1952本を紹介したデータベース。しかし付録のCD-ROMは再生できず……。96年度、読者が選んだベストAV1位は「人間廃業 愛田るか」レンタルランキング1位は「私は痴女 まつたけ狩り」か。へー。ゴールドマン全盛期ですな。


ほんの一冊 著:いしいひさいち 1999年(朝日新聞社
いしいひさいちの書評&4コマ。いしいひさいちにしてはイマイチだったなー。


オレンジ通信 2006年2月号(東京三世社
毎年2月号は年間ベスト特集をやっているので、歴代2月号を揃えているのです。05年のベストAVアイドルは南波杏でした。


リビドー・ガールズ 編:神谷巻尾 2007年(PARCO出版
辛酸なめ子雨宮まみ真魚八重子金巻ともこらによる女子とエロについて書かれた一冊。


DVD爆笑おもパロビデオセレクション 2007年(桃園書房
コスプレとか特撮とか、いわゆるバカAVを特集したムック。桃園書房が倒産した年に出されてるだけあって、作りがちょっと雑だなぁ。


月刊PLAYBOY 2008年12月号(集英社)
終刊ひとつ前の号なので、33年の歴史総集編全編が掲載されている。こういうのは資料的につい買ってしまうね。しかしプレイメイト系美女ってのは、全然そそられないなぁ。

というわけで、行く街、行く街で、(予定になく)地元に住む知り合いと交流を深めている古本ツアー。次はあなたの街に行くかもしれない(笑)。

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